JAXAは2003年に、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)の3機関が統合して誕生しました。本部は東京都調布市にあり、宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行う機関です。例えば、日本人宇宙飛行士は全員JAXAに所属しています。
事業内容としては、
- 地上と宇宙を結ぶ輸送システムの開発・運用
- 人工衛星による宇宙利用
- 有人宇宙活動、宇宙環境の利用
- 宇宙科学の研究
- 航空技術の研究
が定められています。
JAXAは、新しい基幹ロケットとして「H3」ロケットを開発しています。「H3」ロケットは「使いやすいロケット」として低価格で運用され1回当たりの打ち上げ費用は約50億円を目指しています。また、テレビなどで知っているかもしれませんが、「H3」2号機が2024年2月17日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、小型衛星2基を所定の軌道に投入し、打ち上げに成功しました。日本の宇宙開発の新しい主軸として期待されています。
世界各国が協力して作り上げた有人宇宙施設「国際宇宙ステーション(ISS)」は現在も上空400kmの軌道上を飛行していますが、日本は実験棟「きぼう」を設置し多数の研究成果を残してきました。
「H3」ロケットや「きぼう」はJAXAが主導してきましたが、現在の宇宙開発の流れは民間企業の宇宙サービスを利用する方向に向かっており、日本では三菱重工業や三菱電機などの企業が開発・製造を受注しています。しかし、JAXAはアメリカほどの開発資金を確保できず、研究開発も民間を先導するほどでもなくアメリカと同様な方法はできそうもありません。
イーロンマスク氏のスペースXのような規模の資金を確保するために、日本では宇宙ベンチャー企業を起業しやすくして多数の企業から資金を集め、独自の宇宙戦略が必要と思われます。