今回は有名なクラシックの曲、トルコ行進曲をご紹介します。
・トルコの軍団の音楽
軍隊では、信号ラッパと言われる「前へ進め」や「撃ち方やめ」などの号令の代わりにラッパが使われることがあります。
特にトルコでは様々な民族が暮らしていたため、様々な言語が使われていました。そこでトルコの軍団では言葉の通じないもの同士を統制するために、ラッパや打楽器などが用いられ、それが発展して軍楽となりました。
トルコの軍団の音楽を聴いてみましょう。
【和訳付】ジェッディン・デデン/Ceddin Deden【トルコ軍歌】〈Remake〉
トルコでは、新しい土地を占領すると、そこで得た奴隷を軍隊に編入し、彼らを統率するために報酬を与えたり、さまざまな規則や法律が整えられて、非常に近代的な組織を誇っていました。その組織化の一手段が軍隊であり、トルコが中央アジアを席巻し、西アジアまで勢力を拡げた一つの原因が軍楽隊であるとまで考えらているそうです。のちに他の民族もこれを取り入れるようになり、トルコの軍楽は西洋の軍楽隊やブラス・バンドの基礎となりました。18世紀のモーツァルトやベートーヴェンの時代には、ヨーロッパで流行しました。
・有名なトルコ行進曲
ヨーロッパで流行した、トルコの軍楽は、ベートーヴェンやモーツァルトの作曲で有名なトルコ行進曲の原型です。
まず、ベートーヴェンのトルコ行進曲を聴いてみましょう。
【トルコ行進曲/ベートーヴェン アントン・ルービンシュタイン編曲 ピアノ】Beethoven: Turkish March Arranged by Rubinstein
左手で奏でられているベースと和音のリズムがトルコ軍楽のものと似ていますね!
次に、モーツァルトのトルコ行進曲です。
とても有名で誰もが耳にしたことがあると思いますが、
今回はトルコの軍楽隊の演奏のものを聴いてみて下さい。
ズルナなど、トルコの民族楽器が使われていることもあって、ピアノで奏でられるよりも、トルコっぽさが分かりやすいかと思います。
・まとめ
今回はトルコの音楽の影響でできたヨーロッパの音楽をご紹介しました。
トルコの音楽がヨーロッパで流行しただけでなく、逆に西洋の軍楽から影響を受けて発展した部分もあるようで、相互に影響を与えあっていたということだったようです。
トルコの音楽は、他の国と同様に、軍楽以外にも一般大衆のなかで親しまれた民族音楽や音楽の専門の勉強をした人が演奏や作曲をする芸術音楽があり、それぞれに独特で個性のあるものとなっているようです。
それについて詳しくは今後の記事にさせていただきたいと思います。