suddenly④

いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて

山形学園高校・体育館

「2013年 10月」

高校一年の秋。朝礼。全校生徒が集まる体育館。転校初日。

実は上から見ている?。

生徒の列の中で、興味なさそうにぼんやりしている紡。

壇上で作文を読み始める?。

?「こいつが校長か」

紡、?の声に引き寄せるように、顔を上げる。

校長の隣の黒い影の正体が気になる。

紡モノローグ「おかしいと思った。悪魔だった。私が悪魔だった。彼も悪魔だった。」

紡のアパート・中

紡、契約書の書面を読もうとしない。

紡「(書面を見つめる)」

捨てようと思ったところ、体が重くなる。

?「呪う」

?が呪い始めた。

山形駅・改札前

?は、新幹線の周りを飛び回る。

紡、朝日と入れ違いに哲に憑き、周りを気にせず、といったフリで、小説を書き始める。

紡「哲君…」

?「シャモ食べに行こう」

大通り

?、翼を使う練習をする。

?「この部分はヒトでいうとどこか」

みんな聞いていません。

「気にしない」と思い、説明をする。

山形駅・改札前

紡、仕事場近くの壁に寄りかかり、過ぎ行く朝に、芸能人のパネルを見つける。

紡モノローグ「愛してる~♪愛してる~♪ほんとに~」

【?メモ 思い返すと何もないわけではなかった】

山形高校・三年四組教室・中

「2014年 4月」

春。教師が嫌い。

紡、一番後ろの席に座り、教室を見渡してソワソワしている。いろはすを足元に置く。

紡モノローグ「クラス替えの名簿に、哲の名があった」

青いイヤホンを付けて教室に入ってくる哲。

紡「昨日のMステ見た?」

紡、記事を目で追う。

間違えてサイトを開く。

慌てて消す。

机に貼られた名前を見ている哲。

?「未来からやってきましたー」

紡、空中を見ていて、?と目が合ってしまった。

?「目がハートになってない」

紡「よろしく」

?「俺を見てください」

?、紡を見ていた。

?「26番、黒田さんね」

紡「英語の小テストの勉強しなきゃ」

紡、ラスクを食べている。

?「ラスク食べてえな」

爽やかに笑う?。

エアコンを暖房から冷房に変える

山形学園高校・三年四組教室・中

「2014年 7月」

紡、哲の前の席に座って、

紡「昨日、新しいCM見てさ~」

哲「彼女いんのかな、あいつ」

紡「シャンプーの!」

?「若いな、俺はこの頃何をしているのか…」

紡「移動教室どこだっけ」

哲「黒板に貼ってあった」

?「うん、黙ろうか」

?、イヤホンを外して教室のロッカーに寝そべる。

紡、LINEのアイコンを変える。

紡「今日、2分遅れで一時間目か」

?「失礼します」

と、契約書を哲と紡に渡す。

紡、こけながら、赤いイヤホンを片方付けた。

紡「あ、うん、なに?(作り笑いで)」

紡「ボンジョビ聞きながら筋トレしてる」

哲「(含み笑い)筋トレですか」

紡「知ってる?」

哲「(大笑い)」

紡「いい曲だよね」

哲、紡を見て笑う。

紡、照れくさくなって、漢字の小テストの勉強をする。

哲「聞いたことある」

と、紡の耳からイヤホンを外す。

哲、耳元の髪を直す。

哲「他に何聞くの?」

紡「えっと、先輩の…」

と、二人楽しそうに話す。

?、二人を横目に見て、教室を出て行く。

?「やってられないです」

[回想]同・階段

紡モノローグ「振り返ると、今年は思い出がたくさんできた」

紡、マイと階段を下りてくる。

哲、朝日と階段を上がってくる。

紡モノローグ「いやでも毎日英単語帳を見ないといけなかった」

踊り場ですれ違う二人。

哲、階段の上から、下にいる紡に、

哲「紡」

紡「(見上げる)」

?「契約済みですよ」

と黒い羽根を落とす。

紡、両目でしっかり見てしまう。

笑顔の二人。

紡モノローグ「いやでも毎日好きな人を見ないといけない1万年がはじまろうとしていた」

  • 0
  • 0
  • 0

ゆり子

SnowManのファンです。よろしくお願いします。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内