ビルマの音楽は、大きく分けると
・「ビルマの竪琴」の名で知られるサウン、竹琴(竹の木琴)のバッタラー等を中心とした静かな室内用の編成
・サイン・ワインという太鼓を中心とした野外用のにぎやかな合奏形態の二種類に分類できます。
今回はサイン・ワインについてご紹介します。
【サイン・ワイン】
調律した太鼓のセットを中心にした合奏で、その太鼓はパット・ワインともいいます。装飾のついたサークルの内側の木の枠に、大きさの違う20個位の太鼓をつるして、それを素手で打つというものです。
ここで、サイン・ワインの演奏を聴いてみましょう。
皮の中心部にペーストを塗って、塗った量によって太鼓を調律していきます。合奏の中心であるサイン・ワインな奏者は全体の真ん中の前の方に位置が決まっているので、他の演奏者から良く見えるようになっています。パット・ワインの左側にある真鍮のゴング・サークルはチー・ワインと呼ばれ、その後ろの青銅のゴングを枠の中に収めたセットはマウン・サイン(マウン・ザインと発音されることもある)です。これらは、音の高さが定まっている楽器なので、毎回調律する必要はありません。
もし、楽器自体の音律に狂いが生じた場合には、叩いたり、蜜蝋を塗ったりして直します。
↑パット・ワイン
↑チー・ワイン
↑マウン・サイン
そのほかに用いられる楽器は、中型の太鼓のシードー、また、上から吊るされているゴングがマウン・サインで両方とも、音の補強だったり、大きな区切り時に活躍します。
また、象徴的に大きな意味を持つのが、空・地・水の動物を組み合わせた装飾された台から吊るされている大きな太鼓のパ・マです。
そして、絶えず音を出して、テンポを守るのが、ワーと呼ばれる拍子木(ウッド・ブロッグを竹の棒で打つもの)と小さな鈴(シー)または小さなシンバル(ヤグウェン)です。
これら楽器は長老が担当することも多いようです。また、楽器の演奏者は、互いに交代することを可能にするために、音楽学校の生徒時代から、全ての楽器を習わされています。
一方で、サイン・ワインにおける管楽器は2つあり、この2種の楽器は持ち替えが可能で、奏者は、小さいころから管楽器を専門に習うようです。
管楽器の一つ目はダブル・リードのネーで、大小さまざまな大きさのものがあるようです。楽器の先端には、金属製のメガフォンをぶら下げています。
そして、もう一つの管楽器は縦笛のパルウェで、材質は竹が多かったようですが、最近はプラスティックで作られているものも多いようです。
【まとめ】
とても煌びやかな装飾の楽器で、一目で圧倒されました。
ビルマ(ミャンマー)は東南アジアなので、日本からも比較的近く、以前ご紹介したトルコやペルシャの音楽よりも馴染みやすいと思いました。
現地の風土を感じながら、生で聴きたくなりました。
最後に、サイン・ワインの演奏をご紹介しておしまいにしたいと思います。