餃子、チャーハン、麻婆豆腐、春巻き、チンジャオロース、エビチリ...これらの中華料理を食べたことのない人はいないと思う。
家庭料理からコンビニ、飲食店など様々なところに中華料理はある。時には某キャラクターのコラボカフェとタッグを組んでいることもある。
先日そのコラボカフェ「ちいかわ飯店」に行ってきて、「肉まんになったちいかわ」を食べたりなどした。店内は特別仕様になっており、中国の縁起物の赤い飾りつけ、民族衣装を着たちいかわたちがお出迎えをして、独特の華やかさを醸し出していた。
しかし、なぜこんなにも中華料理は日本人の生活になじみ深いのだろうか。
理由のいくつかの一つとして「食にこだわる民族同士波長が合った」からなのではと思う。
ではどれだけ中国人は食にこだわるのかと言うと、命がけでふぐを食べようとした日本をはるかにしのぐこだわりを見せている。それはコミュニケーションの中に現れている。
元気?=ご飯食べた?
なんと人に会うと「元気?」というニュアンスで「もうご飯は食べましたか?」と挨拶するのだ。その辺の掃除のおばちゃんやらお店の人にも、ニーハオよりよく言うようだ。昔々、貧しい時代が長く続いた時の人々の会話のきっかけに、よく用いられるようになったのが始まりらしい。食べることは命に直結する大変な時代の名残のようだ。
そういえばコロナウイルスにより町が封鎖された時に、人々は「仕事にいけない」とか「外に出られない」事よりも「食べ物が足りない」事を前面に出して当局の人に詰め寄っていたのをニュースで見たことがある。中国の人にとって、食は命に等しいのだ。
食事は命
また、日本人は朝は忙しいので朝食を抜きにする人が多いのに対して、「早饭吃好,午饭吃饱,晚饭吃少」(朝食はちゃんと食べ、昼食は腹いっぱい食べ、夕食は少なめに食べる)をモットーに学生でも社会人でも朝食をしっかり食べる様が目撃されている。また、作り手も朝食を気合を込めて作っており、朝ごはんによく食べられている中華粥は数時間煮込んで作られていたりする。朝食作りに数時間もかける民族はなかなかいないのではないだろうか。(もちろん時短料理もあるだろう)
そんな中国の食へのこだわりは、広い国土の中で地域ごとにたくさんの料理を派生させ、長い歴史の中で食養(食事療法とも言われ、医食同源の原理を基礎にし、食べ物の性質と薬 用価値を利用し、病を防ぐ、治すという効果を目指すことである)という言葉を生みだした。加えて漢方と食材を一緒に煮る「薬膳料理」を開発し、皇帝が治めていた時代には「食医」という食事で病気の予防と治療を行う医師まで存在したほど尋常ではないのである。
尋常ではないこだわりは食事とともに提供されるお茶にも存在する。茶葉の発酵の度合いによって、産地によって「黄茶・緑茶・黒茶・白茶・紅茶・青茶」等を、漢方と一緒に飲んだりするのだ。(店舗にもよるが、バーミヤンではドリンクバーでいくつか中国茶を楽しむことができる)
また、小籠包や肉まん等の「点心」(実はお粥、拉麺も該当する)は専門の「点心師」という料理人を設けて作らせる事もしている。
ちいかわ飯in店横浜中華街、いいと思います
あまりにもこだわりが強すぎて、筆者は書いていて胃もたれしそうになっている。なるほどこんなに食に対して熱い国が隣にあるのなら、影響を強く受けてよく食べる物の一つになるのも仕方なかろうと思う。
願わくば本場の中華料理を食べに、横浜中華街にでも行ってみたいものである。