歴史
焼き芋の歴史は江戸時代に始まり、当時は飢饉対策の救荒作物だったサツマイモが江戸時代後期には庶民の安価な「おやつ」として大流行しました。
その後、明治時代には専門店が増え、昭和には「石焼き芋」ブーム、そして現代の第4次ブームへと進化して、時代とともに様々な形で日本の食文化になっていきました。
江戸時代:庶民の味として定着
始まり
1605年に琉球(沖縄)経由でサツマイモ(甘藷「かんしょ」)が日本に伝来し、飢饉対策として普及しました。
第一ブーム
寛政期(1789~1801年)になると、江戸の木戸番が内職として焼き芋を売り始めたのがきっかけになり、庶民の間で爆発的な人気となりました。
当時の調理法
焙烙(ほうろく)と呼ばれる土鍋をかまどの底に置き、サツマイモを並べて蒸し焼きにする方法が主流でした。
人気の理由
砂糖が貴重だった時代に、サツマイモ本来の自然な甘さが魅力でした。
明治時代:専門店が登場
第二次ブーム
明治時代に入ると、焼き芋の需要に応えるため東京に焼き芋専門店が登場し、第二次ブームを迎えたのです。
昭和・平成時代
石焼き芋の登場
1951年に「石焼き芋」が考案されました。
移動販売が人気を博し、第三ブームの主役となりました。
現在のブーム
1970年頃を境(さかい)に一時衰退したのですが、1950年代からの「石焼き芋」の普及、そして平成期(2003年~)には、電気式の小型焼き芋機が登場し、スーパー店頭での販売など、第四ブームが起きました。
皮の栄養
焼き芋の皮には、食物繊維、ポリフェノール(クロロゲン酸、アントシアニン)、ヤラピン、ビタミンC、ミネラル類などが豊富に含まれています。
皮ごと食べることで、栄養素をより多く摂取でき、抗酸化作用や整腸作用などの健康効果が期待できるとのことです。
ただし、消化しにくいので、小さな子供や高齢者、胃腸が弱い方は食べすぎに注意が必要になります。
また、焦げた部分は食べないようにしましょう。
焼き芋の皮に含まれる栄養素と期待できる効果
食物繊維
皮付きにすること食物繊維の摂取量を増やすことができます。
便通改善したり、糖や脂質に吸収率を抑える働きがあります。
ポリフェノール
焼き芋の皮に多く含まれている「クロロゲン酸やアントシアニン」は、強力な抗酸化作用を持っており、老化防止や健康維持に役立ちます。
ビタミン類
ビタミンC、E、A(β-カロテン)など、抗酸化作用のあるビタミン類も含まれています。
ミネラル
カリウムやマグネシウムなどのミネラルも皮に多く含まれています。
食べる際の注意点
消化器への負担
皮は繊維質で消化にやや負担がかかるので、子供や高齢者、胃腸の調子が悪い方は食べすぎに注意してください。
焦げた部分
高温で焦げた部分には、「アクリルアミドやAGE」などの体に有害な可能性のある物質が含まれていることがあるため食べないようにしてください。
下ごしらえ
皮ごと食べる場合は、調理前にしっかりと洗うことが大切です。
