平日、休日かかわらず座るか横になってすごしているので、体力的な不安から一日の中で計二〇〇回に達するようにスクワットをすることにした。はじめた当初は下半身の筋肉痛がひどくて寝る前に湿布は必須だったし、階段を降りるときには産まれたての小鹿並みに足腰ががくがくしていたけれども、徐々に慣れてきた。
洗濯物を干した後などの立ったついでにこなす。足を肩幅まで開いて、両手を胸の前でクロスさせる。ゆっくりと身体を下降させ、腰が膝のラインに沈んで重力を感じたら上昇する。繰り返す都度心で数える。一、二……、十…………二十八、二十九、三〇、よし。二十八、二十九、三〇。一度のスクワットではおよそ三〇回が私の限界とわかっているうえで、あえてカウントを二回(この数は数えないので実質二〇〇回は越えている)減らし、負担をかける。上手く脳が騙されているのかはともかく一度で二回の達成感が得られる。最初から三十二回に設定してしまうと「あと〇回も残ってる」と終わりが長く感じてモチベーションが保ちづらい。心が疲弊すると、フォームも乱れてしまう。そうならないために、ゴールが近付いてから少ない数字を足したい。あと二回くらいだったら出来なくもないかな、と思えてくる。