【小説】ミステリー・クローズド・サークル(高校入学)

あらすじ
テストで赤点を取ってしまった高城のどかはこの問題を解けないと帰らせて貰えなかった、既に外は暗くなって先生も職員室に残っているのかも怪しい…誰も見てない今のウチにこっそり帰ろうとしたその時、親友の典奈美ふうが
忘れ物を取りに戻って来た
絶好のチャンスを失ったのどかと教室に入り忘れ物を取りに来たふうはそこでこれからの自分達の運命を変えるモノを見てしまう
これから繰り返される惨劇をのどかは回避することができるのか?

(高校入学)第呉章 のどか編

誰も居ない教室は随分と静かだなぁ〜
高城のどか(たかじょうのどか)はそう思った。
夕日が差し込む窓からはホームルームが終わって数時間経ったからかもう生徒の声はもちろん教師の声すら聞こえない、ただあの黒い鳥の淋しげな声だけがコダマするように聞こえる。
ふっと思い出したかのようにもう一度プリントに目をやると「さぁ集中!集中!」と気合を入れ直す。
しかし何度も読み返したその問をもう一度繰り返した所で解るはずもなかった。
机には何枚ものプリントが重ねられており直ぐに終わる様な量ではない事を物語っていた。
のどかはテストで一人、赤点を取ってしまい放課後に残されていたのだ。
「あんなに勉強したのにどうして分からないんだろ」
のどかは勉強が嫌いではなかった、だから授業ではもちろんテストの前日もコツコツと予習、復習はかかさないいたって真面目な子だった。
でもいつも的がはずれていると言うか何と言うか、つまりはバカだった。…そう馬鹿。
しかし本人にして見ればバカの2文字で片付けられないのが現実で今日もそのせいで数時間もここに残されている訳で、どうしようもない気持ちが押寄せてくる。
そんなやりきれない中、頭に浮かぶのは今日の夕食の献立だった。

「あ!今日は駅前のスーパーキョクベニバナで野菜が半額セールをやってるんだった!」
空腹と同時にそんなことを思い出してしまった。こんなんでは余計に勉強どころではなくなっていた。
早く行かなくては夕方のスーパーは戦争だ!
丁度、誰も見ていない今が学校を抜け出すチャンスかも知れない。
のどかは勉強はもちろん運動も出来ないだからといってこれと言って取り柄がある訳でもない至ってノーマルな高校生で人並みに出来ると言えば料理ぐらいだった。
集中の切れたのどかはもう一度だけ読み返しそれでもダメだったら帰ることにしようと心に決め問題の問を読み直す。
その時、急に扉を開ける音が教室に響いた。
ガラガラガラ〜
ードサッ
・・・え?
ーーーキャーーーーーッ
目の前に広がる光景が今でも信じられないのは致し方ないことだと思う。
なんせあんな残酷なしかも死体なんて生まれてこのかた見たことが無かったのだから。
ー首はパックリ半分まで割れ切り込みの入ったソレからは今も赤い液体が流れ溢れ出ているー
ーしかも穴と言う穴からも液体は流れ出ているようで廊下を刻一刻と濡らしていくー
トクトクー
プクプクー口からは泡を吐き眼は充血していた、その男の子こそのどかの親友の圖久瑞絆(すくみず きずな)だった。

教室の扉の前に立っていたのは親友のふうだった。
典奈美ふう(のりなみ ふう)高校に入って最初に出来た友達が彼女だった。

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ななな。

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