花言葉
栗の花言葉は「贅沢、満足、豊かな喜び、豪奢(ごうしゃ)」の他に、「私に公平であれ」などがあります。
これらの花言葉は、栗が古くから贅沢品であったことや、実が豊かな収穫をもたらすこと、そして「公平」と言う意味の花言葉が西洋では「正義」の象徴からきていることが由来となっています。
贅沢、豪奢、満足、豊かな喜び
栗が古くから高級な食材であり、食べると満足感が高いことが由来です。
クリーム色に房状に咲く雄花が、豪華で華やかな見た目をしていることも理由の一つです。
豊穣の秋の象徴としても、豊かな実りや喜びを表しています。
私に対して公平であれ
これは、栗の木が大きく成長したときに、傲慢(ごうまん)になったり不公平な振る舞いをしたりする者が出てこないように、と言う戒(いまし)めから生まれた言葉になります。
西洋では「正義」の象徴ともされています。
縁起
栗は「勝ち栗」とも呼ばれており、勝負運や黄金色から金運・財運の上昇を願う縁起物とされています。
おせち料理の「栗きんとん」に代表されるように、豊かな一年を願う意味が込められているのです。
昔から魔除けや不老長寿の縁起物としても信じられています。
理由
勝負運:勝ち栗
栗の実を乾燥させて殻と渋皮を取り除いた「」が「勝ち栗」につながったのです。
戦国武将が戦の出陣前に縁起を担いだと言う歴史があります。
金運・財運:栗きんとん
黄金色の見た目が金塊や小判を連想させるためです。
「金団(きんとん)」と書くことから「金の団子」を意味し、財産や富を象徴すると考えられています。
その他
栗の実を包む「イガ」には魔よけの効果があると信じられてきました。
栗の木にこだわる理由としては、「くり」の読みを「万事繰り合わせが良くなる」と結びつける説もあります。
種を植えてから実がなるまでは時間がかかるため、「不老長寿」の願いが込められていることがあります。
豆知識
栗の木は雄花と雌花があり、受精した雄花が実をつけます。元々雌花には棘があり、これが実をつけたときにイガになります。
イガは他の果物で言う皮に当たり、その中にある栗が果肉と種になります。
一般的に栗の皮だと思われている鬼皮が、他の果物にあたる部分になります。
魅力
栗の魅力は、素朴な甘さと豊かな風味とホクホクとした触感で栄養満点のヘルシーさにあります。
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で疲労回復や美容に効果的で、甘露煮や栗ご飯、モンブランなど様々な料理で楽しめるのも魅力です。
味と触感
素朴な甘さと豊かな風味
栗特有の優しい甘みと風味は、多くの人に愛されています。
バラエティ豊かな食感
品種によっては「ホクホク」と「ねっとり」など、触感の違いを楽しむことができます。
ビタミンとミネラルが豊富
ビタミンC
加熱しても壊れにくい性質を持ち、美肌効果や風邪予防にも役立ちます。
ビタミンB1
疲労回復・夏バテ防止・美肌効果があります。
カリウム
高血圧予防に役立ちます。
食物繊維
腸内環境を整えて、便秘解消に効果的です。
低脂肪
ナッツ類に比べて脂質が非常に少なく、ヘルシーなおやつとしても適しています。
楽しみ方
多様な料理
栗ご飯・甘露煮・モンブランなど、甘いものからおかずまで幅広く楽しめます。
冷え性改善
体を温める効果や、血行を良くする働きがあります。
意味
「クリ」には、「栗(果実・木材)」、「石材(栗石・割栗石)」、「庫裏≪くり≫
(住職の居室)」、「繰り(糸を操る)」、「刳(く)り(二つ以上が並び立つこと)」など、複数の意味があります。
栗とマロンの違い
「マロン」は主に大きな実が一つだけ入った栗を指します。「シャテーニュ(一般的に「栗」)と呼ばれるもの」
は複数の実がイガに入っていることが多いです。
また、フランス語で「栗」を意味する言葉として、一般的に食用にされる「シャテーニュ」と、品種改良された「マロン」を使い分けています。
| 項目 | マロン(Marron) | シャテーニュ(châtaigne) |
| 実の形状 | 大きな実が一つだけ入っているものが多い | 一つのイガに2~3個の小さな実が入って入りことが多い |
| 特徴 | 渋皮が剥きやすく、果肉がしまっている | 日本の栗など、渋皮が剥きにくいものも含まれる |
| 主な用途 | マロングラッセなどの高級菓子 | ペーストやパウダー、焼き栗など幅広い用途 |
| 原産地 | 主に南東ヨーロッパや西アジアの洋栗 | 日本原産のものも含む |
その他(関連語)
チェスナット(chestnut)
英語で「栗」を意味する言葉です。
マロニエ
フランス語で「マロニエの木」を意味します。
日本では「トチノミ」のことになります。食用にされる栗とは異なります。
補足
日本語で「マロン」が栗全般を指す場合もあります。
「栗」と「マロン」は、フランス語で「châtaigne(シャテーニュ)」と「marron(マロン)」に由来しており、元々は品種の違いを指していたのです。
トチノミとは?
「栃の実(とちのみ)」は、栗に似た見た目ですが、強い渋みや苦みを持つため、そのままでは食べられず、高度な「アク抜き」が必要になります。
縄文時代から食用とされてきた日本特産の木の実で、「とち餅」などの郷土食に加工されました。
特徴
見た目
栗に似た丸くて光沢のある実で、大きな殻に包まれています。
渋み・苦み
サポニンやタンニンを多く含みます。
そのままでは渋みや苦みが強いため、食用にするには「アク抜きと言う手間のかかる工程が必要です。
用途
アク抜き後は、「とち餅」や煎餅(せんべい)、ペーストなどに加工されます。
また、花の蜜は良質な蜂蜜(栃蜜)として利用されています。
関連語
馬栗
栃の木の別名です。
諸説ありますが、実が馬の病気に効くといわれたことです。
1日何個まで?
栗は1日5~10個程度を目安に食べるのがおすすめになります。栗には糖質が多く含まれるため、食べ過ぎると体重増加につながる可能性もあります。
また、1日100g程度を目安にすることも推奨されています。
摂取量の目安
大人の場合:10~15粒
間食の場合:5~10粒
重量の場合:1日100g程度
子供:1日5粒を目安に
食べすぎによる影響
体重増加:糖質が多いので、カロリーオーバーになりやすいです。
消化不良:食物繊維を多く含むので、食べ過ぎると胃痛や腹痛、便秘、下痢の原因になります。
血糖値の急上昇:炭水化物が多いため、血糖値が急上昇しやすくなります。
注意点
栗の大きさによって、個数は調整してください。
むき栗や甘栗など、加工されたものは砂糖や塩分が加わっている場合があるので、注意が必要になります。
食事全体の糖質バランスを考慮して、他の食品との食べすぎに注意しましょう。
効果
栗を食べると、食物繊維、ビタミンC、カリウムなどの栄養素は、疲労回復、免疫力向上、むくみ解消、美肌効果などが期待されます。
ただし、カロリーや糖質は高めなので食べすぎには注意が必要です。
栗を食べるメリット
疲労回復:ビタミンB1が糖質の代謝を助け、エネルギー変換を促すために役立ちます。
美容効果
ビタミンCの抗酸化作用でシミやシワを防ぎ、ビタミンB1、B2、B6は美肌作りに貢献します。
免疫力向上:ビタミンCには風邪などの病気に対する抵抗力を高める効果も期待できます。
むくみ解消・高血圧予防
カリウムが体内の余分な塩分を排出し、血圧を正常に保つ手助けします。
腸内環境を整える
食物繊維が腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。
ダイエットにも
腹持ちがよく、血糖値の急上昇を抑えるため、間食にも向いています。
縄文時代(約5000年以上前)
青森県の三内丸山遺跡では、大粒の栗が出土しており、栽培がおこなわれていたことが分かっていたのです。
すでに肥料を施すなど、高度な技術を持っていたと推測されています。
奈良・平安時代
『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』などの文献にも登場し、宮廷貴族に愛好されていました。
米の代わりに年貢として納められるほど貴重な食材だったのです。
「丹波」などの地域で栽培が盛んになり、朝廷への献上品として重宝されていました。
鎌倉・室町時代
武士の携帯食や戦陣食として役立ちました。
飢饉の際の重要な食料としても位置付けられました。
江戸時代
「丹波栗」は、参勤交代などで全国に広まり、名声が確立しました。
「勝ち栗」としては縁起物とされ、勝負運アップの願いが込められています。
武田信玄は、軍糧として栗の栽培を奨励しました。
歴史
栗の歴史は縄文時代に遡(さかのぼ)り、栽培が始まっていました。
奈良時代には宮廷の重要な食材となり、平安時代には献上品や年貢として重宝されていました。
江戸時代には「丹波栗」が全国に広まり、武士の携帯食や飢饉に備える食料として役割を担(にな)っていました。
