僕は雪だるまになって、街を歩く。
まるで真夏の魔物だ。
今年もそれこそ蒸し暑いはずなのに、なぜかまったく汗をかかない。
陽は照りつけ、セミは鳴いている。
でも僕の体は冷たくて、溶ける気配もない。
不自然に、静かに、ここにいる。
──こんな僕を、誰が見つけられるだろうか。
寒天みたいな感じで、
空はまん丸で、太陽は虹色に輝いていた。
僕も太陽なんだな、
だからあつくないのかと、妙に納得した。
概念は厚かましくならないから。
この文章のように、
途切れ途切れに歩いて、
そのまま、
家に消えていった。