【後編】ハシビロコウのボンゴとマリンバ   南幅俊輔著・神戸どうぶつ王国編を読んで感じたこと。

〈(Big bill)ビッグビルはハシビロコウ生態園〉

室内であることを忘れそうな広さの住まい。

足を踏み入れるとアフリカの湿地を想像させるムッとした熱気がまとわりつく空間になっております。

Big billには室内カメラがあります。開園中は2羽の様子をモニターで見て観察しています。夜間は寝ていたり、餌を食べて座って休んでいるようです。

〈獣舎のなか〉

暖房が効いていて温度が下がりすぎないように夜も調整しています。今季から最低気温が下がり過ぎないようにエリア全体を暖める試みをしています。

〈2羽の関係性〉

ボンゴのお気に入りの場所(入口の上)にマリンバがいたようです。ボンゴの居場所でしたが、2024年頃からマリンバも向かうようになりました。ボンゴがいない時にあえてそこに行くようになりました。昨年から比べると違った行動が見られるようになりました。

以前はボンゴが近づくとマリンバは逃げていました。去年の繁殖期に逃避していたようです。

今はボンゴの行動も落ち着いてマリンバの接近は少なくなりそこまで警戒はするけど逃げ回りません。マリンバも理解しているようです。理解できているマリンバ凄いですね。

〈巣作り〉

2023年9月からボンゴが巣材を咥えて、入口の上に運び始めている。前年度は見られなかったので、年々違ってきている。マリンバも同じ行動が見られました。職員が接触しないようにしているのが影響した珍しい動きでした。

〈ボンゴとマリンバの闘い〉

ボンゴが攻撃してマリンバの嘴に穴が開いたこともあるくらいですが、ボンゴがきたらかわす学習をしたようです。

〈人や他の動物との関係〉

来園当初から手から餌をあげていたようです。それは人間に慣れさせることで必要なことでしたが、慣れさせすぎるのもいけないようです。ボンゴは、スタッフにお辞儀やクラッタリングで反応しますが、マリンバは1度くらいしかしていないようです。

2羽で、ディスプレイをしているのをみたことがない(ディスプレイとは求愛行動)クラッタリングやお辞儀のことです。

来園者のことも観察していて、スタッフさんと服装が同じだとか分かるようです。利口な鳥なんですね。

他の動物との距離は、ワオキツネザルやペリカン、アフリカハゲコウがいた時はハシビロコウへのプレッシャーは大きかった。今も小型の鳥と縄張り争いになっていません。以前は体長30㎝ほどの小さな鳥、シロクロゲリが繁殖時一時的にボンゴが通ると追い払うような羽ばたきがあった。ハシビロコウが縄張り意識が強くて周りにプレッシャーを与えている印象はなく、ワオキツネザルの好奇心旺盛でハシビロコウに近づいてちょっかい出そうとする個体もいます。

 

アフリカハゲコウ

シロクロゲリ

ワオキツネザル

<他の動物も繁殖に関して人を介入させないようにしているかどうか?>

状況や種や個体の性格によって様々で、飼育スタッフに慣れているからこそ子育てがうまくいく場合もある。

距離感が大事です

ビッグビルも木がだいぶ生い茂り森みたいになり、ハシビロコウの住んでる所では植物の剪定をし、本来の湿地のように空間を作りました。

気温15~30度に設定、約400㎡の湿地の大きな池と池に流れ込む小川で水温20度~25度に設定し構成している。深さは雨季(満水時)で約70㎝、乾季で約30㎝になっています。

植栽にも力を入れていて湿生植物を中心に約40種500株を入れています。

正解がわからない中試行錯誤して今後もそれを考えるのが神戸どうぶつ王国の繁殖に向けての試みです。

正解が分からないからこそいろいろな取り組みをしているようですね。

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瑠璃色のポケット

綺麗な空や物が好きです。

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