いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
山形駅
哲、紡に通話する。
哲「今、山形駅なんだけど」
紡「は~い」
哲「朝日いる」
紡「え、山形駅?新幹線?」
哲「朝日!」
朝日「なにやってん…繋いでる?(画面に向かって手を振る朝日)」
哲「紡に失礼だろ」
朝日「足踏むなや」
哲「じゃ、切る」
朝日「じゃあ!(その場を去ろうとする)」
哲「お前帰れよ」
朝日「帰るよ」
哲「足痛い」
朝日「痛!!!」
哲「今から帰る、じゃ」
紡、通話を切る。
哲からLINE。
【今、愛子駅】
【仙台ついた】
【仕事】
ファミマ・店内
哲「好きな音楽ある?」
紡「え、なんだろ…(超小声)」
哲「聞こえね~」
紡「えっと(小声)」
哲「有線、かかってる曲とか知ってる?」
紡「ちょっと」
哲「そっか~~~、選んでて!」
紡「…(チョコとじゃがりこをカゴに入れる)」
哲「それ戻して」
紡「…?」
哲「レジ並んで」
紡「…?」
紡、レジに並んで肉まんを買う。
哲、ファミマの外にいる。
哲「なんか買った?」
紡「肉まん」
哲「そっか」
紡「食べる?」
哲「貰う」
紡「かぶりついていいよ」
哲「え、ありがとう(ひとくち食べる)」
紡「残ってる!!!(感動してる)」
哲「俺口小さいから」
紡「え?それはない」
哲「(変な顔をしてる)」
紡「変な人…」
哲「楽しいな~最近」
紡「仙台で何かしてるの?」
哲「なんっも土方みたいな仕事だけ」
紡「へぇ…有線調べてたんだけど」
哲、紡の前に立ちはだかる。
哲、両手を広げる。
紡「ごめん調べものして」
哲「俺といるだろ!って何調べてるの?」
哲、スマホを覗き込む。
哲「(スマホの画面を消しながら)そんなサイト見てんじゃね~」
紡「私は有線を…って次の曲グッドモーニングアメリカだった…」
哲「好きなの?」
紡「バンド好きで!」
哲「例えば?」
紡「キュウソ」
哲「依存のね!」
紡「面白ソングだとね」
哲「かわいいのだと?」
紡「AAAのみさちあかな」
哲「へ~いいなあ」
紡「まあ、最強はミサミサ」
哲「デスノ?」
紡「デスノよりはマシ…あぁ~やだな病院」
[回想]黒田家・リビング
哲「ふぁ~」
朝日「こんにちは、ってなんで裸!?」
紡「やほお」
朝日「お風呂入ってた?」
哲「寝てた」
朝日「風邪ひくぞ、汗かく季節だからな!」
紡「麦茶飲む?」
朝日「飲む。ちょっと亀見てる」
哲「あぁ~飲みて~」
紡「麦茶はい、着替えどこ?」
哲「タンスの上」
紡「畳んでくれたの?ありがとう」
哲「いいよ、俺のカーゴパンツは?」
紡「あぁ、どこ!?押入れとか!?」
哲「え、やば!!」
朝日、亀を見ている。
朝日「お前らいいな(よく見ると泣いている)」
紡「じゃ、カルボナーラ温めるね~」
哲「俺もやる」
紡「冷凍室のワンタン使ってスープ作ろうかな」
哲「美味しそう、餃子スープ的な?」
紡「まあ、そんな感じ」
哲「右使う?」
紡「奥使う(ガスコンロ3口の話)」
朝日「お前それでいいの?」
哲「何が?」
朝日「(泣き出す)」
哲「忙しいから」
紡「…」
哲と紡、キッチンでカルボナーラとスープを温める。
[回想]駐車場
哲「今日は、CDを持ってきたんだ」
紡「へ~」
哲「車の後ろにある」
紡「見せて」
哲「いいよ」
哲、車の後ろのドアを開ける。
紡「これ?いっぱいあるね」
哲「えっと、これブルーハーツで、これが尾崎豊」
紡「これ赤くて可愛い」
哲「聞いたことない。上で聞く?」
紡「じゃあ、これ持ってる」
哲「なにこれ(CDを手で持ちながら)」
紡「えーっと、B’z」
哲「へえ、こんなの持ってたんだ」
紡「初めて見た?」
哲「どっかで見たような」
紡「じゃあ、鍵持ってるからエントランスの方開けるね」
哲「うん、外で待ってて」
居酒屋・店内(夜)
宮本「あ~、お腹すいたね」
熊井「鍋島何してんの?」
紡「図書館行ってたよ」
哲「なんで?」
朝日「真面目だね~」
渡部「もう肉ない」
紡「パイナップルジュースは?」
渡部「持ってこなかった~」
宮本「ほんと好きだよな」
熊井「どんだけその話するの?」
朝日「野菜ジュースならある」
紡「プロテインの?」
朝日「鍛えてる」
宮本「俺も鍛えようかな」
熊井「プランクめちゃうまいこの子」
哲「俺も教わった」
紡「最近はスローの腹筋にはまってて」
渡部「へんた~い」
紡「30秒に1回腹筋する」
熊井「え、むずくない?」
朝日「やる」
宮本「…肉くお~」
紡「鍋島、美容にはまってて」
哲「なにそれ、LINE?」
紡「絵本も読んでるって」
哲「貸して!ってこれ紡のこと好きだぞ」
紡「え!?ないない。女いんでしょ」
熊井「今日、体育の教科書ないの?」
宮本「大きいの」
朝日「オレンジの」
紡「あるよ、はい!」
朝日「よし、あとでやろう」
渡部「え~」
熊井「食べた後きつくね?」
哲「後は、きついな」
宮本「今日は見るだけにしよう」
紡「渡部だけやればいい」
熊井「たしかに、一人だけでいいな」
宮本「罰ゲームだろ」
哲「なんかゲームない?」
朝日「俺持ってきた」
紡「アイフォン持ってる?」
全員「持ってる(と言って机の上に出す)」
紡「最近はまってるスマホゲームがあるんだけど」
全員「返せ」「俺のアップル」「あ、これ俺のじゃない」「見ちゃった」「あぁぁ!!!」
紡「なんかごめん」
全員「いいのいいの」「こいつらが悪い」「朝日が悪い」
熊井「俺の嫁だからな」
渡部「お、いいな~」
哲「俺、ペットになりたいな~」
紡「ペットはいらないかな」
朝日「うぇ~い」
渡部「どうするこれから」
紡「みんなでできるスマホゲーを…」
哲「何あんの?」
紡「えっと、サッカー」
渡部「どうせ元カレとやったんだろ」
朝日「いいな」
哲「朝日、何もってきたの?」
朝日「地元のカルタ」
紡「えぇーっと、じゃあSNOWやろ~」
渡部「作ってるね」
宮本「俺も手伝う」
熊井「ど~しよっかな~」
朝日「今日何曜日だっけ」
紡「TV付ければ分かるよ」
哲「リモコンどこ?」
朝日「没収~」
熊井「楽しいなあ」
紡「良いゲームないかな」
渡部「ゲームで検索したら?」
紡「朝日やって」
朝日「俺!?」
哲「ガジェット得意だもんな」
宮本「はい、焼くよ~」
紡「わ~い」
熊井「は~若い」
渡部「もう桜咲くんじゃない?」
朝日「今日あったかいよね」
哲「窓開けたら?」
紡「あけて~」
哲「開けなよ」
紡「1番近いし」
朝日「たしかに」
熊井「なに使おうとしてんだよ」
哲「悪い(窓を開ける)」
風が部屋に吹く。
朝日「きもち~」
熊井「寝れそ~」
紡「お昼寝コース」
宮本「焼いて…ない!?」
渡部「ホットプレート壊れてる?」
紡「今窓開けたとこ」
哲「かわい~(紡を抱きしめる)」
宮本「俺焼く~」
ホットプレートに電源を入れる。
朝日「いいな、山形」
渡部「通いたい」
紡「離して~」
熊井「俺は最近仕事でさ」
渡部「何抱き合ってんの?」
熊井「ゴールインだよ」
朝日「肉食べよ~美味しそ~」
宮本「哲、窓閉めて」
哲「は~い」
哲、窓を閉める。
渡部「あったかいね今日」
熊井「いいなあ、食べよ~」
宮本、熊井が肉にのばした手を叩く。
紡、笑う。
宮本「まずは紡から!!!」
朝日「そうだろ、熊井!」
熊井「ごめん、頭冷やすわ。ちょっと外出てくる」
渡部「飲み物買ってきて、リスト作るから」
同・外(夜)
熊井「お前ら何やってんの?」
紡「帰ってきた」
哲「SNOW」
朝日「知ってる?」
渡部「プリクラみたいに出来んだって」
宮本「あ~酒がうめ~」
紡「一人ずつ撮ってってるの、残り朝日と熊井」
熊井「もう禁止!朝日とならいいけど」
紡「これ、保存してシールにしようかな」
朝日「貼ろっかなスマホに」
紡「うちは、マグネットにして冷蔵庫に貼ろ~」
熊井「はいこれ、缶(一人ずつジュースを配る)」
紡「三ツ矢?」
哲「炭酸飲める?」
紡「麦茶にしようかな」
渡部「大丈夫?(心配そうに)」
紡「大丈夫!!!」
渡部「無理しちゃってるじゃん!!!(全員に聞こえるように)」
哲「買い物行ってくる」
朝日「俺車に用事」
宮本「電話かけなきゃ」
熊井「あれ、みんなは?」
紡「えっと、用事と買い物と電話」
熊井「そうなんだ、気遣ってくれたかな」
紡「そういうこと!?」
熊井「今日いい天気だね」
紡「そうだね~」
熊井「この後公園行く?」
紡「そうだね」
熊井「…プハー、うまい!!」
紡「あ、LINEきた」
熊井「渡部から?ってなにこれ唇マーク」
紡「え…」
熊井「ベランダ行こ」
紡「え、うん」
熊井「ずっと言おうと思ってた、桜の咲くころ」
紡「…」
熊井「この家にいれるといいな」
紡「うん?」
熊井「ずっと気になってました」
紡「嬉しいな~」
熊井「綺麗だね」
紡「え、そうかな」
熊井「みんな帰ってきちゃうね」
紡「帰ってくるね、どこにいるんだろ」
熊井「着信止まらない…」
紡「えー、邪魔だな」
熊井、紡と目が合う。
熊井「そっち危ないよ」
紡「え」
熊井「怖いよね~~~」
紡「…あ、桜見える」
熊井「え、どこどこ?」
紡「近いよ」
熊井「俺、あれ梅かも」
熊井、スマホで調べものをする。
紡「分かった?」
熊井「分かんない」
紡「そっか、この前のクッキーさ、って顔真っ赤!!!」
熊井「ごめん!!!」
紡「え、みんな帰ってくるから!!!」
熊井「ちょっと待って(顔を背ける)」
紡「クッキーまた焼こうかな」
熊井「次はみんなで食べようか」
紡「…そうだね」
熊井「…すき(ぼそっと)」
紡「…」
熊井「聞こえた?聞こえてない?どっち?」
紡「聞こえた」
熊井「すき」
紡「うん」
熊井「聞こえたならこっち来て」
紡「うん」
熊井「うわ!!!びっくりした」
紡「好きなの?」
熊井「すきじゃねえ」
紡「どっち?(笑いながら)」
熊井「キスして~」
紡「え~」
熊井「お前じゃね~」
紡「え、誰?」
熊井「クッキーは俺だけな!!!」
紡「みんなにって言ったじゃん」
熊井「それはその、そういうことじゃなくて」
紡「えっと…」
熊井「勘違いじゃない」
紡「だよ…ね」
熊井「勘違いであってくれ」
紡「あ、帰ってきた」
熊井「どこ?」
紡「ほら、あれ」
熊井「桜のとこ?」
紡「みんないる」
熊井「…もういい、しない」
紡「え、えええ」
熊井「真似っこ、え、えええ」
紡「みんな早く来ないかな」
熊井「…好きだっていえばよかった」
紡「…」
熊井「…」
紡と熊井、目が合う。
熊井「どうして俺は何もできないんだろう」
紡「…鍋島と」
熊井「あれは冗談」
紡「え」
熊井「本気だよ」
紡「きも」
熊井「気持ち悪くてごめんね!」
紡「うん、これからクッキー焼こうかな。手伝って!」
熊井「待って、その前に」
紡「うん、なに?」
熊井「桜が綺麗だねってやりたかったって言う」
紡「…」
熊井「なんでこんなところで」
紡「…」
熊井「いいや」
紡「…クッキーの」
熊井「黙って」
紡「はい」
熊井「好きです。他の人に結婚してとか言わないで」
紡「分かった」
熊井「いろいろあるのは、分かる」
紡「うん」
熊井「俺を1番にしろ」
紡「え、うん」
熊井「まじ大好き」
紡「えっと…部屋」
紡、窓に手をかける。
熊井「ちょっと、いいかな?」
紡「なに?」
熊井「俺の」
紡、熊井とキスする。
熊井「やっと!!!」
紡「(顔を赤らめながら)え~~~~!」
熊井、窓を開けると風が部屋に入り、紙が飛ぶ。
ピンポーン
渡部が入ってくる。
哲「何やってんの?」
朝日「ずっと話してたよな」
宮本「なにこれ、部屋きたな。喧嘩?」
紡「…」
熊井「喧嘩喧嘩!」
渡部「絵文字買おうかな~」
紡「え!!!」
熊井「買わね~~~」
宮本「はああ、紙これどうするんだよ」
渡部「良いなあ恋って」
紡「クッキー!」
朝日「この前のな」
哲「俺も食べたいな」
紡「いいよ」
宮本「よし!!!って大丈夫なの?熊井」
熊井「俺は平気、トイレ!!!」
渡部「だめだこりゃ」
朝日「へ~~~、紡から聞こう」
宮本「いいなあ、春、桜咲く、歌いたい桜の歌」
紡「片付けて!!!」
宮本「なんで俺らが」
哲「へ~、なんかあったんだ」
宮本「紡、水とって」
紡「はい」
宮本「やっぱ自分で飲んで」
紡「え、はい」
宮本「顔真っ赤」
紡、水を吹き出す。
全員、素知らぬ顔をしている。
