世界の凡ミス -しくじり列伝-

皆さんは『ケアレスミス』をした事がありますか?私はめっちゃあります、そりゃそうだ。例えば数字の桁の打ち間違いとか漢字の間違い、病院の予約時間の見間違いなど…自分だけに影響する事ならいい(?)んですが、よそ様に迷惑かけちゃうとすごく申し訳ない気持ちになります。

世界にはスケールの違う『凡ミスで発生した事故・事件』がたくさんあります。今日はそれをいくつか紹介したいと思います。ちょっとした暇つぶしや教訓としてご覧くださいませ。

まずは日本のお話から。ちなみにケーブルテレビやインターネットプロバイダのJ:COM社とは一切関係ありません。2005年12月に事件は発生しました。M証券の担当男性社員がやっちゃったとんでもないミス。警告画面は出たようなのですが、『いつも出るもの』として警告画面を無視して実行、ダメなやつだ!

1株61万円という価格設定で入力しようとしたのですが…なんと逆に入れちゃったんです。そう、『61万株1円』と…この時点でとんでもないんですが、値段の差異としては同じ61万株で比較すると1株61万円の場合同じく61万株を買おうとすると、3,721億円かかります、スケールがデカい。日本国民総数を1.25億人として、全員に毎日1つマックのチーズバーガーを配るとしても144日貰えます。

担当者は1分25秒後に事に気付き取消を入力したのですが、システムバグで取消入力を受け付けず。ホストシステムから取消を入れてもダメ、泣く泣くM証券は反対売買で買い戻すことに。実際にM証券が被った損失金額は407億円。警告画面に慣れるなんてもってのほか、ハビチュエーションに気をつけましょう。

以下の記事には事件の描写などを含みます。気分の悪くなる方は次の項目まで読み飛ばしてください。

2007年ドイツ ハイルブロン市で事件が発生。休憩で駐車場に止まっていたパトカー内で警官2名が頭部を撃たれて横たわっているのを通行人が発見。女性警官1名が死亡、もう1人の男性は命はとりとめたものの重い障害が残ってしまったのです。捜査上で採取されたDNA、これがドイツ各地の殺人・強盗・薬物取引の現場でも同一のものが採取されていたのです。更に更に1993年に発生した別の殺人事件の現場から採取された証拠からも同一のDNAが!このDNAは東欧系の女性のもので、これが『ハイルブロンの怪人』『ドイツで最も危険な女性』として懸賞金をかけられることに、しかし……。

2007年に少年が窃盗目的で学校に侵入した事件、こちらのDNA鑑定も後に行ったのですが…少年が現場に残した証拠の清涼飲料水の空き缶からもこの女性のDNAが。あれ?犯人捕まってて少年なのに?ここで雲行きが一気に怪しくなってきます。3月にフランスで難民の焼死体からもこのDNA。アレレー?

事件の真相はあまりにお粗末。事件の証拠採取に使われていた『綿棒』、同じ工場から納入されたものだったんですが…梱包工程を素手で行っていた事が発覚。採取されたDNAは『納入者の女性』だったのである!更にこの綿棒、『DNA鑑定用を前提としたものではない』ものだったのである!!なんでさ…!お察しの通り事件は全部捜査やり直し、業者の女性へのお咎めは勿論ナシ、しかしドイツの警察は『戦後ドイツ史上最もお粗末なミス』と大批判を受けたのでした、チャンチャン。

最後は笑えないけどよくあるケアレスミスのお話、1988年7月に起きた火災・爆発事故です。勤務していた229人中167人が死亡した海上油田最悪の事故。パイパー・アルファにはコンデンセート(天然ガスに含まれる液状炭化水素)を送るポンプが2基設置されていて、7月6日はその片方 ポンプ①の点検が予定されていました。その為安全弁が取り外され、配管に仮の蓋がされていました。使用できる状態ではない為、担当の技術者は『起動してはいけない』旨を書類に記載しました。悪夢はここから始まった。※以下の画像はクリックで拡大できます。

管理者が忙しそうだったから報告せずメモ残す…や、やったことあるーーー!!爆発直後の判断ミスもあった、原油の供給は止まっていなかったのです。なぜなら会社が停止を許可しなかったのだ、『停止してしまうと再起動に数日かかり、経済的損失が深刻になるから』です。更に更に自動消火システムの起動は手動でしかできなかった為、誰も行う事が出来ず火災は何にも遮られることなく、縦横無尽に燃え広がったわけだったのです…。

たった一つの伝達ミスから始まった大事故。更に会社の方針による被害の拡散と悪化。メモは電子でも紙でも消えるしなくなるものです。大事なことは口頭で伝えましょう、絶対。

注意一秒 怪我一生

いかがでしたでしょうか?他にも多くの凡ミス事件は結構あります。例えば数年前に起きた高知県初月小学校で起きた『プールの水を一週間止め忘れた事件』なんかもあります。これも教員間で、誰かが気付いてやってくれるだろう。という認識から起きた事件です。どれもこれも俯瞰する分には面白いですが、当事者の立場になったら笑えないミスの数々。

月に着陸した(といわれる)アポロ11号の弟 アポロ13号もネジ一本の外し忘れで乗務員の命を奪いかねない大事件が発生していたり…興味があったら是非調べてみてください。ちょっとした反省が得られます、ちゃんと確認しよう…!ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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A.A.

『好きに全速前進』がモットーです。うつ病、不眠症、アルコール依存症(AUD)。治すよりも一緒に生きる方法を模索中。

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