八代亜紀さんの歌い手としての黄金期は、なんといってもデビューから在籍し、紅白出場はもとよりレコード大賞も受賞したテイチク時代、ということになるだろう。
その後八代さんはセンチュリー~コロムビアと移籍し、のちユニバーサルでそのキャリアを終えることになるが、昔も今も、否、今まさに問題になっているのが、テイチクで苦楽を共にしたディレクター氏と共に移籍した(氏が八代さんのために作った会社とも言われている)センチュリー時代のすったもんだである。
今、このセンチュリー時代の八代さんの音源(サブスク等にはなく、通販などのルートを中心にベスト盤やCD-BOXなどが販売されている)を聴いてみると、作詞・作曲のスタッフ陣には恵まれており、実際「あなたと生きる」「海猫」「陸の船乗り」「日本海」など名曲やヒット曲もそこそこあるのだが、全体的にサウンドというか、ミックスの音色が古くさくて、《演歌の女王》にはふさわしくないというか、ちょっと惜しい感じがする。
そんなセンチュリーだが、会社そのものは既に無く、八代さんのバイオグラフィー等でもこの時代のことはほぼ触れられることはなくなっていた。
そして、この時代の音源の権利、その他もろもろを引き継いだのが「ニューセンチュリー」という会社(現在販売されているセンチュリー時代の八代さんのCD等は、おおむねこの会社から出ている)。
このニューセンチュリーが2025年4月21日、八代さんの「追悼盤」、それも「お宝シリーズ第一弾」と銘打って発売しようとしている『忘れないでね』なるタイトルのCDアルバムの中に、かつて八代さんがプライベートで撮影したという裸の写真を封入する、と告知しているのだ。
死人に口なしとはまさにこのことで、誰も止めないし止める権利もないから発売する、ということなのだろうが、八代さんのファンのひとりとして、どうしてもこの愚劣な商売は許せないのだ。
4月に入って出たウェブ記事で記者の直撃を受けたそのご当人は、何やら八代さんサイドに恨みがあるらしく「金目当てではない。あちらから謝罪がない限り、このCDは発売する」といったように強弁しているようだ。
もし、どうやっても止めることができず、発売されてしまうのであれば、「どうか、買わないで」と、皆さんにお願いするしかない。
「おんな港町」のサビ(忘れたいのに 忘れられない)ではないが、八代亜紀さんのことを忘れる、というのはとても難しいことなので、皆さん。
こんな最低の商売で小銭を稼ごうとしている最低の会社があり、人物がいるということを、どうか「忘れないでね」、と申し上げておきたい。
最後に。
八代さんのことを純粋に書くのは、どこから手をつけていいのかわからず、いつになるかも見えていないけれど、いつかきっと、書きます。(2025年3月21日記、4月2日加筆)