時計の針が微睡を連れてくる
耳は塞がってしまったみたいだ。
ふと鼻が利いて未来の予感を連れてくる
感覚は鈍くいつまで続くのかわからない怠惰に身をやつす
抗うことを忘れかけていた
けれど、抗う毎に周囲の抵抗は大きくなるだろう?
それは単純な勝ち負けの心理が働くから
馬鹿馬鹿しい
それすらも凌駕することを神は私に求めるのか
医師のプライドを把握し言葉を選び態度をコントロールする、単純な心理に踊らされることなく説き伏せる
いや、私は私にそれを求めてきたのだろう。
そしてできる気がしてしまうから厄介だった。
大学生の時の私は人をコントロールすることが容易で医師、区役所のケースワーカー、教授たち、私の言葉に誰もが納得した。
それが、恐ろしかった。意志や夢や思いを語ることはできても、それに伴う行動をしようとすると
てんで追いつかなかったからだ
自分はペテン師にでもなってしまうのかもしれないと
砂の上に家を建てた者の様になるのではと、どこか戦々恐々としていた
そのうち、声が出なくなった。
掠れ、引きつる声、私はしゃべることから離れた
それはつかの間の救済だったのかもしれない
私は怯え、そしてそれを守るために叶えたのだ、きっと。
いつも自分の思う通りに生きてきたのだと思い知る。
ある占い師が言った「不安なのは不安が好きな人、悩むのは悩むのが好きな人、苦労するのは苦労するのが好きな人。本当に嫌なら、不安にならないように生きて、悩まないように生きて、苦労しないように生き抜くもの」
そうだなあと、潜在意識を書き換えるほどに意識し続ければ、薬すら凌駕することを私は知ってる。
敵わない事なんて今の日本では起きやしないのかもしれない
忘れたいものだけ集めてた
こぼしたいものだけ拾ってた
だって、頭から離れない
でも、そう決めたのは私だった
ひねくれていられる程、平和な時代を生きたのだろう。
素直でなければ生き延びられない国も沢山ある。
何に価値を見出すか。
何を心地よいと思うか
主旋律よりもどうしようもなくマイナーな音階に心惹かれるんだ
その心地よさが運の命めなのか、
もう誰も説き伏せたいとは思わない。
その先にある孤独を私は知ってるから。人々の賞賛の中にあっても、孤独はやってくるから。