NASAは首都ワシントンにあるNASA本部と、ジョンソン宇宙センター、ゴダート宇宙飛行センターなど全米各地に存在するセンターからなります。全体の定員は1万8千人程度、予算は200億ドル程度で、大統領直属の独立機関です。
アメリカとソ連の熾烈な宇宙開発競争のただ中で、ソ連が1957年「スプートニク1号」という世界初の人工衛星打ち上げに成功しました。それに危機感を感じたアメリカが既存の組織を発展させてNASAを組織したのはアイゼンハワー大統領の時でした。
NASAの設立は1958年10月1日です。宇宙開発に加えて、NASAが帯びている重要な任務は、宇宙空間の平和目的のための長期間の宇宙探査です。
現在までのNASAの功績としては、人類初の月面着陸、長期宇宙滞在、スペースシャトルの建造などを実現し、その後国際宇宙ステーションの運用支援、商業乗員輸送の開発に取り組んでいることです。
宇宙空間の平和利用が謳われるなか2024年、日米が提出した、宇宙空間に核兵器などの大量破壊兵器を配備しないように各国に求める決議案が否決されました。ロシアが拒否権を行使し中国は棄権しました。宇宙開発が国際政治の駆け引きに利用されているのです。
今後、2024年に女性初の宇宙飛行士が月面に着陸することで、NASA誕生60周年を祝う予定です。さらに月の有人探査からの火星有人飛行を達成する事が中長期的な目標です。宇宙開発は現在、イーロンマスク氏のスペースXなど民間企業も巻き込み、中国との競争もあり注目を浴びている分野になっています。
人類の環境破壊、地球の温暖化、資源の枯渇などで宇宙に視線が向くなかでNASAの果たす役割は今後ますます大きくなってくると思われます。