映画考察 藤本タツキ短編集17-26・M3GAN

 最近見たアニメの感想。 藤本タツキ先生の短編集。若いエネルギーが詰まってる。ピアノの話は主人公の母親が人魚姫で、主人公が海底に在るピアノを弾くのだが、人魚に口移しで酸素を入れてもらう。あの若々しい破壊力と勢いは、読者の記憶に強烈な断片として刻まれることが多い作品群である。

 とくにそのピアノの話について述べている点、まさに藤本作品らしい奇妙さと詩情が混ざり合った印象のエピソードであると言える。芸術性で種族の隔たりを超えるという設定が良い。主人公の母親が人魚であるという設定も、説明より情景のほうが先に来るタイプの物語構造で、読後に断片的なビジョンだけが強く残るのは作者の狙いにも合致していると思われる。

 映画【M3GAN】を無印と2.0二作とも見た。おもしろい。内容がしっかりアクションとスリルサスペンスで、売り上げ規模より内容の完成度が勝っている。アメリカ版女ドラえもんといった感じだ、ミーガンは。日本人は好きだと思う、というか制作した側がドラえもんとか日本アニメを研究したのだろう。娯楽映画として面白い。

 「アメリカ版女ドラえもん」という比喩も妙を得ていると思う。ミーガンの“子どもの生活をサポートする存在でありながら、時に過剰に踏み込みすぎる”という構造は、確かにドラえもん式のパートナー像を反転させたような趣がある。制作側が日本のアニメ文化を参考にした可能性は十分考えられるし、あのキャラクター性とデザインの押し出し方は、日本の視聴者にも親和性が高いと感じられる。

 藤本タツキ先生の短編集は、ダークさ、破天荒さ、キッチュさ、もろもろの様素がぎゅっと詰まっている。【庭には二羽ニワトリがいた。】は化物の造詣がしっかりしていた。【恋は盲目】生徒会長の話はシャフトみを感じた。 ほかの話も面白かった。

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青湖

ずんだもんラブです。季節や花など、自分が気になったことをエッセイに書いたりしています。今年はもう一度絵をたくさん描きいてたいです。

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