いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
通り(夜)
紡と別れた帰り道。一人歩く哲。
朝日から【一緒にいたの彼女?】
哲「(つい笑って)彼女だよ」
哲、何か思い立って返信する。
紡のアパート・中(日替わり・夜)
紡、哲、朝日、夕食を食べながら話す。
哲「明日ね」
紡「うん」
哲「ごはん食べ行く。つむと二人で」
紡「(にやつくのを堪えて)いいね」
朝日、「ふーん」と哲を見つつ、黙々と食べる。
哲「快たちとも今度会わせたいんだけどさ、飲み誘ったら来てくれるかな」
紡「いつものメンバーならフットサルした方がいんじゃない?」
哲「そっか。たしかに」
紡「椅子座って、さ、話しましょう、ってなると多分みんな緊張しちゃうでしょ」
哲「自己紹介から始めそう」
紡「男の子はボール蹴った方が良い」
哲「そうだね、ありがと。誘ってみる」
嬉しそうにしている紡。
複雑そうな朝日。
スタバ・店内(日替わり)
哲、テーブル席でパソコンを打ち仕事をしている。
入店した紡、哲を見つけ、向かいの席に座る。
哲、紡に気付いて、タイピングの手を止める。
哲「…」
紡「…」
少しの間目が合って、吹き出して笑う二人。
紡「ごめん、なんか、やっぱまだ照れるね」
哲、手元のノートパソコンで【どうした?】と打ち、見せる。
紡「うん」
スマホでフットサル場を見せる。
哲「ん?」と紡の顔を見る。
紡「行こ。フットサル」
哲、理解するが、困ったように笑うだけ。
紡「無理やり連れてこうとか、みんなに意地でも会わせようとか、そんなんじゃないんだけど」
哲「(頷く)」
紡「こうやって哲と会って、話して、大丈夫だなって」
哲「うん」
紡「みんな元に戻れたら嬉しいなって」
哲「うん」
紡「会いたくない?」
哲「みんなに気遣わせるから」
紡「私は気遣ってないよ」
哲「うん」
紡「考えといて、またLINEする」
哲、乗り気じゃなくて、
哲「…」
山形駅・駅前
哲、駅を出て歩いていて、ふと紡と再会した場所だと思い、立ち止まる。
なんとなく振り返ってみるが誰もいない。
哲「…」
LINEの通知。紡から。
【フットサル誘われた?】
【すごい楽しみにしてるよ!】と。
哲、小さく溜め息。
英語教室「VIVA!」・事務室(夜)
デスクで仕事をする小村。
授業を終えた曽山が戻ってきて、英語で話す。
曽山「昨日はお休みありがとうございました」
小村「同窓会でしたっけ?」
曽山「(冗談で)まだ独身の子いっぱいいたよ。紹介しようか?連れてけばよかった」
小村「(笑って)結構です」
曽山「モテそうだけどな」
小村「いやいや」
小村、仕事に視線を戻す。
曽山「…」
曽山、小村に「ねぇねぇ」と手を振る。
小村「(曽山を見て)はい?」
曽山「…ずっと気になってたけど、小村くん、僕たちにちょっとずつ壁つくるよね」
小村「同僚として仲良くしてくれてると思ってる。曽山さんも遠慮してるところがある」
曽山「(否定しきれず)…」
小村「いろんな人とコミュニケーションが取れるのに、どうしていつも一歩引いているんだろうって、気になるときがある」
曽山「特別扱いはもちろん違うし、平等に接することが正解だとも思わないんです」
小村「…」
曽山「わかった気になりたくないんです」
小村「…」
小村、笑顔を見せる。
曽山「昨日の同窓会、嫌いな奴が来てて、すごい嫌だった」
小村「…え?」
曽山「どうしてもそいつとは分かり合えないんだよね」
小村「そっか」
曽山「分かり合えない相手っているでしょ?」
小村「…」
?「同窓会行ったことある?」
道端にいた野良猫に話しかける?であった。
??は、その辺の猫じゃらしを持って来ようとしている。
