いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
[回想]黒田家・紡の部屋・中
紡「この前ごめん、なんで来たの」
哲「(勢いをつけて)謝りたくて!!」
紡「…」
哲「この前ごめん彼女出来た!!連れてきたんだけど」
紡「あの…」
哲「なに?」
紡「全部お揃いじゃなくてもいいんだけど」
哲「そういう意味じゃなくて」
紡「なに?」
哲「やっぱ帰すわ、開けて」
紡「はい」
哲「別れた」
紡「えっと、どうしたの?」
哲「変えていい?過去の男」
紡「背高くなったね」
哲「どうだっていいんだよ」
紡「え、哲くん?声も」
哲「お前も変わったな~」
紡「さ、彼女を」
哲「もしかして別れた?」
紡「うん」
哲「俺今15人」
紡「絶対嘘、ちょっと喋ったとかふざけてとかでしょ」
哲「メアド持ってたら彼女だろ」
紡「はい」
哲「じゃあ、お前も彼氏作れ」
紡「え?」
哲「先生はやめとけ」
紡「なんだと思ってるの、先生のこと」
哲「えっと、旦那さん」
紡「…え?」
哲「俺は彼氏も彼女もいる、付き合って!!」
紡「あほじゃないの」
哲「全員仲いいよ」
紡「全員仲良くなくなったら付き合う」
哲「え、」
紡「骨折り損の」
哲「くたびれもうけ」
紡「覚えてるんだ」
哲「えっと、別れます!待ってて」
紡「…」
[回想]黒田家・紡の部屋・中
紡「あの、好きです」
哲「嫌いです」
紡「なんでですか」
哲「だって合言葉みたいなんだもん」
紡「ふうん」
哲「…」
紡「へええ」
哲「…」
紡「櫻井先生とはお別れしました」
哲「なんで!?」
紡「家来ないから」
哲「(おどけて)うっそ~」
紡「一回も受けてません」
哲「じゃあ、寄り戻そう。最近知ったんだよこの言葉」
紡「…早いんじゃない?」
哲「そうかな」
紡「好きでした」
哲「嫌いです」
紡「え?」
哲「好きって言って」
朝日「(ドアの隙間から)聞いちゃった~~~~」
紡「あーーーー!!!!」
哲「あれ彼女」
紡「はい?」
哲「ほんとは全員友達で協力してもらった、かけてみて」
電話先「(男の声)もしもし」
紡「ほんとだ」
哲「だろ、優しいから許してやるよ」
紡「すみませんでした」
哲「いいやつ~」
朝日「俺も紡のこと好きなんだけど」
哲「こいつ」
朝日「こいつハトの」
哲「わあああああ」
朝日「朝読むやつに振られて寄りもどしたいって書いたんだよ」
紡「ふうん」
朝日「やべえんだよ、大騒ぎで全員知ってるよ」
紡「そうなんだ」
朝日「で、募集したわけ」
哲「他の女を与えられたりとか」
朝日「…ケータイを持つとか」
哲「あとは、カラコンを入れるとか」
朝日「すっごいみんな頑張ってさ、良かったな!!!」
紡「…うん、あの、喋りすぎだと思う」
哲「ありがとう」
朝日「やっぱくっつけなきゃ良かった」
紡「ごめんなさい」
朝日、大号泣。
哲「(笑いながら)ありがと~、大好き!!!紡~~~」
紡「大丈夫なのかな…」
哲「もうちょっとしたら帰るから待ってて」
朝日「外にいる」
紡「…まあ、いいや。今日は何しよっか」
哲「えっと、二人で研究しない?」
紡「(棒読み)…うん、そうしよう」
哲「えっと、りんご!」
紡「しりとり?」
哲「当たり前だろ!」
紡「なんか違うと思うけど、ごりら」
哲「俺は違う!ラッパ」
紡「パパイヤ」
哲「やっぱいい!お前!」
紡「そういうこと??えっと…」
哲「すき?」
紡「気持ち悪すぎる」
哲「(涙を流しながら)ごめん泣く」
紡「喰いタン!あのやりすぎ!昨日までの哲くんはどうしたの」
哲「大好き!!!って言いたいの」
紡「分かった」
哲「そっちでいい?」
紡「いいよ」
哲「分かってねえなあ」
紡「なんだ…!?」
哲「えっと、好きだろ俺のこと」
紡「はい」
哲「堕ちた?」
紡「はい」
哲「キスしていい?」
紡「ダメです」
哲「じゃあ、手だして」
紡「はい」
哲、紡の手を繋ぐ。
紡「!?」
哲「俺が今から3秒数えるから、静かにしてて」
紡「はい」
哲「1.2.3.はい俺のことが好き!!!」
紡「はい」
哲「あとは…」
紡「あの、なんですか?」
哲「あの、何回も惚れさせた方が勝ちって言われて」
紡「分かりました」
哲「分かった?」
紡「分かった」
哲「愛してる」
紡「(震えながら)分かった…あの、笑いますごめんなさい」
哲「え?」
紡「(哲から逃げながら笑う)あはははは」
哲「…」
紡、麦茶を飲んで現れる
紡「一息ついてた」
哲、机に水たまりを作って泣いている。
哲「どうしたの?俺もう生きていけない」
紡「ごめんね、笑いすぎたよね」
哲「これ気にしないで」
紡「どうしたの?」
哲「愛って一個しかないんだな」
紡「そうだね、メール?」
哲、紡にケータイを差し出す。
【渡部 女に騙されている】
哲「こんなの送って来るんだぜ、いいとこの子なのに」
紡「えっと、あだ名は?」
哲「カモノハシ」
紡「なぜ」
哲「みょーんって、みょーんって」
紡「なにそれ」
哲「語尾につけるんだよ」
紡「なんで」
哲「えっと。彼女の名前」
紡「それ母」
哲「まじ?聞いてみる」
紡「カモノハシ?」
哲「あれは絶対カモ顔だろって」
紡「なるほど、カモ顔」
哲「カモノハシっぽいだろ、お前の好きな」
紡「え、うーん」
哲「まあ、手はチンパなんだけど」
紡「へえ?」
哲「あ、キャラ忘れてた」
紡「カモノハシ…」
哲「お前が好きなのは俺!!!じゃなくて」
紡「うん」
哲「どういうことかというと」
紡「うん」
哲「カモも好きなんだよ」
紡「え」
哲「頭いい人って言ったら、全統1位だったって言われたの」
紡「うそ、あの人学年43位」
哲「まじ?」
紡「何で知ってるかというと、先生がおすすめの中学生で」
哲「頭いいからか」
紡「まあ、43位だから普通」
哲「全統だろ」
紡「いや、実力テスト」
哲「嘘!?」
紡「私は実力テストの前、3点取って補講受けたの知ってる」
哲「へえ、好きなのかな」
紡「さあね」
哲「帰るわ」
紡「うん。ばいばい」
哲「ばいばい」
魔界・寝床
ゾマ=リフィ「なにこれ」
グザノヴァ「占い?」
ゾマ=リフィ「水晶」
グザノヴァ「何か見える?」
ゾマ=リフィ「…未来!!!」
グザノヴァ「魔界の?」
ゾマ=リフィ「魔界のにする、人間界はうちらが決めよ~」
グザノヴァ「見てみて」
ゾマ=リフィ「う~ん、見えました!」
グザノヴァ「どうなりますか?」
ゾマ=リフィ「闇は広がらず、人間によって滅びます」
グザノヴァ「俺らはどうなりますか?」
ゾマ=リフィ「地獄ですかね」
グザノヴァ「いつ人間によって滅ぶのか分かりますか?」
ゾマ=リフィ「10000年後ですかね~」
グザノヴァ「なるほど、それまで頑張ろっか」
ゾマ=リフィ「頑張ろうね」
グザノヴァ「おやすみする?」
ゾマ=リフィ「おやすみ~」
寝床の時計の秒針は反時計回りに回っている。
