今回は、ラオスやタイの山岳地帯に伝わる伝統楽器、「ケーン(khaen)」ついてまとめたいと思います。
・どんな楽器?
ケーンは、 はラオスの口オルガンで、通常は竹でできており、長さの違う竹のパイプに空気を吹き込み音を出します。主にラオスの伝統音楽で用いられる楽器ですが、ラオスに近い地方のタイや一部のベトナム地域、カンボジアのダンス、lakhon kenの音楽に用いられているようです。ラオスではケーン音楽は、家族と社会の結束を促進する生活に不可欠なものであるとのことです。2017年にユネスコの人類無形文化遺産の代表リストに登録されました。
・楽器の構造
まずはどんな音の楽器なのか、演奏を聴いてみて下さい。
ケーンは、フリーリード楽器の一種で、フリーリード楽器は他に、ハーモニカ、アコーディオン、バンドネオンなどがあります。
西洋でケーンが紹介される時には、ビックハーモニカと称されるときもあるようです。
パイプに穴が空いていて、穴を指で塞いだり開いたりしながら音の高低をコントロールします。
演奏される部族のもつ音楽によって違う調律が施されているとのことです。
中国の笙と同じ構造で、ラオスのケーンと中国の笙は、どちらが先に発生したのかは諸説ありますが、関係があると言われています。
日本の雅楽で使われる笙も同じ系統です。
タイの北東部イサーン地域の音楽、mor lamの演奏では、ケーンはフィンと呼ばれる、リュート属の楽器と共に演奏されることが多いようです。
フィン↓
イサーンのmor lamの演奏をお聞き下さい。
・まとめ
ラオスやタイ北東部イサーンの伝統楽器、ケーン(khaen)についてまとめました。
中国や日本の笙に似た楽器で、荘厳な音が出る口オルガンです。
最後に、フィリピン出身で現在イギリスのグラスゴーを拠点に活躍する、ケーンを主に演奏し活動している、Pat Fernandez(Pad Sound house)の演奏を聴いて頂き、おしまいにしたいと思います。