いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
小さなCDショップ・外
紡、店の前を通りかかる。
哲、店から出てくる。
紡と哲、目が合う。
紡「偶然!!」
哲「え、なんでいんの?」
紡「CD買おうと思って」
哲「ストーカー?」
紡「ばか」
哲「来いっていうから~」
紡「会いに来た~!!!」
哲「卍」
紡「卍」
哲「卍のポーズって知ってる?」
紡「なにそれ」
哲、卍のポーズをする。
紡「やめてよ、人が見てる」
哲「一緒に帰る?」
紡「帰る…?」
哲「帰ろ」
紡の手を取って、手を繋ぐ哲。
ヨークベニマル・店内(夜)
紡と哲、手をつなぎながら買い物をする。
LINEの通知を無視する2人。
紡、チョコレートを手に取って棚に戻す。
哲「買うよ」
紡「いや、これ高いから」
哲「全然高くないよ」
カゴに商品をいれる哲。
紡「いつからカゴ持ってたの?」
哲「…」
紡、他の商品を見る。
哲「肉まん食べる?」
紡「食べる」
哲「は~い」
紡「早く買って帰ろ~」
グザノヴァ「これずっと見てなきゃいけないのかな」
ゾマ=リフィ「多分…1日くらい見ればいいんだよ」
グザノヴァ「昨日、高校の時まで飛んだの何?」
ゾマ=リフィ「楽しかったね」
グザノヴァ「どうしよっかな~」
ゾマ=リフィ「デートみたいだね」
グザノヴァ「そうだね~」
死神「ケケケケ」
グザノヴァ「うわ!びっくりした」
ゾマ=リフィ「いつからいたの?」
死神「いつもお傍に」
グザノヴァ、ゾマ=リフィ「喋った!?!?」
死神「ケケケケ」
グザノヴァ「今日、魔界に帰る感じですか?」
死神「ケケケケ」
ゾマ=リフィ「まだいたいな、人間界」
死神「そんなこと言わずに…魔界の入り口まで戻りましょう」
グザノヴァ「はーい」
死神「では、魔界の入り口へ。5秒数えてください」
ゾマ=リフィ、目を閉じる。
グザノヴァ「かわいい」
ゾマ=リフィ、目を開ける。
ゾマ=リフィ「ちょっと?」
グザノヴァ「なに?俺と一緒に飛ぼう。ちょっと待ってて」
ゾマ=リフィ、大人しく待つ。
死神「サタンの前であまりそういった真似は…ケケ…」
グザノヴァ「…?」
ゾマ=リフィ「何か過去にあったの!?」
死神「ケケケケ」
グザノヴァ「…じゃあ、飛ぶよ」
ゾマ=リフィ「分かった」
5、4、3、2、1
魔界・入口
暗闇に扉が浮かぶ。
サタン「お戻りになりましたか」
グザノヴァ「ただいまです」
ゾマ=リフィ「楽しかった~」
死神「お連れしました」
サタン「ありがとう、チュール」
グザノヴァ「チュールって呼んでいるんですか?」
ゾマ=リフィ「猫のあれですか?」
サタン「そうですそうです、チュールっていう猫のエサの名前が可愛くて」
グザノヴァ「俺もチュールって呼ぼうかな」
ゾマ=リフィ「…」
サタン「それでは、魔界に行きましょう」
グザノヴァ、ゾマ=リフィ、死神、5秒数える。
全員消える。
魔界・教会前
教会の前に、4人が現れる。
サタン「それでは、お二人には悪魔宣言をしていただきます」
グザノヴァ「それで教会かあ」
ゾマ=リフィ「綺麗な教会…」
サタン「バッグの中から手帳を出してください」
チュール「手帳の1ページ目に書いてある宣言を読んでいただきます」
サタン「宣言は私の前で行います」
チュール「ケケケケ」
グザノヴァ、話を聞かずにバッグを漁っている。
ゾマ=リフィ「これですね、えぇと、悪魔宣言…」
グザノヴァ「悪魔宣言。1.我々悪魔はどんなことが起きても人間を貶め続けます」
ゾマ=リフィ「2.悪魔が世界を支配し続けるように貢献します」
グザノヴァ「3.清く正しく悪魔のつがいで在り続けることを誓います」
グザノヴァ、ゾマ=リフィ「なにこれ!?」
サタン「…ごほん(咳き込む)」
チュール「昔サタンが考えました」
グザノヴァ「…」
ゾマ=リフィ「…」
サタン「悪魔宣言をしたら、10000年は魔界にとどまることになります」
グザノヴァ「はーい」
ゾマ=リフィ「そのつもりできました」
チュール「どこでこの噂を!?」
グザノヴァ「村上から」
ゾマ=リフィ「冊子みたいな…契約書って書いてあったんですけど…」
チュール「なるほど」
サタン「10000年契約です」
チュール「ケケケケ」
サタン「準備はいいですか?恰好はそのままでお願いします」
チュール「教会の中に入ったら10倍になってください」
グザノヴァ「分かりました」
ゾマ=リフィ「えぇと、了解しました」
グザノヴァ「ほんとに分かってる?」
ゾマ=リフィ「え…んー」
グザノヴァ「分かってないだろ」
ゾマ=リフィ「まぁ…」
グザノヴァ「ついてくればいいから」
ゾマ=リフィ「頼りないなぁ、昔からいつも私が…」
サタン「喧嘩ですか?」
チュール「ケケケケ」
サタン「では、扉を開けます」
扉が視界に収まらないくらいの大きさになる。
扉が開く。
魔界・教会の中
暗闇に煌びやかなオーナメントが浮かんでいる。
ステンドグラスの破片が散らばっている。
サタンが現れる。
サタン「…やっとだ…ようやく…」
チュール、サタンのマントの中から現れる。
チュール「ケケケケ、解放されますね」
サタン「チュール、静かにしていなさい」
チュール「あなたのチュールです、いつまでも…」
サタン「大きい声を出すな」
サタンが全てのオーナメントを壊す。
グザノヴァ、扉の向こう側から声をかける
グザノヴァ「まだですか?」
サタン、小指の骨を少し砕く。
チュール、心配そうに見る。
サタン、大きく低い声を教会に響き渡るように出す。
サタン「はじめますよ」
チュール、グザノヴァとゾマ=リフィを迎えに行こうとする。
魔界・教会の扉の前
グザノヴァ「緊張する~」
ゾマ=リフィ「噛みそう…」
チュール「…」
グザノヴァとゾマ=リフィは、チュールの本当の姿をまだ知らない。
