ボランティア日記第二弾 タイ編④

5・最後に

本の中に私達が訪れた、パヤオ県ドッカムタイYMCA施設の子供の写真が載っていた。私達は複雑な思いだった。

スタッフのMさんに施設の事を質問した時にこんな事を質問した。「この施設が出来てMさんの目から見て、何か進歩したと思われますか?」Mさんはにっこり笑って言った。「ええ、いい方向に向かっています。みんなの意識が変わってきました」私達に出来る事は何だろう?それは一人一人、違うだろう。私達は、知る事が出来て良かった。

運よく不幸の道に転がらなかった、あの優しい子供達に会えて良かった。だからこそ、人間の存在、それ自体に横たわる闇を越えて、暖かく明るい世界を造る為、私達はきっと何か出来る筈で、何かするべきなのだ。

「山岳民族の子供が多く保護されているのは何故?」「山岳民族の収入源といったら農業ですが、やせた土地、過酷な天候の下では一家が暮らしていくのに十分な収入を得るのは難しいのです。例え都会へ仕事を探しに行っても、十分な教育をうけていない彼らが仕事を得るのは難しく、そこに目をつけたのが、性産業ブローカーです。彼らは、バンコクや日本で性産業とは別の合法的な仕事と約束してまだ幼い子供を連れて行こうとするのです。

「どのような基準でここに保護される子供は選ばれるのですか?」パヤオセンターにいる子供は、先にも述べたように家庭に何らかの問題のある子供達です。それらの子供のデータは、村、及びパヤオセンターの調査で集められます。

その後、そのデータを元に、子供本人、親、学校の先生等との話し合いを経てリスクの大きな順に選ばれています。

「職業訓練の内容は?」

男の子も、女の子も洋裁をしています。グループワークになっていて、1グループ5,6人という構成になっています。そのグループでたくさん製品を作ればたくさんのおこずかいが入るようなしくみになっている。

「現在センターにいる子供達は施設を出た後、どうなるのか?」現在センターには、6才から19歳までの子供達が生活しています。具体的にここを出る年齢は決まっていませんが長期はいられません。大抵、3,4年で出ます。

その後子供がどうするかは、親か親戚が決めています。ひとつの例として、チェンライにあるYMCA系統の寮に入り、援助を受けながら大学に通う子供もいます。

「この施設が出来て6年が立ちますが、何か変わったことはある?」

あります。時に山岳民族の村では男女平等の考えが生まれてきました。<それまでは、女に教育は必要ないと思われていた。(昔の日本もそうだったのではないだろうか?)その他に、子供にも色々な面でチャンスを与えるようになってきました。

これらの話を聞かせてくれたMさんは、山岳民族である事からパヤオセンターの職員になるまでは、男尊女卑の考え方の中で色々と苦労をしてきたようです。最後に、「今の生活はどうですか?」という質問に対し「ここでの生活は自由がないから疲れるけれど、そんな事は全然問題ではないんです。」こう言っていたMさんの笑顔が印象的でした。話し合いを始めたのが夜遅かった事と私達の勉強不足もあり、話の内容自体深く掘り下げる事は出来なかったがしかし、Mさんの話を聞けた事がきっかけで私達が強い問題意識持つようになったことだけは確かである。

日本では考える事のなかった少女買春、家庭内暴力、山岳民族等、

今回のワークキャンプでは、考えるきっかけを得たに過ぎない。繰り返しになるが、今の私達がすぐに出来る事は一人でも多くの人にこれらの事実を伝えて行く事だと思う。そして、ゆっくりでも私達一人一人がするべき事や出来る事を考えやっていけたらと思う。

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まりあ 如月

私は数年前に倒れ、高次脳機能障害となりました。独身ですが、大学生の息子が一人います。趣味は、旅行、温泉、カラオケ、ダンス、映画、韓ドラ鑑賞、読書、写真、ビリヤード、川柳、子供関係のボランティアと多趣味です。特技は、文章を書くこと、人前で話すこと(司会、挨拶等) 趣味や、経験した楽しいお話、また皆様に聞いて頂きたいお話を、物語風に作成しました。是非覗いて下さいね。

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