成人式(せいじんしき)とは、年度内に成人となる人々を学齢ごとに日本の各地方自治体が主に1月第2月曜日(成人の日)に激励・祝福する行事である。講演会を開いたり、記念品を贈ったりする。しかし、日本国政府の主催ではなく各地方自治体が自主的に行っているため、学齢方式(満年齢)はどこも同じだが成人の日以外に主催する自治体も存在する。
成人の日(せいじんのひ)は、日本の国民の祝日の一つである。ハッピーマンデー制度により、1月の第2月曜日があてられている。なお、1999年(平成11年)までは1月15日だった。
2022年(令和4年)4月1日に民法改正により成年(成人年齢)が20歳から18歳に引き下げられたが、18歳は概ね高校在学中で受験や就職活動があるなどの事情で、当該年度に20歳になった人を招待する等、従来の形式のままで行うと八王子市などは回答している。成人年齢を18歳に引き下げて参加者の年齢の乖離(かいり)にそなえ名称を変更する自治体の動きも出ている。
本節ではこのほか、成人式に類似したイベントについても取り上げる。
意義
成人の日は、国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)第2条によれば「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを趣旨としている。この日には、各市町村で新成人を招いて成人式が行われる。(ただし、豪雪の影響や帰省しやすい時期等を考慮して大型連休中やお盆に行われる地方も多い)
由来
成人を祝う儀礼は古くからあり、男子には元服(げんぶく、げんぷく)・褌祝(ふんどしいわい、へこいわい)、女子には裳着(もぎ)・結髪などがあった。文化人類学や民俗学では、人間が出生してから成人し、結婚などを経て死に至るまでの成長過程で、次なる段階の期間に新しい意味を付与する儀礼の一つとして扱われていて、こうしたものを通過儀礼(イニシエーション、つうかぎれい、rite of passage)と云い伝えられている。
日本における今日の形態の成人式は、第二次世界大戦の敗戦間もない1946年(昭和21年)11月22日、敗戦により虚脱の状態にあった当時、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますため、当時の埼玉県北足立郡蕨町(現:蕨市(わらびし))青年団長高橋庄次郎(のち蕨市長)が主唱者となり青年祭を企画、会場となった蕨第一国民学校(現:蕨市立蕨北小学校)の校庭にテントを張り、青年祭のプログラム「成年式」として行われた。この蕨町の「青年祭」である「成年式」に影響を受けた日本国政府は、2年後の1948年(昭和23年)に公布・施行された祝日法により、「おとなになったことを自覚し、みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」の趣旨のもと、翌1949年(昭和24年)から、1月15日を成人の日に指定した。それ以降、全国に広まり現在の成人式となり、ほとんどの地方で成人式はこの日に行われるようになった。その後、1998年(平成10年)の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)に伴って、2000年(平成12年)より、成人の日は1月第2月曜日へ移動している。
当時の埼玉県北足立郡蕨町(現:蕨市(わらびし))において実施された「青年祭」がルーツとなっているのが定説であるが、2018年近くの調査によって名古屋市、また宮崎県東臼杵郡諸塚村(ひがしうすきぐんもろつかそん)も発祥の地を名乗っている。
歴史
1999年まで
1948年公布・施行の祝日法によって制定された。制定から1999年までは毎年1月15日だった。成人の日を1月15日としたのは、この日が小正月であり、かつて元服の儀が小正月に行われていたことによるといわれている。
1月15日が成人の日として固定されていた時代、1983・84年には共通一次試験が、1994・95年にはセンター試験がそれぞれ行われた。
かつてラグビー日本選手権は1月15日に開催されたため、成人を迎える選手が出場していた事例もある。
2000年から
ハッピーマンデー制度導入に伴い、2000年から1月第2月曜日、つまり、その年の1月8日から14日までのうち月曜日に該当する日に変更された。本来の「15日のある週でない」のは、17日が1995年に阪神・淡路大震災の起きた日、つまり防災とボランティアの日のため。
1月1日(元日)が第1月曜日の場合、1月8日が第2月曜日の成人の日となる。さらに1月8日が第2月曜日となる年には、企業によっては年末年始休暇を1月8日まで延長するケースもある。
地方などでは、帰郷する新成人が参加しやすいよう、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始・成人の日の前々日となる土曜日か前日となる日曜日(土曜日は1月6日 – 1月12日、日曜日は1月7日 – 1月13日の間のいずれか)に成人式を開催する自治体も多い。
1999年までは、1日のみの休みで交通事情等の理由から、故郷での成人式への出席が困難な成人も多かったが、週休二日制の定着や祝日法の改正に伴い、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始に成人式を開催していた自治体も、1月の成人の日(またはその前々日か前日)の開催に戻したところもある。一方、多くが都市部に就職・進学するなどしており、当日参加できる対象者が少ないため、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始に開催する自治体が、郡部を中心に依然として多い。
2023年から
2022年4月1日から成人対象者が18歳に変更されたが、高校3年生中心で、就職・進学・部活動で忙しく、参加が難しい対象者が多いことから、同年3月31日以前の成人対象者だった20歳を維持、「20歳の集い」として開催する自治体が殆どである。
参加者
日本語を話す人
成人式の参加対象となる成人は、本来は年齢方式の、前年の「成人の日」の翌日からその年の「成人の日」までに誕生日を迎える人を祝う日とされている。しかし、誕生日の遅い早生まれの人が他の参加者がほとんど見ず知らずの人になってしまったり、ハッピーマンデー制度により、その年の成人の日は19歳で翌年の成人の日は21歳になるケースがあることにより、最近(特にハッピーマンデー制度導入以降)は前年の4月からその年の3月に成人する人を式典参加の対象にする、いわゆる学齢方式に変更された経緯があり、学齢方式が定着するようになっている。
年齢方式の場合、誕生日の遅い早生まれの人が他の参加者がほとんど見ず知らずの人になってしまったり、ハッピーマンデー制度によりその年の成人の日は19歳で翌年の成人の日は21歳になるケースがあることにより学齢方式に変更された経緯がある。
他に北海道札幌市と広島県広島市では、この1年間に20歳の誕生日を迎える人を成人式参加の対象者とする暦年方式が用いられていた。しかし、大学受験で1浪しただけで式典参加が困難になる場合が多いうえ、前年に他市町村で成人式の対象とならなかった人が翌年、進学や転勤で転入した場合、2年続けて参加できなくなるなど若者の不評が多かったことから、両市とも2000年以降は学齢方式に変更されている。
1960年代までは、新成人は半数以上が既に社会に出ている勤労青少年だったが、1970年代以降、大学・専門学校進学者(率)の増加や中卒・高卒就職者の減少から、新成人全体に占める在学者の割合も年々増加しており、現在に至っている。
総務省統計局(2019年12月31日)は、2020年1月における新成人の人口を122万人と推計。総人口に占める割合は10年連続で1%を下回った。
外国出身者への対応
技能実習生や留学生などの外国出身者の参加も増加している。2020年、宮城県塩竈市(しおがまし)では、インドネシア語、ベトナム語、英語、やさしい日本語の招待状を送った。2019年度の外国出身の参加者は全体の約6%で30人だった。
成人年齢引き下げに伴う動き
2022年に民法改正により成年(成人年齢)が18歳に引き下げられたが、18歳は概ね高校在学中で受験や就職活動があるなどの事情で、当該年度に20歳になった人を招待する等、従来の形式のままで行うと八王子市などは回答している。成人年齢と参加者の年齢の乖離(かいり)にそなえ名称を変更する動きも出ている。
伊賀市は18歳による式に変更する方針であり、2023年には従来の形式では最後となる式を1月に、19歳を迎える学年の式を3月に開催し、2023年5月4日に年度を跨いで全員が18歳を迎えた学年の式を開く方針となっている。
また、成年であるか否か、成人式に参加するか否かにかかわらず、20歳未満の飲酒・喫煙は法律で禁止されている。
開催日
成人式の式典は、成人の日、またはその前日(常に日曜日になる)に開かれることが多いが、必ずしもそうでない地域もある。
成人の日以外での式典開催は、特に豪雪地では、1月よりも温暖であり(雪で晴れ着が汚れる問題もある)、また就職や進学で地元を離れる人が多い地域においては、実家に帰省する人が多いその年の5月のゴールデンウィークや8月のお盆に実施する方が、参加しやすいためゴールデンウィークやお盆(旧盆)、あるいは正月三が日から松の内に行う市区町村も多い。
例えば2017年度の新潟県においては、本来の成人の日である1月8日に実施する事例は全くなく、前日の1月7日が2市(2会場)のみで、残りは3・4月のいずれかや5月(新潟県長岡市の5地域)や8月(新潟県長岡市の残りの6地域、和歌山県東牟婁郡太地町(ひがしむろぐんたいじちょう)、石川県河北郡津幡町(かほくぐんつばたまち))に変更して行われている自治体もある。。
1988年度は昭和天皇の崩御(ほうぎょ)直後だったことによる自粛(じしゅく)により、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響の為、それぞれ式を中止したり、延期(再延期含む)する自治体があった。静岡県焼津市(やいづし)のように、2020年度は開催方式を変更した上で、予定通り実施する自治体もあった。
開催場所
たいていの場合、その市区町村内で多くの参加者を収容できる多目的ホールや大型体育館が使用される。政令指定都市や中核市のような大規模な市の場合は、全市まとめて1つの会場で行う市、行政区またはそれに準ずる地域毎に会場を設ける市、さらに細分化した地区毎に会場を設ける市と様々である。また、平成の大合併などによって面積が拡大した自治体も、合併前の自治体単位など参加しやすい区域毎に会場を設ける場合がある。
特徴的な開催場所としては地元のテーマパークで開催する自治体もある。例として1998年から2013年までの福岡県北九州市におけるスペースワールド(2018年1月1日午前2時で閉園)での成人式や、2002年以降続けられている千葉県浦安市での東京ディズニーリゾートでの成人式、愛知県安城市(あんじょうし)のデンパークでの成人式などがある。
千葉県成田市では、例年成人式を開催していた会場施設が改修工事を行ったため、2015年1月は成田国際空港第2ターミナルビル前の屋外スペースで開催した。それ以降、2018年現在も続けられている。
名古屋市16区のうち、東区・中区・昭和区・熱田区を除く12区では、小学校の学区毎に、主に学校施設を使用して成人式を行っている。2018年開催の市内の成人式会場は、174会場にものぼる。
なお、成人式の参加に事前の申し込みが必要な自治体もある。また、会費制としているところもある(例えば、愛知県犬山市)。
問題
趣旨再定義の立ち遅れ
上記の調査においては、高校生・未成年層では成人式に「参加したい」という回答が82.7%、「参加したくない」が17.2%となった。高校生・未成年層の回答において「参加しない理由」は「内容に興味がないから」が36.8%で最も多くなっている。歌手などによるコンサートなどのアトラクションについては、高校生・未成年・新成人において「必要である」とした回答が50%を超えた一方、市長や政治家の来賓等の紹介については、「必要ない」という回答が全ての世代で半数を超え、横浜市の提言書では「式典全体を話などが、むだが多くて長く、内容を乏しくする一因となっている」と評している。
2004年3月に横浜市教育委員会が行った市民意識調査によると、元来の趣旨である「新成人が、大人になったことを自覚するための行事」がほとんどの世代で最も多いものの、参加対象層である未成年、新成人、20代においては「友達同士が再会する『同窓会』のような行事」が約2割から3割に及んでいる。ほかに、20代以下の女性においては「スーツや晴れ着を着て、新成人が一堂に会する行事」が2割台に及んでおり、開催側のイベントの趣旨設定が、参加対象者層のイベントへの期待と乖離しつつあることがうかがえる。
出席率の低下
もともと成人式は、法律の趣旨にもあるように、一定の年齢に達した青年を行政などが祝福・激励し、これに対して参加者が、責任ある自立した社会人としてより良い社会の創造に貢献していくことを決意し、それを広く社会に啓蒙するためのものだった。
しかし、1970年代に入ると受験戦争の激化による浪人が増え、加えて大学入試センター試験(旧大学共通第1次学力試験)と日時が重なって出席しなかった新成人も多く見られた。横浜市教委の市民意識調査では新成人では成人式に「参加した」という回答は74.6%、「参加しなかった」は25.4%で、20代では「参加した」が 69.9%、「参加しなかった」は30.1%となっている。新成人・20代の回答では参加した理由としては「一生に一度のことなので、とりあえず参加した」が45%前後で最も多く、参加しなかった理由としては「仕事や勉強などで時間がなかったから」が新成人18.8%、20代28.2%で最も多かった。
最近では自治体が工夫し、出席率が上昇しているところもある。
都市部と郡部
都市化の進展で、郡部の成人式出席該当者が減少し、一方で都市部の該当者が顕著に増加した。
郡部では、高校卒業後に大学進学や就職などで都市部に出て行ってしまう者が多く、大学生は冬休みが終わっていたり、社会人も既に正月三が日に休みをとっていて1月15日の成人式のためだけに帰省するのは困難な状況であった。そのため、郡部ではお盆期間に成人式をする自治体が増加した。また、成人式の案内状は住民票などを基に送られる事も多く、故郷の成人式の案内状が来ないこともある。現住所と異なる市町村の成人式に出席したい場合は、自ら希望する市町村に申し出る必要がある。成人の日が第2月曜に移行した2000年ごろから地方部(中核市以下の市)ではその前日に行うケースも少なくない。またこの時期でも帰省が困難または帰省ができても物理的な負担が大きいなどとされお盆と異なり季節が同じに正月に行う例もある。
モラルの低下
箱物行政と言われながら公共事業の予算が増加し続けた1990年後半までに、成人式の式典が充分開催できる施設が都市部でも拡充した。しかし、第二次ベビーブーム世代が成人式を迎えた1990年代前半が過ぎると、少子化の影響で成人となる者の数が減少の一途となっていった。
1990年代末ともなると、都市部では式典会場の空席の増加により、式典会場の空席が目立つようになった。また、従来会場内に入らなかったような層が会場内に入れるようになり、それまで会場外で行われていて問題とはならなかったようなことが顕在化してきた。例えば、私語が収まらない、会場内で携帯電話を使う、そして一部では、数人の新成人グループが会場で暴れ回って式を妨害するケースなども見受けられる。
さらに、式に出席する若者が、外面的には着物で豪華に着飾っていても、会場では久し振りに会った友人との談笑などに熱中する余り、主催する自治体首長などの式辞・講演に関心を示さず式典が騒がしくなって私語が収まらない、会場内で携帯電話を使う、そして一部では、数人の新成人グループが会場で暴れ回って式を妨害するケースなども見受けられる。その結果、本来一人前の大人としての決意をすべき場である成人式が、かえって若者のモラル低下を露見させる場となっている、このような現象のことを成人式での七五三現象と言う。
21世紀に入っても、各地でこれまでに様々な問題が起きている。例えば、公務執行妨害を理由とした事件を中心に逮捕者が出るほどの騒ぎに発展した市町村もある(例、2001年における高松市)。また、成人の日が1月第2月曜日に移った2000年以降は、学齢方式を成人の対象とする自治体がほとんどになったことから、成人式が事実上中学や高校の同窓会的な意味合いで捉えられるようになってきた。
成人式ビジネス
成人式では単価の高い和服・呉服(特に女性の振袖)を着用する新成人が多いため、和装業界にとって最大の稼ぎ時と見られている。近年、日本人の和服離れが進み呉服店が減少の一途を辿る中で、若者に着物の良さをアピールする数少ない機会となっている。近年では男性が紋付袴などの着物で参加する姿も目立つ。和服は高価であるため、レンタルや母親からのお下がりで済ませる人も多い。
また、新成人の着付け・化粧・ヘアメイクなどをする美容業界にとっても、成人式の日は稼ぎ時である。その他、成人式前には、本格的に化粧を始める新成人に対してメイク講習会を行ったりして、自社の化粧品の売り込みを行う化粧品業界の動きがあり、また、式当日に着付けが終わった新成人が記念写真を撮る写真館でも宣伝に力を入れたりと、関連ビジネスの新成人に対する顧客獲得競争は熱を帯びているが・・・・・・。
横浜市などで振袖販売などを手掛ける企業「はれのひ」が突然事業を停止したのが2018年1月8日の成人の日であったため、同社から購入またはレンタルで着付けを予約していた新成人らが晴れ着を着ることができず、式への参加をとりやめる者が出るなどの事態が発生して社会問題に発展してニュースをにぎわせていた。同社には2年先の成人式に向けて予約金を払った客もおり、これについて和服業界の関係者は「少子化を背景に業者が顧客を先食いしている」と指摘している。
振袖は現在、女性にとって「成人式の制服」のような伝統となっているが、これは「作られた幻想」であり、着物プロデューサーの石崎功氏によると、第二次世界大戦中に贅沢品(ぜいたくひん)が禁じられ、壊滅状態になった着物業界が、昭和30年代(1950年代後半~1960年代前半)に復興策として成人式に着目し、上述の「元服」をヒントに、未婚女性の礼装である振袖を成人式に着てもらおうと、当時の百貨店が中心に動いたことがきっかけだという。現在では約2800億円とみられる和装市場のうち、成人式の振袖関連が700億円程度と重きをなしている。成人式の風習が広がり始めた当初から「女性は振袖」が定着していた訳ではなく、上述の「青年祭」の参加者の服装は、蕨市によると「男性は国民服、女性はもんぺ」だった。
一方で、派手な衣装を着用する新成人が多いことで知られる北九州市の成人式において、衣装を注文した新成人らが、「衣装代は支払わなくて良い」との誤った噂を信じ、衣装代を踏み倒すケースが見受けられるようになっており、貸衣装店側が新成人らに相次いで訴訟を起こしている。
さまざまな成人式
知的障碍者グループホーム
知的障害者更生施設など、全寮制の施設においても入所者の成人式を行っている。
社内成人式
毎年、高等学校卒業者を多く採用する産業で、祝祭日が書き入れ時となる百貨店、スーパー、外食産業などの小売業や鉄道・軌道、観光バスおよび船舶などの運輸業、鉄鋼、化学、繊維、製紙、自動車などの製造業、電力・都市ガスなどでは、事業の性格上交代勤務やシフト勤務が多く、それ故に市町村が行う成人式に参加できない人も多くいる。そのため、これらの業種では社内(職場内)で独自に成人式、いわゆる「社内成人式」を実施する企業もある。これは、成人を祝うと同時に社員意識を向上させるという意味合いがある。代表的なものに、はとバスや名鉄グループ、富士急行などがある。しかし、1990年代以降は不況や大学進学者の増加などで高等学校卒業者を採用しない企業が増えたため、20歳を迎える従業員も減少し、さらに就職氷河期も重なり、加えてリストラや経費削減も追い打ちをかけて、社内成人式を取り止めた企業も多い。逆に、トヨタ自動車のお膝元である豊田市(ほとんどの会場)や、愛知県内のその周辺の一部の市町村では、同社の業務日程(トヨタカレンダー)に合わせて成人式の開催日をずらしている。
自衛隊成人式
自衛隊や海上保安大学校では基本的に全寮制で、勤務日程が故郷の成人式と重なって出席できない者もおり、各地の駐屯地や基地、海上保安大学校や防衛大学校などの教育施設において、個別に成人式を行っている。陸上自衛隊ではパーキングブレーキを解いたFH70(松山駐屯地)や戦車と綱引きをする(北恵庭駐屯地)など、駐屯地や部隊ごとに特色がある。海上自衛隊の隊員の中でしらせに乗船中だった場合は、南極で成人式を行うこともある。
芸能界
芸能人も上記職業同様祝祭日が書き入れ時となる場合も多いため、芸能事務所単位で成人式を実施する例もある。例としては以下があげられる。
- ジャニーズ事務所(※)では、先輩タレントが立会人を務める中で新成人のメンバーたち(特にジャニーズJr.など)が明治神宮へ参拝する、いわゆる「ジャニーズ成人式」が恒例だった。しかし、2006年以降では2008年に簡易な成人式を実施したのと、2023年に行われた程度に留まっている。
※2023年10月17日に株式会社SMILE-UP.(スマイルアップ)へと社名を変更した。同日に新たなエージェント会社STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)を設立し、所属タレントのマネジメント業務についてはSTARTO ENTERTAINMENTに順次移管する予定である。SMILE-UP.は創業者であるジャニー喜多川による性加害問題にかかる補償業務に専念し、補償後に廃業する予定。 - 特異な例としては、AKB48では2020年まで姉妹グループと合同で同様の成人式を開催していた。
各地の成人式
沖縄県石垣島の石垣市白保では、「成人者が公民館に村人を集め、成人した事の喜びと村への感謝を踊りで表現する」といった行事が伝統的に行われている。
熊本県阿蘇市では、2007年以降(開催が中止された2021年を除き)、佐藤義興(さとう よしおき)市長がアカペラで歌謡曲を歌うのが恒例になっている。
成人式に類似するもの
近年では、新成人以外で一定年齢を迎えた者に対してイベントを開催する例も増えている。
20歳未満を対象にしたもの
最近では、学校行事や総合的な学習の時間(総合学習)などで、20歳の半分の年齢である10歳(小学校4年生の時にほとんどの人は迎える)を対象に「1/2成人式」(にぶんのいちせいじんしき)、「十歳式」(じっさいしき)を開く小学校が全国的に増えている。「2分の1成人式」も参照
また一部の中学校は中学2年または3年になると学校行事として「立志式」(りっししき)、「立春式」(りっしゅんしき)、「少年式」(しょうねんしき)、「元服式」(げんぷくしき)を行うところがある。これは昔の成人式にあたる元服を迎える時期が現在の中学生の時期にあたるため、その風習を学ぶ意味合いも兼ねている。
20歳過ぎを対象にしたもの
被選挙権を得た25歳を祝う第二成人式(だいにせいじんしき)は、2010年(平成22年)1月11日の『成人の日』に、東京都中野区の中野サンプラザで開催された。
また、新たに30歳を迎える人への激励・祝福を行うイベントとして、2012年(平成24年)に、三十路式(みそじしき)が、神奈川県川崎市で、30歳の成人式が京都府与謝郡与謝野町で開かれた。地元を離れて疎遠になった同級生との絆の確認や、地域社会のつながりの強化を狙ったもので、三十路式は、神奈川県平塚市や北海道、大阪府、新潟市、如水会館(じょすいかいかん)、明治記念館など、30歳の成人式は北九州市、横浜市、福島県いわき市、福岡市、宮城県塩竈市、ホテルの宴会場などでも開催の動きが広がっている。
千葉県千葉市では、熊谷俊人(くまがいとしひと)市長(現:千葉県知事)と山里亮太(南海キャンディーズ・花見川区出身)が発起人となって、『40歳のW(20歳×2)成人式』が2018年から行われるようになった。
日本の皇族
皇族の成年式は、1909年の皇室成年式令(明治42年2月11日皇室令第4号)から皇族のうちの天皇、皇太子及び皇太孫、親王、王については成年式が行われるようになったが、1947年の皇室令及附属法令廃止の件によって廃止された為、1909年から1947年まで行われていた。
皇族成年式は天皇および皇族が成年に達したときに行われる儀式であった。
昭和22年法律第3号の皇室典範(こうしつてんぱん)は、日本国憲法第2条および第5条に基づき、天皇・皇位継承および摂政の設置、皇族の身分、天皇や皇族の陵や墓(皇室財産)、皇室会議など、皇室に関する事項を定めた日本の法律。
単に典範(てんぱん)とも呼ばれることもある皇室典範によれば、天皇、皇太子および皇太孫の成人年齢は、満18才、そのほかの皇族は満20才に達したときにおこなわれた。
天皇の場合、賢所の前で行われ(5条)、賢所、皇霊殿および神殿に奉告し、勅使に神宮、神武天皇山陵、先帝先后の山陵に奉幣させる(3条)。式がおわって皇霊殿および神殿に謁し、また太皇太后および皇太后に謁し、正殿に御して朝賀を受け、宮中で饗宴を賜う(5条以下)。
皇族の場合、賢所の前で行われ、おわって皇霊殿および神殿に謁し、天皇、皇后、太皇太后および皇太后に朝見する(9、11、12条)。
皇太子および皇太孫の場合、式日に賢所、皇霊殿および神殿に奉告し、式後、宮中で饗宴を賜う(10、12条)。
日本以外での事情
世界の成人式
その他の国では日本のように成人年齢に達した事を全国一斉に祝うような祭典を行う国はほとんどない。
中華人民共和国などでは、成人となった時期(18歳)のイベントを成人式として表現することもある。
アメリカやカナダでは、スウィート16パーティー (Sweet 16 party)(英語版)が誕生日に行われ、大人の仲間入りを祝う。主に中間層以上の女子が対象だが、近年は男子でも行う。州によっても異なるが、概ね16歳から自動車が運転できるようになる。
アメリカでは、家庭単位で15歳になるとナイフやライフルを親が子に贈って扱い方を教える。
成人となる年齢は各国で異なるが、成人年齢のデータがある187の国・地域のうち、141の国・地域で成人年齢が18歳(16歳・17歳も含む)である。
(※世界各国の成年になる年齢については「世界における成人年齢一覧」を参照)
部族等の成年式
- かつて欧州諸国が進出したガンビアやセネガルのマンディンゴ族(マンディンカ)には、カンクラングという成年の儀式が存在する。口承によればコモ(komo)と呼ばれる秘密結社の儀式でもある。
- ザンビアのルバレ族、チョクウェ族、ルチャジ族、ンブンダ族は、8〜12才の男児についてムカンダと呼ばれる成人式を行っている。
参考元
- フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
以上の記事を参考にして私なりにまとめてみました。
Kの感想
成年であるか否か、成人式に参加するか否かにかかわらず、20歳未満の飲酒・喫煙は法律で禁止されている。
これは、法律で決めれていることなので守るべきものでだと思います。
新成人が羽目を外しすぎて、事件や事故などの犯罪を起こすのもどうなのかなと思います。
外国出身者への対応
技能実習生や留学生などの外国出身者の参加も増加している。2020年、宮城県塩竈市(しおがまし)では、インドネシア語、ベトナム語、英語、やさしい日本語の招待状を送った。2019年度の外国出身の参加者は全体の約6%で30人だった。
だが、外国出身者のために、多言語対応は日本全国で必要性を増してくると思います。
成人式の開催日
成人の日以外での式典開催は、成人の日、またはその前日(常に日曜日になる)に開かれることが多いが、必ずしもそうでない地域もあり、1988年度は昭和天皇の崩御(ほうぎょ)直後だったことによる自粛(じしゅく)により、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響の為、それぞれ式を中止したり、延期(再延期含む)する自治体があった。が、静岡県焼津市(やいづし)のように、2020年度は開催方式を変更した上で、予定通り実施する自治体もあっても良いと思うので、成人式の開催日はその土地の状況もあるので必ずしも成人の日に開催しなくてはいけないとはおもわない。
成人の日が1月第2月曜日に移った2000年以降の21世紀に入っても、まだ、各地でこれまでに様々な問題が起きている。また、学齢方式を成人の対象とする自治体がほとんどになったことから、成人式が事実上中学や高校の同窓会的な意味合いで捉えられるようになってきたのは、行政側が成人式の趣旨を広める努力をした方が問題を収束に向かうかもしれません。
成人式の開催場所
公的機関以外のテーマパークなどで開催される成人式が羨ましいと思っているK でございます。が、ほとんどの地域では公民館などの公的機関で開催されるのが恒例でほかのイベントと変わらずパーティ感は無いのではないのに、会場に入らない人で周辺は通行規制が掛かるぐらいお金だけでなく普通に通行している周りの人にも迷惑が掛かっている状況であるので参加者だけでなく成人式の会場周辺にいる友人たちと立ち話をしている新成人に大人になった自覚があるのかどうか怪しい状態ではあるが大人の仲間入りする人間のやることなのでしょうか?
もう少し新成人も大人になった自覚を持ってほしいと思います。
成人式ビジネス
「はれのひ」が事業停止を決めるのが成人の日にならなければもう少し影響は少なくできたのではないかなと思ってしまいます。そして、同社には2年先の成人式に向けて予約金を払った客もおり、これについて和服業界の関係者は「少子化を背景に業者が顧客を先食いしている」と指摘されることも無かったのではないでしょうか?一方で、これについて、他の和服業界の関係者が一人でも多くの新成人に参加してもらえるように頑張っていたがどれだけの新成人が救済されたのでしょうか?
今年は、それから5年以上経ったわけですが皆様はどのように思いますでしょうか?
派手な衣装を着用する新成人が多いことで知られる北九州市の成人式において、衣装を注文した新成人らが、「衣装代は支払わなくて良い」との誤った噂を信じ、衣装代を踏み倒すケースが見受けられるようになっており、貸衣装店側が新成人らに相次いで訴訟を起こしていたり、と問題も起きている。
こちらの方は、噂を信じすぎた新成人側の大人になると言う自覚がないことが問題だと思います。
女性に対してのビジネスは盛り上がるのに男性に対してのビジネスは盛り上がらないのはなんででしょうか?