今回は赤ちゃんの発達、その後の赤ちゃんの生活についてご紹介します。
ディベロップメンタルケア
発達のケアを「ディベロップメンタル]と呼びます。お母さんのお腹の中に近い環境を提供することで赤ちゃんの成長を促します。施設によってケアの内容は異なりますが、ここでは主なものをご紹介します。
ポジショニング
お母さんの子宮の中にいたときのように、まぁるくなる姿勢が赤ちゃんにとって良い姿勢です。この姿勢を維持できるように赤ちゃんの周りを布などで包んで囲むようにします。
睡眠状態に合わせたケア
赤ちゃんの睡眠と覚醒の程度を見極め、良く眠っているときはケアを避けます。赤ちゃんにとって心身の良いタイミングでケアを行います。
光と音の配慮
赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいるときは羊水を介した光と音を感じています。外に出て来ると鋭い光や音になれるため、照度を落として優しい光にしたり、音を立てないようにします。
ディベロップメンタルケアは看護師だけでなくご両親も一緒に行うことが大切です。
声をかけてあげるなど赤ちゃんの五感に働きかけるのもケアの一つです。
面会時の感染対応
入院している赤ちゃんにとって、ご家族がそばにいてくれる面会の時間はこの上なく大切で健やかに育つための大きな力となります。しかし、赤ちゃんは免疫的に未熟で感染しやすいので、面会時の感染対策は極めて重要です。
面会前にできること
大人にとって軽い風邪でも、赤ちゃんがかかると重症になることがあります。何らかの症状があるときは、必ずスタッフに伝えましょう。また、新型コロナウイルス感染症など流行性疾患への接触についての情報も大切ですので、正確に把握しておきましょう。
面会時に行うこと
大切なのは手指衛生を行うことです。手指衛生には流水と石鹸による手洗いとアルコール擦式消毒薬による手指消毒があります。流水と石鹼による手洗いは20秒かけて行い、しっかり乾燥させましょう。アルコール擦式消毒薬による手指消毒は正しい使用量で、擦り込みに15秒以上かけましょう。親指と爪を含む指先は忘れがちなので気を付けましょう。
手指衛生は、赤ちゃんに触れる前と触れた後、周辺環境・医療機器・物品に触れた後に行います。また面会中は自分の髪の毛やマスクをつい触れてしまうことが多いので注意しましょう。
チーム医療
NICU/GCUでは医師、看護師はもちろんですが、様々な職種の方々がかかわり、チームとなって赤ちゃんとご家族をサポートします。
・薬剤師
看護師と一緒に赤ちゃんの点滴を作成したり、退院時にお薬を持ち帰る場合にご家族への説明を行ったりしています。
・臨床心理士
NICU/GCUに入院した赤ちゃんの発達を見守ります。また、NICU/GCUに赤ちゃんが入院することは、人生で思わぬ出来事であることが多いので、ご家族の心のサポートも行っています。
・理学療法士
特に早産で小さく生まれた赤ちゃんは運動発達のサポートを必要とする場合があるため、姿勢や体の動きの確認、呼吸器リハビリなどを行っています。
・退院調整部門
家での生活に向けて、地域の保健師と連絡をとり、それぞれのご家族にあった地域でのサポートを受けられるように、ご希望を伺いながら調整しています。
この他にも、ミルクを準備する栄養士、医療制度の相談に乗ってくれる社会福祉士といった方々も力になってくれます。
退院準備
自宅で赤ちゃんが過ごす環境を整える際、様々な育児便利グッズを目にすると思います。しかし、はじめからあれもこれも備える必要はなく、最低限の準備はしつつ、少しずつ買い足していくのが良いでしょう。
物品がある程度揃えられたら、家での生活をイメージしてみましょう。
楽しく育児をしていくために、ご家族や周りのサポートもうまく利用していきましょう。
家での生活・お世話で気を付けること
新しい家族を迎えて新しい生活が始まると、心配や気がかりな事が何かと多いかもしれません。しかし、赤ちゃんは家での生活を楽しみにしています。
まずは、生活リズムを整えていきましょう。大人も赤ちゃんの生活に合わせて行かなければなりません。退院直後はなかなか難しいかもしれませんが、徐々に慣れていきましょう。
赤ちゃんと生活していく中で、泣き止まない、思うようにミルクを飲んでくれない、体重の増えが良くないのではないかなど、様々な心配事が出てくることもあると思います。
赤ちゃんとの生活は初めての事ばかりで、ちょっとしたことでも気になってしまいます。心配事や困り事などは一人で抱え込まず、医療スタッフや地域の保健師、訪問看護師など身近にいる人に発信しましょう。
感染対策
家での感染対策は、NICUでの感染と異なります。NICUにいたときのように、無菌状態でいることはできません。確かに、小さく生まれると免疫力が弱いので心配になると思います。でも過敏する必要はありません。
赤ちゃんにとっては、大人の環境を整えていくことが感染予防になります。大人が手洗いをしっかり行い、むやみに人ごみの中に連れ出さない、風邪ぎみの人とは接触を避けるなど、基本的な生活を送ることで赤ちゃんを守ることができるでしょう。お天気のいい日に人ごみを避けてお散歩することも大切です。
最後に
今回のコラムは新生児の病気について、その後の生活についてご紹介しました。難しい病気、そして難しい漢字があり、聞いたことがない病気がありました。
私自身もこの記事を書きながら学び勉強させて頂きました。
知らない病気が沢山知れて良かったです。
そして最後までお読みいただきありがとうございました。