好きな映画について~TOKYOタクシー~

あらすじ

「男はつらいよ」シリーズや「釣りバカ日誌」シリーズで知られる山田洋次監督の91本目の監督作となる映画「TOKYOタクシー」。この作品は、2022年製作のフランス映画「パリタクシー」を原作にした、人生の喜びを描いたヒューマンドラマです。タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送迎します。すみれは東京を見納めたいと希望し、宇佐美にいくつかの寄り道を依頼します。旅の道中、すみれは徐々に伊佐美に心を許し、自身が経験した壮絶な人生を語り始めます。すみれは、貧しい時代に息子を育てた経験や、DVに苦しみながらも夫を殺人未遂の罪で刑務所に入った過去を告白します。宇佐美もまた、娘の学費について悩んでおり、すみれの告白を聞く中で、自身の家族との関係性について考えを巡らせます。車内での数時間にわたる二人の人生の交錯を通じて、お互いに影響を与え合い、人生の喜びを見つめ直す物語です。

感想

人は年齢によって役割や立場が変わっていきます。この映画は一人の女性の人生を戦後の東京の街の復興と共に振り返りながら進んでいきます。歴史上の出来事は本物の資料映像が使われていたので、それがよりこの物語を現実に近づけた要因の一つでもあると思います。タクシーが発車してはじめはお互いに愛想がなかった二人の仲がぐっと深まったのがすみれの青春時代の話です。その時代、女性と子供の人権が軽視されており、それが当たり前の時代でした。私の見た回では高齢のお客様が多かったですが、特に当時を知る女性は共感できる内容が多かったと思います。この昭和の男…というかすみれさんの旦那役に迫田孝也さんがキャスティングされているのですが、演技とは思えないほど昭和の男で本当にすごい役者さんだと思いました。恋をする娘から母親になり、家族の在り方を模索する若き日のすみれさんの生き様を蒼井優さんがよく演じていたと思います。すみれさんの話を聞きながら東京観光を一緒に進めていくうちに心を開き、自分の話もしだす宇佐美の反応はリアルでとてもよかったです。85歳の人生経験豊富なマダムから色々な話を聞き、気づかされたことで少しずつ考えが変わり行動を起こしていく宇佐美。この二人は出会うべくして出会ったのだなあとしみじみ思います。物語の終盤、宇佐美がすみれさんの願いをかなえてあげればよかったと後悔するシーンがありますが、それは結果論であり、私はあの時の宇佐美の対応は正しかったと思います。あれくらい強く言わなければすみれさんも決意が固まらなかったと思います。宇佐美の様な経験は多くの人がしたことがあると思います。またいつかは絶対にないと、また今度は来ないかもしれない、だからやりたいことはやるし会いたい人には会う!と思いながら生きていかねばならないと再認識させてくれ、その通りに常に最善を尽くし生きていても叶わないこともあるという悲しみも同時に教えてくれる作品でした。これから親になる人、家庭を持つ人に特に観てもらいたいと思いますが、年齢性別問わずすべての人におすすめです。本当に素敵な作品でした。

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ナナ

初めまして。私は仙台市在住です。 趣味は映画鑑賞です。映画は月に一度観に行きます。 好きな映画が沢山あり過ぎます。 後は動物が好きです。たまに猫カフェへ行きます。とても癒され気持ちが穏やかになります。将来は動物に囲まれていきたいです。

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