私はその日、上から下まで真っ黒な服装で事業所に来た。
朝からテンションも高く
「おっ、はようございまーす!今日の私は真っ黒黒でーす。」
元気に朝の挨拶をした。
その4時間後に私は絶叫することになるとはその時は思わなかった。
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私はいつもの様に作業を終え、15:00退所の時間になったので、市のコミュニティバスに乗って、自宅近くのバス停で下りた。
そこから自宅までは徒歩5分だ。
カンカン照りの中、片麻痺の私は杖を突いて歩いた。
家に着くと右足が何だかイズイ(仙台弁で違和感のこと)。
私はトイレに駆け込み、ズボンを脱いだ。
「ん?は、は、蜂―!!」
【閲覧注意!】この先虫の画像がございます。苦手な方は閲覧されないようご注意ください。
私は夢中で近くにあった広告を丸め蜂を叩いた。
「えい!えい!えい!」
ばしっ!ばしっ!ばしっ!
蜂は動かなくなった。
私は少し冷静になってから蜂の画像を拡大して調べた。
その蜂はエントツドロバチにそっくりだった。
泥の中に巣を作るからドロバチというらしい。
しかも、よく見るとスズメバチ科だと書いてある。
「スズメバチ科ぁー!!」
私は驚いて蜂が刺したかもしれないと、慌てて太もも付近を見た。
触ってみたが針の様な物は無く赤くはなっていたが腫れてもいなかったし、痛み
も無く、チクチクするだけですぐに症状は治まった。
もしも、入っていたのがドロバチではなく、スズメバチだったら大変だったと
いうことで、その日から我が家には真っ黒黒コーディネート禁止令が出た。