睡眠の定義
睡眠の定義は、「脳の意識レベルが低下して、視覚や聴覚などの感覚情報が脳に認識されなくなった状態」を指すと言われています。
良い睡眠とは
量と質のバランスが保たれ心身の健康を促す睡眠です。適度な長さで睡眠休養感があることが良い睡眠の目安ですが、昼間に生じる強い眠気や睡眠中に目覚める回数なども、良い睡眠かどうかを判断する目安として役立ちます。
睡眠休養感を低下させる要因としては、睡眠不足に加えて、仕事などによる日中のストレス、就寝直前の夕食、夜食、朝食抜きなどの食習慣の乱れ、運動不足、そして糖尿病、高血圧、がん、うつ病などの慢性疾患を有することなどが報告されています。
必要な睡眠時間、適正な睡眠時間とは
睡眠時間は季節によっても変動し、夏季に比べて冬季に10~40分程度、睡眠時間が長くなることが示されています。
7時間前後の睡眠時間の人が、生活習慣病やうつ病の発症および死亡に至る危険性が最も低く、これより長い睡眠、短い睡眠のいずれもこれらの危険性を増加させることから、成人においておおよそ6~8時間が適正睡眠時間と考えられています。
ですが、適正な睡眠時間には個人差があります。こうした個人差や、年齢や日中の活動量を考慮すると、20~59歳の成人世代では、8時間より1時間程度長い睡眠時間も適正睡眠時間の範疇と考えられます。
睡眠の機能
睡眠には、疲労回復、記憶の整理と定着、免疫機能の維持・強化、心身のメンテナンスなど、様々な重要な機能があります。
睡眠中に分泌される成長ホルモンには疲労を回復させる効果があります。
ノンレム睡眠とレム睡眠
レム睡眠は急速眼球運動を伴う睡眠のことを指します。急速眼球運動は記憶の整理や再構築を行っている際に起こるなどと言われていますが、なぜこの現象が起きるのかは、いまだに分かっていません。レム睡眠は、身体は休息状態ですが、脳は覚醒状態にあります。夢を見るのはレム睡眠中であることが多いとされています。
反対に、急速眼球運動を伴わない睡眠をノンレム睡眠といいます。
ノンレム睡眠は一般的には脳の眠りとされています。いわゆるぐっすり寝ている状態で、多少の物音がしたり、軽くゆさぶられても目が覚めることはなく、強制的に起こされると、脳が休止状態から活動を開始するまではしばらくの時間がかかり、寝ぼけたような状態になるとされています。

人間は一生のうち、約3割を睡眠に費やすとされています。生きる上で欠かせない睡眠について今一度見直してみてはいかがでしょうか?
次回はより良い睡眠を取るために有効な具体的な方法についてお話します。
あなたの毎日がより健やかになりますように。