車に積もった雪を落とす時の注意点
車に雪が積もってしまうと、まずドア回りの雪を落として乗り込めるようにして、エンジンをかけて暖房が効くのを待ちながら、ウィンドウに積もった雪を落とすのが一般的な段取りです。
寒冷地ではお湯があっという間に凍ってしまうからまったく使えない手だが、実はガラスにお湯を直接かけてしまうのは、大変危険な行為です。一部だけを熱することで熱膨張するため、その周辺の冷えたガラスとの間で応力が生じて、ガラスが割れてしまう【熱割れ】が起こることがあるからです。
解氷スプレーをかけて、樹脂製のスクレーパーで拭き落とすのが安全で確実、手早く視界を確保する手段です。そのために専用のケミカルなのだから、使わない手はない。購入しておけば何年も保管しておける製品なので、ホームセンターやカー用品店で購入してクルマに積んでおくといいでしょう。
車に積もった雪は車体の左右に落としましょう。車の前後に雪を下してしまうと、車を出せなくなったり、マフラーが塞がり一酸化炭素中毒になったりする可能性があります。このようなことに気をつけながら車の雪下ろしをしましょう。
鍵穴の凍結にも注意
最近はスマートキーが主流で、リモコンドアロックを装備していないクルマなど、ほとんど存在しないから鍵穴にキーを差し込んで施解錠する機会はほとんどない、しかしスマートキーでもバッテリー上がりなどのトラブルの時のために物理キーも内部に仕込まれています。
気温が氷点下の環境ではボンネットを開けるために物理キーをキー穴に差し込んだ途端、表面の水分が凍り付いて取れなくなってしまうこともあるから注意したいです。
予防するためには鍵穴に解氷スプレーを吹いておくのが一番、もし凍り付いてしまったら電気が使えればドライヤー、もしくはお湯(熱湯×)をかけて暖めれば、鍵は回り抜けるはずです。また万一、作動不良を起こすことが可能性のある電動リモコンミラーも畳まずにそのままにしたほうがいいでしょう。
駐車時にパーキングブレーキをかけない
駐車時にはパーキングブレーキを引かない、というのは寒冷地の知識だが、それでも最近は変わりつつあるのです。首都圏でも路面の雪が凍り付いているような環境では、パーキングブレーキを掛けないで駐車するのが原則でこれはワイヤー式のパーキングブレーキの場合です。
最近は電動パーキングブレーキを採用したクルマも増えてきた。電動といっても、ワイヤーをモーターが巻き上げるタイプ(例えばリーフ)は同じようにワイヤーが雪の水分で凍りついてしまう可能性があるために、引かないほうがいいでしょう。
自分のクルマがどのような構造のパーキングブレーキか分からない場合は、自動車メーカーやディーラーのお客様相談窓口などに電話して聞いてみるのもいいと思います。
雪対策に必要なグッズ
●雪用ワイパー
雪用(冬用)ワイパーは、外気温が低いときや降雪時でも凍結しにくく、ガラス面の雪をしっかりと拭き取ることが可能です。通常のワイパーよりも高い耐久性が特徴です。雪に備えて、スタッドレスタイヤと同じタイミングで雪用に交換しておくと安心です。
●スノーブラシ
スノーブラシは車に雪が積もった雪を落とすためのものです。車の屋根の上に雪を乗せたまま運転していると、急ブレーキのタイミングで屋根の上の雪がフロントガラスに落ちてきて視界がふさがれ、思わぬ事故につながる可能性があります。スノーブラシがあれば、簡単に屋根やボンネットの上に積もった雪を落とすことができるでしょう。
●ブースターケーブル
ブースターケーブルは、車のバッテリー上がりが起きたとき、救援車から電気を分けてもらう際に必要となるケーブルです。
外気温が下がると、バッテリーの充電効率が下がったり、エアコンなどの使用で電気使用量が増加することで、バッテリー上がりが起こりやすくなります。ブースターケーブルを備えておけば、バッテリー上がりで動けなくなったときに、近くの車に救援してもらうことができます。
ワイパーを立ててフロントガラスから離しておく
積雪に備えて、車のワイパーは持ち上げて立てておきます。駐車中に積雪が予想される場合は基本的にワイパーは立てておきましょう。ワイパーを立てる理由は以下のとおりです。
①ワイパーの凍結を防ぐため
ワイパーを寝かせたままにしていると、フロントガラスに密接するワイパーブレードについてたゴム部分が凍ってフロントガラスに張り付き、動かせなくなる場合があるのです。凍結防止のためにもワイパーを立てる必要があります。
②ワイパーの故障・破損を防ぐため
寝かせたまま凍結したワイパーゴムを無理に動かそうとすると、ゴムの部分の破損や変形のほか、ワイパー本体であるワイパーアームの破損につながるおそれがあります。また、積もった雪の重みによってワイパーブレードが変形し曲がってしまうと、ワイパーアームや駆動するモーターに負荷がかかる場合も考えられるので、降雪時にはワイパーを立てておくとよいでしょう。
③フロントガラスの雪落としをしやすくするため
ワイパーゴムがフロントガラスに凍り付いていると、フロントガラスの雪落とし作業がしづらくなります。積雪後のスムーズな発進・走行のためには、ワイパーを立たせておいたほうが楽になるでしょう。
冬用ワイパー
冬用ワイパーはスノーブレードとも呼ばれます。冬用ワイパーに交換した方が良い最大の理由は夏用ワイパーではガラス面の雪をしっかりと拭き取ることができないから。積雪時に視界を確保して安全に運転するために、雪を拭き取ることにも適した形状で作られている冬用ワイパーが必要となります。
冬用ワイパーのブレード[金属]部分の特徴
寒さで適切に動かなくなりやすい金属部分をゴムで覆うことで、凍結を防いだり凍結防止剤によるサビを防止したりします。また凍結などによる不具合をなくすために可動部分が夏用ワイパーより少なくなっていて、製品によっては可動部分が全くないものもあります。
さらに雪によって重たくなったワイパーを動かすモーターへの負担を減らすために、夏用ワイパーより若干短くなっています。
冬用ワイパーのゴム部分の特徴
ガラス面に接して雪を拭き取るラバー部分は凍らないように夏用ワイパーより分厚くなっています。また低温でも硬くなりにくい素材を使用することで、ワイパーが凍り付いて動かなくなる現象やラバーが裂ける現象を防ぎます。
運転前に行う雪対策
◎バッテリー
車のバッテリーは、外気温が低いと性能が低下し、バッテリー上がりが起きやすくなります。運転前に液量や比重、十分な電圧があるかチェックしておきましょう。
◎クーラント液(冷却水)
クーラント液(冷却水)は、エンジンのオーバーヒートを防ぐためのものです。雪が降るような外気温でクーラント液の濃度が薄いと凍結するおそれがあるので、運転前にクーラント液の濃度を確認する必要があるでしょう。
◎ウォッシャー液
ウォッシャー液は、フロントガラスの汚れを落とすためのものですが、冬場には凍結する可能性があります。降雪時の視界を確保する必要があるため、寒冷地用のウォッシャー液を入れておくと安心です。
◎燃料を満タンにしておく
車の燃料は事前に満タンにしておきましょう。雪による渋滞や立ち往生に巻き込まれたりした場合、車内で暖をとるために燃料が必要になるからです。
◎靴底についた雪を落とす
靴底に雪がついたまま運転すると、足が滑ってペダルを踏み外す危険性があります。運転前に必ず雪は落として乗り込みましょう
*事前に雪下ろしに使うグッズや雪下ろしする際に注意する点を記事にしてみました。参考になればいいと思います。
