suddenly㉗

いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて

フットサル場・コート(日替わり)

哲の同級生たち、コートに集まっている。

哲の姿はない。

紡「…LINEの返信来ない」

快「まじか」

朝日「…紡、外で待っててやれば?」

紡「そうしようかな」

朝日「一緒に行こうか?」

紡「あ、返信来た」

同・外

紡、入口の近くで立っている。

哲、緊張した様子でやってきて、紡に気付き、

哲「(え?)…」

紡「…(哲に気付いて)あ!」

と、手を挙げる。

哲、紡の元に来る。

哲「なんでいるの?」

紡「お迎え」

哲「(不安そうに)…」

紡「(声だけで)ほんとに不安な顔しないでよ」

哲「黒田…やっぱ帰る」

紡「えぇ!?」

哲「もうやべえ」

紡「大丈夫だよ、仲良かったしみんな」

哲「…」

躊躇う哲に不安な表情の紡。

朝日の声「黒田?」

紡、振り向くと朝日が建物から出て、二人の元にやってくる。

哲「(朝日を見て)…」

紡「あ、哲来たよ~」

朝日「よお」

哲「よ」

朝日「久々に黒田に会ったわ」

少し緊張が解けて笑う哲。

朝日、哲の肩にポンと手を置く。

紡「みんな待ってるよ~」

同・コート

紡と哲、クラブハウスから出てくる。

快、すぐ二人に気付く。

快「(冗談で)黒田も試合するの?」

紡「今日は見るだけ」

巡「同じチームはやだな」

紡「うわ、なんで」

二人、笑って

哲「…」

周りも2人に気付きだす。

哲、視線を感じ、少し目を伏せる。

紡「(哲を気にして)…」

朝日の声「哲」

紡、哲の肩を叩いて、朝日の方を指さす。

哲「(朝日を見て)…」

朝日、哲に手招きをして、

哲「朝日、こっち」

哲、紡を見る。

紡「(手を振る)」

マイ「なんか、全然藤沢くんだよね」

郊子「藤沢~」

マイ「ぜんっぜん変わってない」

郊子「大人っぽくなったよね」

マイ「(ちょっと笑って)そうかな」

郊子「紡と付き合ってるって」

マイ「えええええ!」

郊子「ね!私も最近知ったの !」

マイ「(突然大声で)紡ー!」

郊子「うわ!びっくりした!」

紡、手を肩の高さで振る。

郊子「紡ー!」

紡と郊子とマイ、手を振っている。

哲、朝日、快、巡、コートに入ってハイタッチ。

他の同級生ともハイタッチして、一言二言声をかけられる哲。

高校生のようにじゃれあう哲たちを見て、

懐かしむ女子たち。

自由にパスやストレッチを始める同級生たち。

哲と朝日、スマホを見て

【山形学園高校サッカー部】

というLINEグループに、

【朝日が藤沢哲を招待しました】と。

【藤沢哲がグループに参加しました】とトーク画面に出る。

哲、スタンプを送る。

魔界への道

開錠人「このあたりは何もなくて」

哲「怖くない?」

紡「あんまり揺れないんですね」

開錠人「そうですか?あまり人を乗せたことがなくて」

哲「何年くらい乗ってないんですか?」

紡「この翼良い感じ~」

開錠人「1万年くらい乗ってないですね、人は」

哲「すごいじゃん、つむ」

紡「すごいね」

開錠人「人はですよ、人は」

スピードを上げる乗り物。

哲「クリスマスを思い出すなぁ」

紡「生きてるとき、楽しかったねえ」

哲「こんな悪魔になっちゃってさ」

紡「似合ってる?」

哲「前持ってたワンピースの色に似てない?」

紡「あぁ、ネイビーの?」

哲「そうそう、似合ってる」

開錠人「そろそろ着きますよ」

哲「お、見えてきましたね」

紡「翼を動かす練習しようかな」

開錠人「まだ待ってください、乗り物を降りたら良いですよ」

哲「ありがとうございまーす」

紡「ちょっとだけ!」

紡、少しだけ動かそうとする。

哲、知らないふり。

開錠人「着きました!」

いつの間にか、元の姿に戻っている開錠人。

哲が乗り物を降りた瞬間、翼を乗り物の上で大きく広げる。

哲、カバンの中をあさり、手鏡を出す。

哲「おお、すげえ。これ、メイク?」

紡「え!カバンの中見てなかった!いつ見たの?」

哲「来てる途中」

紡、カバンの中を見ている。

開錠人「乗り物から降りてください!」

紡、急いで降りる。

紡「え、何かあるんですか?」

開錠人、乗り物を片付ける。

紡「爆発でもするのかと思った」

開錠人「それでは行きますよ。私のことはサタンと呼んでください」

哲「…」

紡「サタンなんですね…」

サタン「他にも色々といますが、哲さんと紡さんの担当は私が」

哲「よろしくお願いします」

紡「よろしくお願いします!楽しみ~」

サタン「あなたたちに名前を付けないといけませんね」

哲「え」

紡「今のままじゃダメなんですか」

哲「シッ!」

紡「…」

サタン「えーと、では。哲さんは、グザノヴァ。紡さんはゾマ=リフィで」

グザノヴァ「かっけー」

ゾマ=リフィ「え、何でその名前なんですか」

サタン「この手帳に書いてあるんですよ」

グザノヴァ「すごいですね」

ゾマ=リフィ「厨二っぽくないですか?」

睨むサタン。

グザノヴァ「こいつ、悪い奴じゃないんで」

ゾマ=リフィ「ゾマって名字?」

グザノヴァ「多分、全部読むんだと思う」

ゾマ=リフィ「そうなんだ」

グザノヴァ「かっこいい名前で良かった」

ゾマ=リフィ「リフィってかわいいかも」

グザノヴァ「楽しみ~」

ゾマ=リフィ「忘れないようにしとこ、ゾマ=リフィ、ゾマ=リフィ」

サタン「それでは、悪魔の体験を始めます」

グザノヴァ、ゾマ=リフィ「ワクワクする~」

ゾマ=リフィ、緊張した表情をしている。

サタン「あ、魔界の鍵開けます」

グザノヴァ「はーい」

ゾマ=リフィ「あ、まだ開けてなかった」

サタンが鍵を取り出し、空中で開錠をする。

正面から風が吹く。

グザノヴァとゾマ=リフィの目の前に魔界が広がる。

二人が見たのは、暗闇だった。

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ゆり子

SnowManのファンです。よろしくお願いします。

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