王侯貴族しか楽しめなかった「氷菓」
これから、かき氷が美味しい季節になって参ります。
あまりに気温が高くなると、アイスクリームの売れ行きが下がって、かき氷やシャーベットの売れ行きが良くなるそうです。

かき氷の画像
しかし、今では夏の風物詩となったかき氷ですが、昔は「超高級品」だった歴史があります。
冷凍技術が発達する前の時代には、「氷室」で冬の氷を夏まで貯蔵しておいたものをかき氷にして食するという事になっていたので、日本でも世界各地でも、貴族でも位が上のほうの人だけが楽しめる夏の贅沢品でした。
平安時代の「枕草子」には、「かき氷に甘い汁をかけて金属の器に盛ったものはとても上品」という記述があります。
また、インドでは、ヒマラヤのふもとの氷を洞窟などで保管したものを氷菓子として楽しんでいたようで、ブッダのパトロンだったビンビサーラ王が氷に果汁をかけて楽しんでいた、という記述があるそうです。
また、トルコのスルタンたちも氷の保管庫を持っていて、宝物庫を臣下に見せるイベントを行う際にシャーベットをふるまっていて、古代ローマ帝国でも皇帝陛下達や貴族たちが氷菓子を楽しんでいたそうです。
また、マルコ・ポーロがミルクアイスというものが元の時代の中国にあった、と言っておられたそうですが、これは上の人が遊牧民のモンゴル系だったからこそ存在した食べ物だと思います。
漢族系の方々は、乳製品を蛮族の食べ物だと言って嫌う傾向が昔からあり、今でも道教ではチーズを避けるようにと言っている模様です。
技術革新で、庶民の夏の楽しみに
16世紀に、欧州にて氷に硝石を入れて温度を下げる方法が開発され、天然氷に依存しない氷菓が作られるようになり、裕福な商人様あたりでも夏に氷菓を食べられるようになり、時代が下ってフリーザーが発明され、アメリカで牛乳を商っていたヤコブ・フッセルというお人が余剰の生クリームでアイスクリームを作り、そこからアイスクリームの産業化が始まり、日本でも町田房蔵というお人が日本初のアイスクリームを作りました。1960年代以降、日本でも電気式冷凍冷蔵庫が一般的になり、いろいろな氷菓が家庭で保存できるようになったので、バリエーションのある氷菓が作られて、家庭で気軽に楽しめるようになりました。
氷室で貴族が楽しんでいた頃に比較すると、夏に冷たい贅沢が楽しめるようになってとても幸いな時代だと思います。
これから、どのように氷菓が発展していくのか楽しみです。
これからの氷菓の予想
もしかすると、スポーツドリンクのような成分を凍らせた「機能性氷菓」や、甘酒を凍らせて作った「甘酒かき氷」などが喜ばれる時代が来るのではないか、と筆者は予想しており、また、期待もしております。
氷菓の歴史
