猫耳少女は夢をみない。#33

#33 「エポリー」

深沢大知のもとに届いた手紙は親友の輝からだった。
すぐに手紙を開けると“今すぐ城に来てほしい”とのことで
仲間に挨拶をすませると城に向かった。

じゃあ、ちょっと敵討ちしてくるわ!!

リーダー・・・お気をつけて・・・

約束の場所でお待ちしています・・・

ああ!!

同時刻・・・
城では、思い切った輝の発言に
顔色1つ変えない国王の態度に
許可を出してもらえないと思っていた輝だが
諦めない姿勢と親友の存在に救われ許可を出してもらった。

よかろう…
親友の子には、護衛の任務と
用心棒が着る制服を着てもらう
お前たちが行くガウヴァス国は
治安が悪く王族を恨んでいる
だから、輝・・・
お前も念のため変装をしていけ・・
くれぐれも・・・
気をつけるんじゃぞ・・

はい!ありがとうございます!

輝は、一礼して真剣な表情で“行ってきます”と一礼をする
その姿を見て・・・ 国王ではなく父親として思う

兄弟は似るもんだな・・・

次に輝が向かったのは、妻のルージャがいる部屋
部屋に入るが・・やけに落ち着いていて傷心モードだった・・

ルー・・・

輝・・・!!

輝を見た瞬間、飛びついてルージャは泣きながら話す

私・・・・頑張ったの・・・・
顔も見てないし、覚えてないけど・・・・
でも・・・・
私と妹を置き去りにして
出ていったあいつを・・・
私は・・・
父親だとは認めない・・・・・
そんな人と・・・・
話したくもなかったの・・・
でも・・・
この国を守るために・・・・
私・・・
私・・・!!

輝はルージャの話を聞いたうえで、優しく包み込んで受け止めた。
その話と、自分がその父親のところに行くことを決意して話す

ルー・・・
大事な話をしなきゃいけないんだ・・・
実はルーが嫌っている
その親のところに・・・
大知と2人で行くことになった

どうして?輝が行く必要があるの・・・?

ルーの親(として認めてないけど)は、
大知の仲間の仇らしい・・
個人的に俺は・・
その親と会って話してみたいんだ・・・

ダメ・・ダメよ・・・
出禁送りにされたものが
どうなっているのか知らないわけがないでしょ??
王族を酷く恨んでいるのよ??
それに・・・行ったら・・・
帰ってこれないかもしれないのに・・・

ルージャは、涙をポロポロ流し懇願する

行かないで・・・
あなたまで失ったら・・・私・・・

ルー・・
俺、幼い時・・
あの国に行ったことがあるんだ・・・
俺の近侍とルーの近侍は、
あそこで俺が見つけた・・だから・・

“大丈夫だよ”と言おうとした瞬間、
頭を撫でるつもりがうっかり猫耳に触れてしまう

ムニッ

(ん?なんだ、この触ったことない感触は・・・??
胸?いや違う・・
俺は頭を触ろうとしたんだ・・
胸がそんなところに
あるわけがない・・・
じゃあ・・・これは・・・・?)

呆然としていると、ルージャに異変が出て・・・

はぁっ・・はぁっ・・・

ルー?

顔を真っ赤にして息切れが酷く長く続いた・・。
こんな症状は今までになく、あたふたしていると
急いで駆け込んでくる女王の姿が・・・

遅かったか・・・

女王様・・・??

おぬし、猫耳を触ったな・・・?

え・・・!!

自覚なしか・・・
この子は、エポリーという症状を持つ
猫耳族でも特殊な子なんじゃ

エポリー・・・?

そうじゃ・・・
普通の猫耳族と違うところは、
ちょっと猫耳を触った程度では消滅しない・・

よかった・・

だが・・・エポリーの猫耳族は、
喘息を必ず伴う・・
症状のつらさは個人差があるが・・
治す薬は真実の恋だけ・・・
ルーちゃんの場合、おぬしに惚れておるから・・
喘息がもう治まってる
真実の恋をこの子が知ったときに
再度猫耳に触れるとその時は
完全に消滅してしまう・・・

ずっと一緒にいた、ルージャの秘密を知った輝
なんで今まで自分に隠していたのか分からないと考えていたが
今はルージャの身を女王と一緒に見守っていた。

それでも・・・・・おぬしは・・・
この子の側を離れていかねばならない・・・

でも・・・・
この状態のルーを放っておくことなんて・・・・

そのために、私がいるのじゃ・・・
私はこの子の母じゃよ・・・
あとは、母に任せて
おぬしは・・・行くといい・・・

はい・・・・ルーをお願いします・・・
ルー行ってくるね・・・

部屋を出ていく前に、
輝は夫らしく妻の額にそっとキスを落として深沢のもとへ行く

行っちゃったのね・・・・

ええ・・・あの子も、
ルーちゃんも・・・・強いのぅ・・・

輝・・・・早く、戻ってきて・・・・

エポリーの症状が一時的に治まったルージャは
両腕で自分の顔を隠しながら・・・泣いた。

わりぃ・・・遅くなった・・・

俺もいま、きたところだ・・・・

輝・・・?
どうした・・・後ろを気にして・・・

いや・・・その・・・妻が心配で・・・・

そういえば、お前・・・
結婚したんだよな・・・
わりぃな俺の厄介ごとにまた、
巻き込んじまって

それはいいんだ・・・
さぁ、早く行こう・・・
大知の敵討ちに・・

ああ・・・・
王からの命令だからな
お前を護衛してみせるぜ!

用心棒として、雇った最初にできた親友
その親友の敵討ちに行く2人
そして、輝は・・・
愛する妻を苦しめたものに会いに行く・・・
2人の利害が一致し・・・
出禁になったルージャの元父親のもとへ

つづく

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水樹

水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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