サッカーは世界中の多くの国で行われているスポーツで、特に4年に1度開催されるFIFAワールドカップは世界最大のスポーツイベントです。サッカーの試合では時々PKを蹴る場面が見られます。自国のサポーターやテレビの前で多くの視聴者がいる中で試合の勝敗に大きな影響を与えるPKを蹴るプレーヤーは我々の想像できないようなプレッシャーを感じるでしょう。そこでサッカーにおけるPKに注目してみましょう。
PKをとられると...
サッカーの試合において、ペナルティエリアのなかで守備側の選手が反則を犯し、主審がホイッスルを吹いてペナルティスポットを指さすと、攻撃側の選手は歓喜し、守備側の選手は主審を取り囲んで抗議をします。最近ではVAR(ビデオアシスタントレフリー)が取り入れられPKが妥当かどうかビデオをみて判断します。ペナルティスポットはゴールラインから12ヤードの位置にあり、1891年にそう決まってから変わっていません。プロ、アマチュア含めてPKの成功率は75%程度です。
GKはそのとき
PKのシュートの飛行速度は時速112キロメートルほどに達し、0.5秒以内にゴールネットを揺らします。GKがボールの方向を判断し、飛び掛かるには1秒弱の時間が必要でその時にはすでにゴールが決まっています。GKはボールが蹴られてからでは間に合わないので、キッカーの助走、軸足の角度などから蹴る方向を予想しなければなりません。ゴールライン上で動き、何度も手を広げて、感じられるゴールの大きさを減少させます。そして、キッカーの注意を引きキッカーが自分の方に蹴るように仕向けます。
キッカーのほうは
キッカーとしては、「防ぐことのできないPK」というのがあります。ゴールの左上隅か右上隅に速く強いボールを蹴る、というものです。しかし、ふかしてクロスバーのはるか上に飛び、はずすリスクはあります。ある研究者によると、左右に蹴るよりもゴールの真ん中に蹴るほうが成功する確率が高い、という統計があるといいます。GKが左か右に飛ぶことが多いからです。しかしこの統計では真ん中に蹴る回数は左右に蹴るより圧倒的に少ないといいます。筆者もサッカーの試合をよく見てきましたが、PKで真ん中に蹴るのを見た回数が一番多いのは、元日本代表の本田圭佑選手です。
「コロコロPK」
サッカーJリーグをよく観戦していた人は、元日本代表遠藤保仁選手がPKの名手だったことを知っているでしょう。GKの動きをよみ、動きとは反対側にゴロ(グラウンダー)のボールを蹴って決めます。俗にいう「コロコロPK」です。GKが全く動けないときもあります。
「PKを外すことが出来るのは…」
前回のW杯で決勝トーナメント1回戦クロアチアにPK戦で敗れたとき、テレビのスポーツニュースなどで「PKを外すことが出来るのはPKを蹴る勇気のあるものだけである。」という言葉をよく聞いたのは記憶に新しいことです。
サッカーは予測不可能
また、PKを蹴る順番をだれが決めるのか、GKはシュートストップが上手いか、PKを行う側のゴール裏はどちらのチームのサポーターが陣取っているか、など複雑な要素が絡み合うPKは予測不可能といえるでしょう。シュートの技術というよりもメンタルの面が問われるPKに注目するのはいかがでしょうか。