仙臺歴塾センダイレキジュク~シンポジウムを聞いてみた~

シンポジウムとは

一般的には、あるテーマを決めて広く聴衆を集め、公開討論などの形式で開催されることが多い。現在の日本でも新聞社や企業、自治体、研究団体などが主催して様々なシンポジウムが行われている。もっとも多く見られる進行方法は、まず第1部で基調講演が行われ、その後に第2部としてパネルディスカッションが行われる。この他、小グループの活動報告や関連した小規模の催しが行われることもある。 

引用https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0

ふと、通勤中や街を歩くときに「仙臺歴塾」というポスターが目に入った。

なんでも、仙台の地の歴史についていろいろなツアーやシンポジウムが行われるらしい。

そういえば最近ここの投稿をまったく行えてなかったので、無料だから聴きに行ってみようかと、詳細を調べた。

仙臺歴塾とは

大手門を含む約1haからはじまった青葉山公園。かつて伊達政宗が夢を描いた城の麓で、歴史と自然は100年前も50年前も今も、静かに息づいています。この秋だけの特別なプログラムで、歴史の地へ足を運んでみませんか。

歩けば、木々や石・地形が語りかける物語に出会い、遠出の道中では新たな仲間に出会い、沿岸部の愛されてきた風景に胸が熱くなります。 ー仙台の魅力を心で感じる旅へ

はえー、仙台の魅力ねぇ、と。若かりし頃ならそんなものはないと忌避していたが、老いてものの見方が変わると苦い思い出の多い土地でも愛着がわき、知りたいと思うらしく私は参加を決意した。

12/19のシンポジウム「時代が恋したアレコレ」には都合がつくので聴きにいこう。

ふーん、よくわからないけど専門家が…

?????

宮城スリバチ学会って何???

え?とんかつを食べるときにゴマをするあれ???

スリバチ学会とはなんなのか

スリバチとは「台地に低地が谷状に切れ込み、三方向が斜面に囲まれたような形状の地形になっている場所」のこと。ゴマをするやつではなく、地形の一種を指す言葉らしい。そしてなんと現地でフィールドワークを行い完全趣味で調査する団体のことを「スリバチ学会」と呼ぶのだそう。2004年の春にいきなり設立され、その後世界各地に設立されたようだ。

地形に「スリバチの性格」ってつけて、深度・D/H・囲われ度・湿り気・情緒…え?情緒って?

なんだ、なんなのだとこの学会はと思いながら、シンポジウムを聞くことになった。

そんなに観光名所になりそうなところあったんか

私は最初の話から度肝を抜かれることとなった。

お話をしてくださった先生は、京都芸術大学の伊達伸明先生。

皆さんは仙台名所向山 いかり寿司をご存じだろうか?かつて仙台市向山にあった寿司屋と料亭と庭園が合体したところらしい。

https://www.ehagaki.org/shopping/weja/weja_a2/weja_a2_04/eaja_a2_04_a2/eaja_a2_04_a2_a4/39365/

資料は絵葉書しか残っていないが、これをペーパークラフト…ではなく

立版古たてばんこ

という江戸時代からある日本版ペーパークラフトで再現したのだ。

この立版古というものだが、普段は浮世絵の刷り師が子供のために作ったものである。いわばプラモデルみたいなものだ。紙はよれてるし、印刷はずれてるしと江戸時代品質ではあるものの、子供たちは友達や家族とやいのやいのと、ゆるく楽しんでいたそうだ。品質は低くとも、千代紙で作ってあるものや、1枚2枚から9枚組みたいなスケールのでかいものがあったそうだ。意外と空間再現能力が高く、極端な遠近法を駆使して「手前のものは大きく、向こうのものは小さく」することで、わずか30㎝で200mの街並みを再現しているものもある街並みの再現だけでなく、歌舞伎のワンシーン、名所名跡も再現したものもあるようだ。

(余談だが私はこの話を聞いて、気に入らない不器用な女中に兵隊の切り絵を切らせて泣かせた太宰治の話を思い出した。)

話をもどし、先生はこれを絵葉書と当時の建築様式のモジュールから読み取って立版古として再現した。

https://www.smt.jp/projects/doko/2019/04/post-70.html

公文書館でわかったことだが、いかり寿司は広瀬川からポンプで水を引き、向山のてっぺんまでもっていって、料亭の裏で滝を再現していたようだ。(めっちゃすごいやん再現しろよ仙台市)

さらに、この料亭の周辺、明治期の地図を見ると炭鉱が書かれているがトンネルなどどこにもない。おそらく地表にしかないわずかなものを掘りつくし、それを料亭側が池にして再利用したと思われる。

最後に先生はこんなことをおっしゃっていた。

「メディアとしての建物は面白い。歴史として資料として見るのではなく、一回凍結したものを再解凍する仕組みみたいなものを、同時にあみだして行くことによって、空間記録とか、誰の記憶にもない風景を臨場感たっぷりに味わえるのではないか。」

「空間記憶をのちの世代につなげていく」2Dと3Dを同時に味わう。これを説いてから、先生は新幹線で急いで大阪に帰っていった。

フリーメイソンかと思ったら…

さて、いよいよスリバチ学会の発表へ。緊張感が走ったが…

あれ…

なんか…

なんかめっちゃ楽しそうな学会じゃん!

ブラタモリに出演なさっていたんだ…よかった怖い団体じゃなかった。

お話してくださったのは、日本スリバチ学会の皆川さん。


普段は建物の設計をやっていらっしゃるかただそうです。

スリバチ学会は街を歩いて地形のお宝を発見する学会だそうです。

皆川さん曰く、スリバチと水が湧き出る窪地「オアシス」ということで

東京のここを

こうしたり、べらぼうなアイデアをお役所に出したりしているらしいです。

じゃあ仙台はどうなるんだというと…

仙台には四谷用水がある

四谷用水再発見事業

https://www.city.sendai.jp/kankyokehatsu/kurashi/machi/kankyohozen/mizukankyo/hakken/index.html

伊達政宗の命で作られた用水路で、本流が広瀬川から梅田川に通じ、3本の支流と多くの枝流がありました。城下町をくまなく流れ、当時は防火用水、散水、洗濯用水などの生活用水や水車動力などの産業用水として用いられました。明治以降、上下水道の整備により生活用水としての利用は減少し、次第に暗渠化が進みました。特に昭和以降には、車社会の到来で水路にフタがされることにより、地上から姿を消す部分が多くなりました。
現在の四ツ谷用水は、本流が宮城県の工業用水道(暗渠)として使用されているだけで、その他の支流は暗渠化されているか埋められています。遺構としては、洗い場跡(八幡2丁目)、旧隧道跡(八幡6丁目:文殊堂入口脇に隧道への作業口が見られる)等があります。ーーーーHPより引用

これを復活させて

京都みたいなところにしてみよう!とワクワクするお話をしてくださいました。

という、聞いていてワクワクする、大学行ってみたかったな…と思わせるお話をたくさんしてくださいました。

中でも面白かったのは、江戸の仙台藩の屋敷に噴水があった(当時としてはかなり珍しい)ことです。

四谷用水の復活と噴水の復活を仙台で!とかなり熱く語ってくださってました。

まとめ

まとめとしては…

大学に行ってた方がよかったな…こんな面白いことが分かったら、世界観が楽しくなって人生がもっと面白くなったろうなと。なんだか過ぎたことをおもって切なくなりつつ、宮城スリバチ学会の活動にも参加したいですし、本も読みたくなりました。

ちなみにシンポジウムのアーカイブも公開されてますのでどうぞお聞きください。

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まんぼ

着物を着てどこかに行ったり、何か書いたり、喫茶店に行くのが趣味です。 ハムスターと暮らしています。 エッセイなどを投稿していきたいです。

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