あれ程暑かった夏が終わりはじめ
少し肌覚めたこの季節
日も段々と早く沈みはじめていた
ふと空を見上げると少しずつ動いている雲が見えた
遠くにある飛行機雲も見えた
夕日に青と橙色の様な下地に色つきの鉛筆で描いた様に空を雲が引き立たせた
時が経つ
遠くを見る
銀杏並木が見える
梨色の葉が沢山地面に落ちていた
外に出るのも段々と億劫になる季節
冬へと向かう階段を登り始めている今
遠く霞んだ山々
そろそろ雪が積もり始めることだろう
今年の冬は寒くなるのだろうか
マフラーを巻き外に出た
吐く吐息は今年最初の白い吐息だった
冬の入り口に入り始めたのだと感じた
*作者あとがき*
春夏秋冬、四部作第三弾、秋を書きました。
ここ10年間を思い返した時、秋という季節は夏とその先にある冬に吸収したのではないかと思う程、あっという間に冬に入るのが早い年が多かったような印象です。
秋の風物と言えば紅葉だと思いますが、葉が散り終わる頃に冬の到来を感じさせます。
