哲学とは人間の存在や宇宙、道徳、知識、真理などについて深く考察する学問である。簡単に言えば日常で生まれる「なぜ?」を考えるものだ。そんな哲学について私の考えも交えながら書いていこうと思う。
まず私と哲学の関係について説明しなければならない。私の哲学の始まりは中学一年生、12歳の時自身の進む道に疑念を抱いたときである。中学時代はそこまで真剣に考えることはなくそこそこうまくやれていたと思っているが中学の最後に転機が訪れた。内容は伏せるが私の人生で最も後悔したことであることは確かである。それを経て高校では徹底的に自身の生き方、考え方、価値観を見直すため必要以上の他人との関わり合いを無駄と断じ勉強の傍ら考え続けた。「たとえつらくとも止めてはいけない、これは罪に対する罰なのだから。」当時はそういう思いであった。そして高校三年になり授業で倫理を選択したことが学問としての哲学との初めての出会いだった。そこから様々考えて今に至る。
哲学に触れてみて私が一番気に入った人がソクラテスであり、有名な言葉として「吟味されざる人生は、生きるに値しない」というものがある。これに感銘を受け、私はより一層知の探究に勤しむことになった。ここで多くの人は他の哲学者が何を考えたのかを調べようとすると思うが私はそうはしなかった。むしろ哲学についてまともに勉強したのは高校の授業くらいである。なぜかと問われれば理由は簡単で、私は”哲学”をやりたいのであって”哲学史”をやりたいわけではないということだ。哲学において重要なことは今の私がどう考えるかだが、学問ととらえた今の哲学はただの暗記科目へと成り下がってしまった。そうした現状があると感じ私は学問としての哲学を捨て独自路線を進むことに決めた。
私の哲学は簡単に言えば実践的な哲学である。哲学としてよく考えられる、「人とは何か」や「世界とは何か」のような考えたところでどうにも使えないものに私はあまり魅力も意味も感じない。人生が無限にあるのであればそういうことも考えて構わないが、人生は有限でありその限られた時間を有効活用しなくてはいけない。浮世離れしたことを考えるより日常生活で感じる「なぜ?」を探求するほうが魅力的で意味のあるものであると私は考える。これを専門的にはタウマゼインと言うらしい。
私の哲学が目指す先は真に自立した人間になることである。自立した人間とは良し悪しや善悪といった判断を誰にも何にも委ねることのない人間であり、これを達成するためにはいくつかのステップを踏まなくてはいけない。
まず初めに今まで持っていた常識を捨て去らなくてはならない。ここが一番難しく、例えるなら何もない砂漠に単身放り出されたような感じだ。これができたならあとはそう難しいものではない。あとは自分独自の価値観を自由な発想で創造するだけだ。後から知ったことだがこれとよく似た考えがすでにあり、それはニーチェの超人という考えだ。ニーチェとは19世紀の哲学者であり、超人の三大核心は自己超越、価値創造、運命愛である。それぞれの意味は現状の自分に満足せず常に乗り越え続ける、善悪の基準を他人に委ねず自分で決める、どんなに苦しい現実もすべて肯定して愛するである。超人に至るまでの精神の三つの変化がある。順番にラクダの段階、ライオンの段階、幼子の段階であり、それぞれの意味は上で説明したステップとほぼ同じである。超人の対極にいるのが末人であり冒険もせず考えもしないただ流されるだけの人のことである。
これを書くにあたってニーチェについて調べてみたが、どうにも他人とは思えなかった。それほどまでに彼と私の哲学は同じであった。彼は自身の著書の中で「私はこれからの2世紀の歴史を描く。ニヒリズムの到来は避けられない。この未来はすでに百の兆候のうちにあらわれている。」と記している。彼が亡くなったのが19世紀後半のためこれからの2世紀とは20世紀と21世紀、つまり現代である。ニヒリズムとはこの世にあるすべてを無意味、無価値とする考え方でありこの思想が蔓延した世界は「病んでいる」と言える。彼の予言が事実であるならば、そんな環境から私のような考えが生まれることも自然なことだろう。
彼の哲学を見ていくと、おそらく私と同じところから出たものだと考えられる。彼の考えには永遠回帰というものがあり、これは何度同じ人生を歩むことになったとしてそれを前向きに受け入れられるかという思考実験だ。この前向きに受け入れられるかという発想は一度自分の人生に絶望したり後悔したものしかできないものではないだろうか。この点からこの哲学は強者のためではなく弱者のためのものであると考えられる。
哲学はすべての人に開かれていなければいけない。私はこう考えているが別に何かをしなければいけないということはない。人間一人ひとり自分なりの哲学をすでに持っているからだ。問題は誰からも教わらないためその開き方がわからないということである。かつてソクラテスとの出会いで哲学の道を開いたプラトンのように、あなたが哲学を開くきっかけに会えることを心から願おう。
参照:哲学とは? わかりやすく解説
【解説マップ】ニーチェの哲学思想を図解でわかりやすく(著書や名言まで)
哲学者ニーチェはどんな人?生きづらさに苦しんだ人生と思想
