・古楽器とは?
古楽器とは、読んで字の如く、その使用が現代に至る演奏史上で廃れた楽器
あるいは改良や変更を受ける以前の古い様式の楽器を指します。
古い時代に活躍した楽器という事ですね。
有名な古楽器には、チャンバロやリュートがあります。
今回はヴァイオリンのようでヴァイオリンとは異なる、ヴィオラ・ダ・ガンバをご紹介します。
・19世紀の古楽復興運動
時代とともに楽器の性能が高くなっていくとともにルネサンスやバロックのような古い時代の音楽は実際当時はどんな響きをしていたのか、再現するのが難しくなりました。時代の音楽を再現するため、当時の楽器や奏法を再現して演奏し、作曲家が求めた音楽を蘇らせる活動が起こりました。
それが19世紀に起こった古楽復興運動で、様々な古楽器が再注目されることになりましたが、その中の1つがヴィオラ・ダ・ガンバです。
・どんな楽器?
まずは、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏の動画を見てみましょう。
こちらの動画は、ヴィオラ・ダ・ガンバの四重奏です。
いろいろなサイズのヴィオラ・ダ・ガンバがありますが、全てのサイズでチェロのように脚で支えて縦に持って弾くのが特徴です。
「ヴィオラ・ダ・ガンバ」という名前は「脚のヴィオラ」の意味で、楽器を脚で支えることに由来するんだそうです。
これに対して「ヴィオラ・ダ・ブラッチョ(=腕のヴィオラ)」と呼ばれたのが、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどのヴァイオリン属です。
ヴァイオリン属と外観が似ている為、しばしばヴァイオリンの仲間だと誤解されがちですが、異なる系統です。
動画のように、さまざまなサイズがありますが、小さなものから、パルドゥシュ(ハイ・トレブル)、トレブル、アルト、スモール・テナー、テナー、バス、グレート・バスがあり、小さい方が音域が高くなります。
16世紀頃には宮廷でかなり愛好されていたらしく、当時は、ヴィオラ・ダ・ガンバは上流階級の娯楽として、ヴァイオリンは下層階級が生活の手段に用いるものとして認識されていたようです。
そう言われてみると、なんだか優雅な響きのような気がしてきますね。
また、コントラバスはヴァイオリンの仲間のようなイメージでしたが、実は現代のオーケストラでも用いられているヴィオラ・ダ・ガンバ属の唯一の楽器だという事です。
・まとめ
古い時代の音楽には、その当時の楽器でしか表現できない特徴があるようです。
現代楽器での演奏もそれはそれで魅力があるようにも思うので、バッハの曲を古楽器と現代楽器の演奏で聴き比べてみるのも面白そうだと思いました。
最後に、
チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバで演奏されたバッハの曲をご紹介して今回は終わりにしたいと思います。