今回は、現代様々な音楽で使われているピアノやヴァイオリンの起源が、実は中東にあったというお話をしようと思います。
・ピアノの起源は「サントゥール」
まず、ピアノの起源はサントゥールという楽器です。
サントゥールとは・・・
「イランの打弦楽器で、クルミ製の台形の箱に多数の金属製の弦が張られ、メズラブと呼ばれる、クワやくるみの木を細く削って作った軽量な木製の棒状の撥で叩いて演奏する。メズラブは人差し指と中指の間で保持する。典型的なサントゥールは、3オクターブの範囲の音域があり、2組のブリッジを持つ。低音弦は真鍮、高音弦は鋼鉄が用いられる。」
wikipedia参照
名前はペルシャ語で百本の弦を意味する。アラム語のプサントゥリアやアッガト語のパントゥールが語源という説もあり、北インドやイラク、トルコにも伝わっているものは、以前ご紹介したカーヌーンです。他にもギリシャやハンガリー、ドイツ、スイス、イギリス、アメリカ、中国やモンゴルにも呼び名は違いますが同じような楽器があります。
中でも、イギリスやアメリカで使われている
ダルシマーと呼ばれる楽器は、11世紀頃、サントゥールがヨーロッパに伝わり作られたと言われています。
そのダルシマーが、14世紀頃作り替えられてクラヴィコードが生まれます。そして、クラヴィコードがハープシコード、ピアノという風に発展していきました。
ここで、サントゥールの演奏を聴いてみましょう。
プーリー・アナビアン「悠久のペルシャ 音と錦、雅なるサントゥール」
弦を撥のようなもので叩いているのがおわかりいただけたと思います。
ちなみにピアノの中身では、弦をハンマーが叩いています。
・ヴァイオリンの起源はラバーブ
さて、次にヴァイオリンの起源となったラバーブという楽器をご紹介します。
ラバーブとは・・・
「(アラビア語でラバーブまたは ラバーバ、トルコ語で rebap レバプ、インドネシア語でrebab ルバブ)は撥弦楽器のひとつ。
イスラム教の普及とともに西アジア、北アフリカ、ヨーロッパ、東アジアへと広がっていった。現在でもモロッコ、インドネシアなど各地で広く演奏されているが、地域によって大きく形が異なる。
弓で演奏される。
中世ヨーロッパのレベックのもとになったと考えられている。
なお、アフガニスタンでラバーブと呼ばれる楽器は、多数の共鳴弦を持つ撥弦楽器で、弓は用いない。」
Wikipedia参照。
上記にもある通り、ラバーブはやがて中世ヨーロッパでレベックとなり、レベックの中で、立てて弾くものと抱えて弾くものに別れ、立てて弾くものは、以前ご紹介したヴィオラ・ダ・ガンバに、抱えて弾くものはヴァイオリン属になったようです。
ここで、ラバーブの演奏を聴いてみましょう。
【まとめ】
いかがでしたか?
現在、私たちになじみのある楽器が中東の楽器が起源だったとは驚きですね。
西アジアの地域は音楽の発展がヨーロッパよりもずっと早かったんだそうです。
それについても今後記事にしていければと思っています。
では、最後に今回ご紹介した、ピアノとヴァイオリンのデュオをご紹介して終わりにしたいと思います。