最初の難関:間違えたら即失格&地獄行き!
なにそれ?へんな「みなみ」
「犬と猫だったらどっち派?」
みなみが突然わたしに聞いた。
それが最初の「みなみの難関」ともいうべき質問だった。
実はあとから知った話、もしその質問に「失敗」していたら、
その時点でわたしは即失格&落第判定だったらしい。
今じゃ、「みなみなし」なんてちょっと考えられないし、想像もできない。
あんまり考えたくもない。
だからわたしは、
あのとき、とっさに「犬」と答えた自分をほめてあげたいと思う。
だって。
もしあのとき、「猫」と答えていたら
みなみは、きっといまいなかっただろうから。
やっぱり今でもへんな「みなみ」
最近、そういえば……と、思い出して
「なんであのとき、猫派か犬派かなんて質問したの?」
と、聞いてみたことがあった。
「しかも、絶対どっちかを選べって、わりとしつこかった気がするよ。どっちも好きはなし!ってさ」
「ああ、あれ?
俺は、『猫』と答える人とは基本合わないから。
長続きしたためしがないし、最初から自分が努力してまで長続きさせようともしようとも思わない、とにかく猫派とは絶対相容れない。
あとは単純に俺が犬派で、猫が嫌いだから」
な、な‥‥なん、だと‥‥!!!???
!!!!((((((((( ゚Д゚( ゚Д゚)))))))))💦💦💦!!!!
そんな重要な質問してたってこと!!?
うそうそ!!なにそれ怖いんですけど!!??
「え。じゃあ、もしわたしがあのとき、『猫』って答えてたら、今ここにみなみがいなかったかもしれないってこと?」
「まあ、そういうことになるね」と、みなみ。
!!!!((((((((( ゚Д゚( ゚Д゚)))))))))💦💦💦!!!!
さらっとみなみは言ったけどさ‥‥
なにそれこわい、
こわすぎるよ…(((((((((((;゚Д゚(;゚Д゚))))))))))))💦💦💦
あのとき、「犬」と答えた自分をほんとにほめてあげたいと思う。
タイトル未定:愛犬「ねね」についての回想
わたしの大好きな白い天使
そういえば、みなみが「犬か猫か?」の質問をした当時、
すっかり忘れていたことがある。
でも、最近ふと思い出したんだ、本当になんでもないふとした瞬間。
そうだ。
わたしは、犬を飼っていたことがあったと。
どうして今まですっかり忘れていたんだろう?
白い柴犬の女の子で、名前は「ねね」。
あんなに「ねね」のことがかわいくて、大好きで、しかたがなかったのに。
小さくて、やわらかくて、いいにおいで、白いふわふわの「ねね」。
まるで白い天使みたいだな、と思っていた。
ある日。
子犬から少しおとなになったねねは、
小さい「ねね用お部屋」から、大きなお部屋に移動することになった。
ねねは、
「ねねです!!ごはん・遊ぶ・散歩!!あと、抱っこ希望!!えっへん!!(ドヤァ)」
という感じで、
家ではえらそうな(わたしの大いなる偏見かもしれない)くせに、
ほんとはものすごくビビりで、甘えん坊なんです。
大きいお部屋に引っ越すと、広すぎるのと慣れないせいで、少し戸惑い気味。
落ち着かない様子だった。
だから、ねねに新しい広いお部屋を
「自分の部屋」「安心できる場所」、「ここは大丈夫」
と思ってもらいたくて
そのお部屋に一日中わたしも入っていたことがあった。
最初はそわそわしているねね。
そこらじゅうをくんかしてみたり、歩きまわってみたり。
わたしは、ねねの広い部屋にただ座ったりと静かにしつつ、
ねねが落ち着くのを待っていた。
すごく広い部屋だったから、わたしなんか余裕で入れてしまう。
たとえて言うなら、
フードコートやお店の中にある、こどもを遊ばせておくことができるスペースくらいの広さ。
ねねに気づかれないように、ちらちらと様子を見守りつつ
まずわたしが、
「ここは安心できる場所なので、めっちゃくつろげちゃえます!読書したり眠ったりもできちゃいます!!」
という「渾身の安全な場所アピール」をねねに見てもらって、落ち着いてもらおうという作戦を実行。
ねねは、そわそわとお部屋を探索しながら、わたしのほうに近寄ってきては
不安そうにこっちを見上げたり、くっついてきたり。
そんなとき、わたしはねねを見てにっこり微笑みかけたり、撫でてあげたりして、
「ここは大丈夫だよ、安全だよ」ということを示してあげたかった。
そのうち、ねねは座っているわたしに近寄ってきた。
ねねは、まくらがわりなのかわたしのひざの上にあたまを乗せて、
人が横向きに寝るみたいにして、眠ってしまった。
そんなねねの姿を見て、わたしはすごくすごく、うれしくなった。
ねねがひざの上に頭を乗せているので、
動いたら起きちゃうかもと心配になったのもあるし、
ねねとこうやって、ずっといっしょにいられたらいいなぁ
とか思いをめぐらせつつ、ねねのかわいい姿と寝顔を見ているうちに
わたしもそこで眠ってしまったことがあった。
遊んだり、話したり、お散歩に行ったり。
他にもいろいろなことがあったけど、
この思い出が、ねねと過ごした中でいちばんうれしかったこと。
わたしは、ねねのことが大好きだった。
大好きでずっといっしょにいたいと思ってしかたがなかったのに、
どうして、今の今まで思い出したりしなかったんだろう。
どうして、そんな大事なこと、忘れてしまっていたんだろうね。
