suddenly㉚

いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて

紡のアパート・中(日替わり・朝)

紡、目が覚める。

紡「…」

イヤホンをつけ、スマホを探す。

spotifyを開き、音楽を聞く。

無料なので、聞きたい曲がかからない。

音楽を聞きながら、パンを食べる。

次の曲がかかる。

好みの曲じゃない、と曲を止める。

スマホ画面を見て、

紡「…」

一息ついて、電話をかける。

紡「もしもし」

哲の声「おはようつむ」

紡「おはようてつ」

哲の声「今、山形駅にいるわ」

紡「え!?早くない?」

哲の声「食べたいものある?」

紡「コロッケ」

哲の声「え?聞こえない…」

駅構内の音。

紡「コロッケ!」

哲の声「あぁ、分かった」

紡「ほんとに買ってくるの?」

哲の声「そのくらいする」

紡「ありがとう」

哲の声「うん」

紡「じゃあまた」

紡、電話を切る。

音楽を再生する。

聞きたい曲がかからない。

パンの残りを食べる。

山形駅・改札前(朝)

哲、電話を切って歩き出す。

昨晩、朝日から送られてきた

【黒田と復縁した?】

に返事をしていないまま。

哲「…」

【あぁ】と送信。

駅・タクシー乗り場前

山形駅から紡のアパートへ向かう。

哲、駅から出てくる。

哲「…あ」

友泉のポスターを見つける。

哲「こいつ…(呟く)」

熊井「あれ?哲?」

哲「おぉ」

熊井「今日仕事は?」

哲「午後から」

熊井「紡と住んでる?」

哲「住んではない」

熊井「へぇ~(ニヤニヤ笑う)」

哲「じゃ!」

熊井、動かない。

哲「早く帰れよ」

哲、熊井と分かれて、タクシーに乗り込む。

フットサル場・受付(夕)

芦川、受付にいる。

足音に気付き、顔を上げる。

哲と朝日が入ってくる。

紡のアパート・中(夕)

紡、チャイムが鳴り、玄関を開ける。

紡「おかえりー」

哲「ただいまー、入れて」

紡「はいはい」

哲「これコロッケ」

紡「ありがとう、え、ほんとに?」

哲「後食べて、疲れたー」

紡を置いて、部屋にあがる。

フットサル場・コート(夕)

哲と朝日、コート横のベンチに座っている。

朝日「1000万いつ?」

哲「まだ会えてなくて」

朝日「…」

哲「納得いかない?」

朝日「藤沢、女大切にしないよな~」

哲「朝日はいいよな」

朝日「藤沢ださいわ~」

哲「…」

朝日「かっこいいだろ」

哲「かっこいいな」

芦川「…」

朝日「早くより戻して、金をくれ」

哲「分かった」

魔界・寝床前

グザノヴァ「こっからどうすっかなー」

ゾマ=リフィ「とりあえず寝よう」

グザノヴァ「えっ…」

ゾマ=リフィ「寝床の前だし」

グザノヴァ「じゃあ」

グザノヴァ、ゾマ=リフィの腰に手を回す。

ゾマ=リフィ、何かを見つける。

ゾマ=リフィ「なにあれ」

何かが暗闇の中に、揺らいでいる。

グザノヴァ「よし、俺が見て来よう」

グザノヴァ、揺らぎに近づく。

揺らぎが開き、大きい充血した目玉が出てくる。

グザノヴァ「わああ」

ゾマ=リフィ「うっわ、充血してる」

グザノヴァ「そこ?」

ゾマ=リフィ「画面とかあんのかな」

グザノヴァ「探してみる?」

ゾマ=リフィ「行ってきてー。あ!村上が言ってたじゃん、サタンが来るって」

グザノヴァ「あ、サタンどこ?」

目玉「…」

目玉「…サタンです」

グザノヴァ「わぁぁぁぁぁ」

ゾマ=リフィ「…」

グザノヴァ「喋った!!」

ゾマ=リフィ「サタンなんだ」

グザノヴァ「ね、びっくり」

ゾマ=リフィ「目玉…たしかになかったような」

グザノヴァ「サタン、こんなところで何してんの?」

サタン「…」

ゾマ=リフィ「…」

サタン「体の方で出て行こうと思いましたが、目玉が説明します」

グザノヴァ「何を説明するんだっけ」

ゾマ=リフィ「魔界がある理由とかじゃなかった?」

サタン「そうです」

グザノヴァ「じゃあ」

ゾマ=リフィ「お願いします」

サタン「魔界…遥か昔…」

グザノヴァ「ちょっと待って話長くなる?」

サタン「…話を止めないでいただけますか」

グザノヴァ「分かりました」

サタン「(省略)というわけです」

ゾマ=リフィ、寝てる。

グザノヴァ「よくこんな大きな目玉の前で寝れるよな」

グザノヴァ、ゾマ=リフィにデコピンする。

ゾマ=リフィ、目を覚ます。

ゾマ=リフィ「痛っ」

サタン「おはようございます」

グザノヴァ「すみません」

サタン「…さて、次の場所に行きますか」

グザノヴァ「どこですか?」

ゾマ=リフィ「体験とか言ってなかった?」

サタン「体で現れるのでしばしお待ちを」

目玉が暗闇に吸い込まれ、揺らいでいる空間が消えていった。

ゾマ=リフィ「結局魔界って何であんの?」

グザノヴァ「地獄とつながってるところしか聞いてなかった」

ゾマ=リフィ「生きてるときの解釈であってる?」

グザノヴァ「あぁ」

ゾマ=リフィ「やっぱりタロットカードの世界だったか」

サタン「お待たせしました」

グザノヴァ「この方は…?」

サタン「死神です」

死神「ケケケケ」

サタン「犬みたいなもんです」

死神「ケケケケ」

グザノヴァ「…」

ゾマ=リフィ「…(微笑む)」

サタン「早速ですが、体験に行っていただきます」

サタン「このままの格好で人間界に行って、過去の自分たちの様子を見てきてください」

グザノヴァ「分かりました」

サタン「また戻ってきましたら、魔界の入り口にいますので声をかけてください」

ゾマ=リフィ「了解しました!」

サタン「それでは、魔界の入り口まで戻ります」

サタン「魔界の入り口へ行きたいと念じてください」

グザノヴァ、消える。

ゾマ=リフィ、消える。

サタン、死神と一緒に消える。

暗闇に大きな目玉が浮かんでいた。

辺りはしんと静まっている。

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ゆり子

SnowManのファンです。よろしくお願いします。

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