いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
黒田家・紡の部屋(日替わり・朝)
紡、ベッドで寝ている。
スマホの動画が流れっぱなしになっている。
紡、気にせず寝ている。
母「誰か来たよ(にこやかに)」
紡「え、誰?」
母「髪とかしなさい」
紡「えっ」
母「早く早く」
紡「分かった」
紡、母から櫛を取る。
黒田家・玄関先
母「ちょっと待ってね」
哲「よお」
紡「なんでいるの!?」
哲「彼氏だろ」
母「キャー(顔真っ赤)」
哲「入っていい?」
紡「どうぞ」
哲「お邪魔します」
紡「今日あったかいね」
哲「かわいいね恰好」
紡「ありがと」
母「なにそれ」
哲「ソファある?」
紡「あるよ~」
英語教室「VIVA!」・外
紡、授業を終えて外に出る。
哲「よっ」
紡「なんでいるの?」
哲「早めに終わったから…」
紡「そうなんだ」
哲「ポッキー持ってきたよ!」
紡「ありがとう」
二人、手をつないで帰る。
スタバ・店内
郊子と紡、向かい合って座る。
郊子「久しぶり~」
紡「お久~」
郊子「元気?」
紡「元気」
郊子「何頼む~?」
紡「フラペチーノ」
郊子「やっぱりフラペチーノだよね」
紡「荷物置いてく?」
郊子「一緒に行こう」
紡「はーい、待って」
[回想]図書室・中
哲「何の本読んでるの?」
紡「漫画」
哲「どんなの?」
紡「女の子と男の子が出てるやつ」
哲「どういう話?」
紡「読む?」
哲「いいの?」
紡「いいよ」
哲「プリント終わってから」
紡「分かった」
哲、プリントをする。
紡、漫画を読む。
紡「プリント終わった?」
哲「まだ」
紡「やってあげようか?」
哲「自分でやる」
紡「どんなの?見して?」
哲「いいよ」
哲、紡にプリントを見せる。
哲「汚いけど…」
紡「へえ、もう少しじゃん」
哲「うん、あと少し」
紡「がんばって~」
哲、プリントをする。
哲「終わった~」
紡「はい」
紡、漫画を差し出す。
哲「一緒に読もう」
哲、紡、横に並んで漫画を読む。
哲「読んだ?」
紡「読んだ」
哲「ページめくっていい?」
紡「私めくる、はい」
哲「はい」
1ページを手から手へ渡す。
哲「次読むね」
紡「うん」
哲の方を見たら、違う方向を向いている。
紡「読み終わった?」
哲「まだ」
紡「私読み終わった」
哲「早いね」
紡「そうかな」
哲「学校でも早いの?」
紡「早いよ」
哲「読んだ?」
紡「まだ」
哲「待つよ」
紡「もういい、はい」
哲「はい」
1ページを手から手へ渡す。
グザノヴァ「図書館から借りた本そのまま持ってきちゃった」
ゾマ=リフィ「私も」
[回想]通り
哲「あんまり話せないかもしれないけどこれからもよろしく」
紡「よろしく」
哲「じゃあ、帰るね」
紡「うん」
哲「電話しよ」
紡「お父さん?」
哲「今から1時間半で来るって」
紡「どこで待ってるの?」
哲、紡の手をつないで通りを歩く。
哲と紡、階段の前のドアのところに来る。
哲「ここ」
紡「じゃ、喋ろ~」
哲「帰っていいよ」
紡「え~」
哲「寒いから」
紡「中戻る?」
哲「いい」
紡「そっか、手離して」
哲「うん」
紡「じゃあ」
哲、手を振る。
魔界・図書館(外)
暗闇に浮かぶ図書館の灯り。
すすけた本が積み重なっている。
辺りは洞窟のよう。
グザノヴァ「図書館ここ?案内板に書いてあった」
ゾマ=リフィ「案内板消えちゃったけど、場所合ってる?」
グザノヴァ「見て」
ゾマ=リフィ「ほんとにあった」
グザノヴァ「案内板消えても建物の場所変わんないんだな」
ゾマ=リフィ「そうだね、良かった見つかって」
グザノヴァ「入ってみよう」
魔界・図書館(中)
灯りが本を照らしている。
灯りは空中に浮いている。
ゾマ=リフィ「どこにコンセントあるんだろう(呟く)」
グザノヴァ「魔界の灯りは魔法なんじゃない?」
ゾマ=リフィ「たしかに、これどこの言葉?」
グザノヴァ「日本語もある、ほら」
ゾマ=リフィ「ほんとだ」
グザノヴァ「借りれるのかな」
ゾマ=リフィ「これ見て」
グザノヴァ「なに?」
ゾマ=リフィ「えっと、近い!」
グザノヴァ「あぁ」
ゾマ=リフィ「これ読もうかな」
グザノヴァ「どこの言葉?」
ゾマ=リフィ「魔界の言葉かな、フリガナ振ってある」
グザノヴァ「すごいね、サタンが振ったのかな」
ゾマ=リフィ「多分」
グザノヴァ「見てこれ!!」
グザノヴァ、埃のかぶった本の中から1冊取り出す。
埃のかぶった本の中に、【村上サディウス】という名前。
ゾマ=リフィ「村上サディウス、何者?」
グザノヴァ「手帳の歴史のページの人?」
ゾマ=リフィ「それは村上サディウルヌス」
グザノヴァ「あ、魔界に来た時の!!!」
ゾマ=リフィ「この人、本書くのが好きなのかな」
グザノヴァ「サタンの知り合いかな、聞いてみよう」
ゾマ=リフィ「チュールも何か知ってるかも」
グザノヴァ「じゃあ、俺はこれを借りよう」
ゾマ=リフィ「帰ろっか~」
グザノヴァ「このあとどうする?」
ゾマ=リフィ「人間界行こ、過去見に」
グザノヴァ「分かった、2026年あたりかな」
ゾマ=リフィ「いいね、楽しかったなあのメッセージのやりとり」
グザノヴァ「また指差すよ~」
ゾマ=リフィ「手紙送りすぎてたわ」
グザノヴァ「俺は足りなかった」
ゾマ=リフィ「また書くね」
グザノヴァ「は~い」
図書館をあとにする二人。
暗闇に消えていく二人を見守るチュール。
チュール「ケケケケ」
