※この内容には流血、鬱、ホラー要素があります。自己責任で拝読してください
挿絵 CiCi AI https://www.ciciai.com/chat/bot/discover
話と違うじゃないか (フィクションです)
頭がおかしくなるか、否か
最初から全部わかっていたら苦労はしないし、すぐに帰れる
わたしはこんな体験をした
「ねぇ、ジェウォン。今日はバレンタインだね」
「うん。それがどうしたの?」
「この時期ってさ、どうしても校舎のエレベーターって壊れない?」
「ああ、あれのこと?」
「うん。ルーゥエンが行方不明になったって話。せっかくモテモテだったのに」
余計に背筋が凍ってきた、笑い話でもなんでもない。
だけどその時は誰もいなかったはず。
「気をつけなよ? 台湾の学校は甘くみない方がいいって」
「なんでエレベーターで、話が弾むの?」
気にしたら負けだと、言うだろう。
「だって彼女、告白されたのはいいけど。あの後すぐに無視したんだって。怖かったらしいよ?」
「やめてよ。留学した意味ないじゃん」
ジェウォンが嘘を言うはずがない。
生徒一人いなくなるくらいなら、そのエレベーターは取り壊した方がいいと思う。
わたしはジェウォンと別れた。
でもひとつだけ言えるのはここは、女子高だ。
エレベーターを見つけわたしは、溜息をつく。
噂は噂だ、信じたところで。
きっとそれは彼女の自業自得でああなったはず。
「・・・・・乗るか」
今日は階段を降りる気分ではない、わたしはエレベーターの階数ボタン(1F)を押した。
その時、ドアが閉まる前にジェウォンの声が聞こえた気がした。
「そのエレベーターに乗っちゃダメ!あたしが悪かった!壊れたのはウソなの!」
時既に遅し。
わたしは疲れが溜まっていた為、返事を返すこともできなかった。
ミラーを見つめ、スマホを見る。
「・・・・・バレンタインじゃないじゃん、今日は2月15日だよ?」
噂は噂、諦めが悪いなと思ったとき。
わたしは、あることに気づいた。
「わたしに好きな人なんていないよ。あなたとは違うから」
作り話で終わってほしかった。
無視をしたと言うことは、フラれたとは言ってない。
さっきの声は、ルーゥエンの声だ。
じゃあ、叫んだジェウォンは?
矛盾よりも、背後の気配が強い。
わたしはさっき誰と話をしていたんだろう?
「話と違うじゃないか」