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いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて

哲のアパート・中(夕)

紡、哲の部屋で自分の持ち物を見つける。

哲、紡と横並びで座る。

パソコンに向かって仕事をしている。

紡、ペンケースからカラーペンを取り出す。

哲「あれ?これ紡持ってたっけ?」

と画面から目を離す。

哲、買ってあげたことを思い出す。

哲、パソコンに向き直る。

哲「黒田、今日お菓子食べた?」

紡「黒田って呼ぶんだ」

哲「思い出す」

紡「うん」

沈黙。

紡「勉強なかなか進まなくて」

哲「今どの辺?」

紡「んーあれから10ページ」

哲「大丈夫?いつだっけ試験」

紡「3か月後くらいかな」

哲「がんばろ」

紡「どれくらいかかりそう?」

哲「画面見てるだけだから」

紡「そうなんだ」

哲を見る紡。

哲「…」

紡「…」

哲「何してるの?」

紡「かっこいいね」

哲「かっこよくないよ」

紡「何してるの?」

哲「仕事」

紡、笑う。

紡「最初、LINEで話してたよね」

哲「そうだったよね」

紡「みんなでさ」

哲「あのグループまだあるよ」

紡「まじで?」

哲「うん」

紡「みんな元気だったね」

哲「元気だったね」

紡「SASUKEの話とかしたよね」

哲「いまだに笑ってる」

紡「二人であったよね」

哲「肉まん半分ずつ食べたよね」

紡「いつまで売ってるんだろう」

哲「一人で食べるなああ」

紡「そのあとみんなと遊べて良かった!」

哲「みんなで出掛けたりしたよなー」

紡「あぁ!ドライブ!」

哲「栗が美味しかった!」

紡「今度は辿り着きたいね」

哲「あぁー、みんなでどっか行くのいいね」

紡「また遊びに来てよ」

哲「いつかな!」

紡「いつか!」

哲「もう終電まで遊ぶなよ」

紡「終電…0時前には家にいます」

哲「よし!…男の部屋見んな」

紡「勉強したくなくなった、終わった?」

哲「いや、まだ」

紡「色々思い出しちゃったな」

哲「あー、ごめん」

紡「あれ、消そうか迷ってるドラマ」

哲「なんで?」

紡「思い出すから」

哲「そうだね、消していいよ」

紡「次探す、ドラマも」

哲「え?あぁ、朝日のこと?」

紡「…」

哲「俺でいいだろ」

紡「そうする」

紡、哲のパソコンの画面を見てしまう。まったく進んでいない。

哲「別れる?」

紡「別れてるんじゃないっけ」

哲「もう会えなくなるよ」

紡「いいよ」

哲「分かった、じゃあ友達で」

紡「貰ったもの、捨てるね」

哲、涙目になる。

紡「うそ」

哲「後で捨てとけ」

紡「はーい」

と、自分の持ち物を部屋の片隅に探し出す。

紡「コンビニ行こうかな」

哲「送ってく」

紡「じゃ、玄関まで。コートコート」

と、玄関へ。

紡、笑い出す。

二人、部屋を出て行く。

扉が閉まる。

鍵をかける。

英語教室「VIVA!」・中(夕)

小村、紡がいる教室に入る。

小村「(英語のみ)こんにちは。寒くなってきましたね」

紡、小村を見ず、ボーッとしている。

紡「…」

小村、紡の目の前で手を振る。

紡「あっすみません」

小村「寒くないですか?」

紡「はい、大丈夫です」

小村「何かありましたか?」

紡「彼氏とうまくいってなくて」

小村「そうなんですね」

紡「私がクズで」

小村「なんとなく分かります」

紡「えぇー、哲もクズなんですよ。あっ」

小村「なるほど」

紡、泣きそうになり笑う。

紡「変わらないです、人って」

魔界・入口

サタン「それでは、人間界へ行ってきてください」

グザノヴァ「わかりました」

ゾマ=リフィ「がんばって見守りまーす」

サタン「私は、ここにいますので」

グザノヴァ「体験って人間を見るだけでいいんですか?」

サタン「まずは、過去の自分たちを見てきてください」

サタン「過去は変えないようにしてください」

サタン「過去を変える際は…追って説明いたします」

ゾマ=リフィ「分かりました、気をつけます」

グザノヴァ「よし、行こっか」

ゾマ=リフィ「これ見えないんだよね」

グザノヴァ「いやっ、よく見たらヘンタ…」

ゾマ=リフィ「どうしよう…」

サタン「お似合いですよ」

グザノヴァ「俺的にはあり」

ゾマ=リフィ「…」

サタン「…くれぐれもバッグの中身を落とさないようにお願いします」

グザノヴァ「落としてみようかな」

ゾマ=リフィ「分かりました…え!?」

サタン「落としたら、拾いに行ってください」

グザノヴァ「はい」

サタン「昔、バッグを落としてひどい目にあったことがありまして」

ゾマ=リフィ「気を付けます」

サタン「早く人間界へ行きたい様子ですね」

グザノヴァ「どうすればいいですか」

ゾマ=リフィ「教えてください」

サタン「魔界の入り口から人間界へはボールペンを持っていれば行けます」

グザノヴァ「これか」

ゾマ=リフィ「なくしそう」

サタン「綺麗でしょう、魔界の鉱石で作られています」

グザノヴァ「高そう~」

ゾマ=リフィ「え、これかあ。素敵…」

サタン「過去へ飛ぶことになりますが、最初はお二人を結んでおきますね」

グザノヴァ「お願いします」

ゾマ=リフィ「命綱みたいなもんですね」

サタン「なんですか、それは」

ゾマ=リフィ「…サタンさんって何者なんですか?」

サタン「…」

グザノヴァ「すみません」

サタン「それでは、お二人を透明な糸で結んでおきますね」

サタン「体の大きさを変えたり、お二人が別に飛ぶことは出来るので」

グザノヴァ「時間と空間が一緒なんですね、分かりました」

サタン「それでは、腕に巻いてある革紐の石を見て念じてください」

サタン「グザノヴァだけにつけておきます」

ゾマ=リフィ「私の指輪は何かに使えるんですか?」

サタン「ゾマ=リフィの指輪は緊急時に助けになってくれます」

ゾマ=リフィ「そうなんですね」

サタン「使う時が来ないといいですね」

グザノヴァ「…」

サタン「それでは、念じてください」

グザノヴァ「行ってきます」

サタン「…」

グザノヴァ、ゾマ=リフィ、魔界の入り口から消える。

サタン「どこに飛んだんだろう」

死神「ついて行ってみます」

サタン「そんなことしなくていいのに」

死神「ケケケケ」

サタン「あの乗り物片付けなきゃな」

死神「あいつに磨かせますね」

サタン「あいつか…」

死神「こき使っておきます、ケケケケ」

サタン「よろしく」

魔界への道

あいつ「…」

死神「ケケケケ」

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ゆり子

SnowManのファンです。よろしくお願いします。

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