はじめに
猫には、黒猫や白猫、茶トラ、三毛猫、サビ猫など、さまざまな毛色があります。
昔から、「黒猫はおとなしい」「茶トラは人懐っこい」「三毛猫は気が強い」など、毛色によって性格が違うと言われることがあります。
そのため、猫を飼っている人や、飼いたいと考えている人の中には、「毛色によって性格は本当に違うのだろうか」と疑問に思ったことがある人もいるでしょう。
この記事では、猫の毛色と性格の関係について、現在の研究で分かっていることや、昔から語られてきたイメージとの違いを、科学的な根拠に基づいてわかりやすく解説します。
結論から言うと、現在の研究では、猫の毛色が性格を決めるという明確な科学的根拠は確認されていません。
毛色は主にメラニン色素に関わる遺伝子によって決まります。一方で、性格は遺伝的要因だけでなく、人との関わり方など様々な要因の影響を受けると考えられています。
そのため、「この色だからこの性格になる」と一概に判断することはできません。
一方で、毛色ごとの性格について調べた研究はいくつか報告されています。しかし、研究結果は一致しておらず、毛色と性格に直接的な因果関係があると結論づけるには十分な科学的根拠は得られていません。
現時点では、猫の性格は毛色だけでなく、複数の要因が組み合わさって形成されると考えられています。
参考文献
①The Relationship Between Coat Color and Aggressive Behaviors in the Domestic Cat
Stelow EA, Bain MJ, Kass PH. The relationship between coat color and aggressive behaviors in the domestic cat. Journal of Applied Animal Welfare Science. 2016.International Cat Care. 猫の行動や福祉に関する資料
毛色ごとによく言われる性格の傾向(科学的根拠はありません)
猫の毛色と性格の関係については、科学的な因果関係は確認されていません。しかし、飼い主の経験やアンケート調査などから、「このような性格の傾向がある」と語られることがあります。
これらは個体差や飼育環境などの影響も大きく受けるため、すべての猫に当てはまるものではありません。
黒猫
黒猫は「おとなしい」「人に懐きやすい」といった印象で語られることがあります。
一方で、警戒心の強い個体もおり、性格には大きな個体差があります。
現時点では、黒い毛色と性格に関係があることを示す科学的な証拠は確認されていません。
白猫
白猫は、「繊細」「警戒心が強い」といったイメージで語られることがあります。
また、青い目を持つ白猫の一部では、先天性難聴がみられることがあり、この特徴が性格のイメージと結びつけられることがありますが、この性格に直接的な関係があることは確認されていません。
現時点では、白い毛色と性格に直接的な関係があることは確認されていません。
茶トラ(オレンジタビー)
茶トラは「人懐っこい」「甘えん坊」「活発」といったイメージで語られることがあります。
また、茶トラには「オスが多い」ことが知られています。これは、オレンジ色の遺伝子がX染色体上に存在するためです。一方で、現在の研究では茶色という毛色そのものが性格を決めるという科学的根拠は現時点では確認されていません。
参考文献(この項目の根拠)Localizing the X-linked orange colour phenotype using feline resource families
「茶トラはオスが多い」という点では、猫の毛色の遺伝子学で広く認められている事実です。一方、「人懐っこい」「甘えん坊」といった性格は一般的なイメージとして語られることはありますが、毛色との直接的な関係を示す十分な科学的根拠は現時点では確認されていません。
