いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
黒田家・紡の部屋(夜)
紡「内緒話しよ」
哲「いいけど、」
紡「えっと、家庭教師の子に告白されました」
哲「俺の話は、…え?」
紡「え?なに」
哲「女と2年話してなかった」
紡「え?」
哲「それが嘘なのがバレました」
紡「ほう」
哲「お気に召すままに…」
紡「ほう、なんで傘置いてったの?」
哲「好き、じゃなくなった」
紡「そっかあ」
哲「モテない女が好きだ」
紡「たしかに、お似合いだよ」
哲「なんで俺選べないんだろう」
紡「知ってる、ヤキモチ」
哲「きなこもち」
紡「みんなで食べたいね」
哲「2人であんこもち~」
紡「(抱きつきながら)あんこもち」
哲「終わった~~~~」
紡「あ、ナイトスクープやってる」
哲「エスケープ!」
紡「ナイトスープ?」
哲「ナイトエスケープ」
紡「エス?」
哲「ナイトスケープ」
紡「意味わかんな~い」
哲「ヘッセ…」
紡「電気つけて」
哲「懐中電灯」
紡「スポットライトみたいだね」
英語教室「VIVA!」・中(日替わり)
小村「今日は、先生が風邪気味なのでガサガサした声です」
紡「大丈夫ですか?」
小村「喉だけなので大丈夫です」
紡「心配です。熱はないですか?」
小村「大丈夫です、ありがとう」
紡「あったかくしてください」
小村「優しいですね」
紡「そんなことないですよ」
小村「ココア飲みますか?」
紡「私も飲み物飲みます」
紡のアパート・中(夜)
紡「昨日楽しかったね」
哲「うん、良かった」
紡「なんか美術館だっけ、近くにあるんだね」
哲「あんまり面白くなかった」
紡「学校みたいだった」
哲「そっか紡JKか」
紡「まあ、ごめんね最後のローソン楽しかった」
哲「まあ、そっか」
紡「なんでバス来なかったんだろうね」
哲「寒かったから」
紡「たしかに」
哲「あれなんだっけ、絵画」
紡「真面目…」
哲「え、嫌い?」
紡「コナン君の方が面白い」
哲「ごめんね、気になってて。俺には早かったか」
紡「?」
哲「…」
紡「あんまり分かんなかったけど好きなの?絵」
哲「うん」
紡「そうなんだ」
哲「アートに興味があって」
紡「私は、レトロがいい」
哲「フィルター?」
紡「うーん、プリン」
哲「なんか、若い」
紡「うん、若い」
哲「…」
紡「…」
哲「パーカー好き?」
紡「好き~」
哲「俺も~」
[回想]黒田家・リビング
紡「ピアノひこ」
哲「いいの?」
紡「部屋にある」
哲「女の子の部屋にピアノがあるんだ」
紡「え、うん」
哲「いい、やっぱいい、ここで!!」
紡「いろんなの弾けるよ」
哲「どんなの?」
紡「モーツァルト」
哲「へえ、どんな人?」
紡「えっと、ヨーロッパの人で」
哲「ヨーロッパ」
紡「音楽室に飾られてて」
哲「写真!!!」
紡「すごい綺麗な音楽をかく人なの」
哲「そうなんだ」
紡「情熱じゃなくて、ワルツとかじゃなくて」
哲「うんうん」
紡「行進曲とかもかく人なんだけど」
哲「行進」
紡「私は1番が好きで」
哲「5番より?」
紡「うん」
哲「どんなの?」
紡「えっと、イメージはなくて」
哲「そうなんだ」
紡「曲聞いたけど、やっぱ1番」
哲「弾いたから?」
紡「それもあるけど、黄色のイメージで弾いてくださいって言われて」
哲「黄色いいね」
紡「1回青に貼り換えたら上手くいかなくて」
哲「楽譜?」
紡「うん、悲しみの音になった」
哲「悲しみかあ」
紡「悲しみのメリーさん弾ける」
哲「その時に習ったの?」
紡「そうそう、モーツァルト」
哲「あの人生きてる?」
紡「いや、会いたいけど会えないな~」
哲「そうだよね」
紡「黄色のメリーさんの方が良いって言って発表会で2曲」
哲「かっこいいね」
紡「モーツァルトは綺麗な人が好きなのかなって話になって」
哲「なんか変な先生だね」
紡「多分違うと思うってなった、1234のリズムじゃないから」
哲「そっか、123?」
紡「1と2と3とってやつ」
哲「どんな人が好きなんだろうね」
紡「私はモーツァルト嫌い」
哲「選ばれたくないんだろ」
紡「選ばれても振る、曲になるから」
哲「曲書こうかな」
紡「変な曲なら振る」
哲「多分モーツァルトよりマシ」
紡「ベートーヴェンになりそう」
哲「じゃじゃじゃじゃーんって?」
紡「髪型!!!」
紡、哲から逃げる。
哲のアパート・中(夜)
朝日「今家」
哲「今家」
朝日「俺は好き」
哲「俺は」
朝日「愛は2個に増やそう」
哲「俺は1個」
朝日「なんで2個になんねえのかな」
哲「足りないからかな」
朝日「1個が欲しいのか」
哲「1個はある」
朝日「そしたらいいじゃん」
哲「違うんだよ」
朝日「…」
哲「絵みたいなことだよ」
朝日「そうなんだ」
哲「はああ…」
朝日「仕事がんばろ」
哲「がんばろ~」
魔界・入口
ゾマ=リフィ「いないんです」
サタン「どうしたんですか」
ゾマ=リフィ「グザノヴァが」
サタン「探しますね」
サタン、暗闇に消える。
チュール「ケケケケ、見つけてきましたよ」
ゾマ=リフィ「(安心したように)良かった、ってなんでチュールが?」
チュール「なんでって私は…おっと!余計なことを喋ることでした」
サタン、グザノヴァ、現れる。
ゾマ=リフィ「いた!良かった!!」
サタン「見つかって良かったです」
グザノヴァ「時空さ迷ってた」
サタン「人間界でいう未来にいましたよ」
ゾマ=リフィ「バカだね」
グザノヴァ「良かった~」
サタン「魔界の端を見ました」
ゾマ=リフィ「何はともあれ良かったです」
サタン「良かったです」
サタン、静かになったチュールを心配する素振りを見せる。
ゾマ=リフィの指輪が光る。
チュールは一瞬その光を見るが知らないふりをする。
サタン「疲れたと思うので寝床へ」
チュール「ケケケケ」
