古代エジプトの支配者は、トルコ石の宝飾品を身に着け、中国の職人が3000年以上前には彫刻にしていました。
13世紀頃、主産地であるイランやシナイ半島~トルコ経由で地中海を経てフランスに持ち込まれたことで、トルコの石と言う名称が誕生し、「トルコ石」と呼ばれるようになったのです。
トルコ石は儀式の宝石であり、米国南西部では米国先住民族にとって物々交換の手段だったり、お守りとして使用されていたのです。また弓や銃器にトルコ石をつけると狩猟者や戦士の正確さが増すと言われています。
トルコ石 産地
トルコ石の主な産地は、イラン(ペルシャ)、アメリカ(特にアリゾナ州)、中国となっています。
イランのネイシャプル鉱山産は高品質で有名です。
主な産地と特徴
イラン(ペルシャ)
・ネイシャピル鉱山産は、高品質で美しいスカイブルーが特徴になります。
・ロビンズエッグブルーやペルシアンブルーと呼ばれるのもあり、高い評価を得られています。
・産出されるトルコ石は、高度が高く、持続性のあるのが多いです。
アメリカ
・アリゾナ州は、スリーピングビューティー鉱山産が有名で、希少性が高く、高い値段で取引されています。
・他にもキングスマン鉱山、ネバダ州のローンマウンテン、ナンバーエイト、ランダーブルーなど、高品質なものが産出されています。
・アリゾナ産は多孔質の場合が多く、スタビライズ処理(樹脂を染み込ませる処理のこと)を施してから商品化されることが多いとされています。
中国
・河北省や湖北省、安徽省、チベットなどで産出されています。
・不純物の鉄が多く、緑色の発色が強いものが多く、彫刻品などに加工されていることが多いです。
・中国は世界最大のトルコ石消費国となっています。
その他
エジプトのシナイ半島、メキシコ、チリ、アフガニスタン、インドなどです。
注記
・トルコ石は、トルコ産ではなくて、ペルシャ(現在のイラン)で採掘されているのがトルコ経由でヨーロッパに広がったことから、トルコ石と呼ばれるようになったのです。
・トルコ石は、その産地によっては品質や色合いが異なっています。
・天然のトルコ石は、薬品に弱くて、変色しやすいので、取り扱いには注意が必要になります。
・含浸処理やスタビライズ処理を施されたトルコ石は、変色や変質を防ぐことができるのです。
日本での産出
・1994年に栃木県で発見された記録があります。
トルコ石の特徴
・銅を採掘する銅鉱床から二次鉱物として産出しています。
・主成分である銅の色に不純物として鉄が入ることで水色に発色します。
・濃い水色ほど高級とされているのです。
・クモの巣のような黒い模様は褐鉄鉱で、スパイダーウェーブ、メイトリックス、ネットなどと呼ばれています。
・乾燥した地域で多く産出しています。
・柔らかく、彫刻品に加工されることが多いです。
・古くから装飾品として使用されてきました。
・トルコでは人生の守護石として身につけられていました。
トルコ石は、古くから世界中で愛されてきた宝石で、様々な文化で特別な意味を持っているのです。