僕は歩いていた。

ずっと一本道を。

ふと空を見上げると黒色の鳥が飛んでいた。

恐らくはカラスの群れだろう。

僕は散歩をしていてこの光景を目にし、風に乗って飛んでいるカラスに雄大さを感じた。

カラスの群れがいなくなった後、青に染め行く空の時間と、照りつける太陽に温度を感じた。

そのまま歩いていると、人が見えた。

歩を進めるうちに段々と輪郭がはっきりしてきた。

すれ違い様にラベンダーの様な匂いがした。

香水だろうか。

ふと思い出した。

その香りに微かな記憶をかすめたことに。

そう・・・。あれは8年前、当時勤めていた職場の女性とのことに。

恋をした。

その女性を。

しかし、僕が勤めてからすぐに転勤になった。

今になって思う。

その女性が僕に与えた影響を。

微かに匂ったそのラベンダーの香水に懐かしさを感じた。

すれ違ったその人にその女性の影を想った。

これから先この香りを嗅ぐ時があるとすれば、また彼女の事を想うことだろう。

そう・・・。この花の香りを思い出しながら。

  • 6
  • 2
  • 0

花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内