村上龍について①

私が村上龍に出会ったのは、高校生ぐらいの時だと思う。
姉が村上龍を好きで、姉の本棚に何冊か置いてあったのだ。

私がその中から初めて手に取った村上龍の本は、
確か「ラッフルズ・ホテル」だった。あまり面白いとは思わなかった。
でもなぜかそれ以来、よく読むようになった。
「コインロッカー・ベイビーズ」
「愛と幻想のファシズム」
「限りなく透明に近いブルー」
「半島を出よ」等々

その中でも私がお気に入りなのは、
「五分後の世界」
「ヒュウガ・ウィルス五分後の世界Ⅱ」
そして「69」。

「五分後…」は現実と5分ずれた世界を表現しているのだが、
とても緻密で最初は苦戦した。しかし、読み進めるにつれて、
だんだん面白くなっていくのだ。「ヒュウガ・ウィルス」もしかり。
途中からあっという間に読んでしまった。
こういう本に巡り合うと至福の時だ。

内容は5分時空がずれた世界では、日本は第二次世界大戦で原爆を落とされても、
降伏せず、戦い続けて人口は26万人しかいなくなってしまう。
国土は焼け野原になり、ビルマやパプアニューギニアから帰ってきた
将校団が地下にトンネルを作り、アンダーグラウンドに住み、
アメリカやソ連にゲリラ戦を仕掛けて、生活している…
そんな世界に小田桐はまぎれこんでしまう。
というような内容です。

村上龍自身も「今までの作品の中で最高のものになった」
                    1994年時点
と述べていて、私も衝撃を受けた本でした。

ヒュウガ・ウイルスも同じ世界観で書かれていて、
続けて読むと頭に入りやすいです



「69」はその真逆で、お腹を抱えて笑ってしまう本だ。
69とは1969年からとったもので、
村上龍が、自身の高校生の頃のことを、面白おかしく書いている。
これまたあっという間に読んだ。
楽しかった。


両極端の本を書けるのがすごい人だな、と思いました。
3冊とも私は、いろんな人に勧めるのだが、
みんななぜか遠慮するのだ。
夫にも推したのだが、2~3ページ読んだだけで、
下品だ、とか言って返されてしまった。
唯一読んでくれた人は…

何という集まりだったか忘れてしまったのだが、
自分の推薦本を一冊紹介するという会があり、
私はそこで「69」を紹介したのだ。
そこのスタッフの方が、読んでくれたようで、
次に何か催しがあった時に、
「この方はとても面白い本を紹介してくれた人です。」
と私を紹介してくれて、
あぁこの方は読んで下さったのだな、と分かり
嬉しかったことを覚えています。

みなさんも騙されたと思って読んでみて下さい


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マイコ

はじめましてマイコです。不器用不器量で、 もうすぐ五十路を迎えるおばあちゃんです。 趣味は脳トレ!どこかぬけてるところがありますが、 どうぞよろしくお願い致します。

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