昭和歌謡に魅せられて・“あやや”=島津亜矢さんの『SINGER』シリーズを徹底紹介!(その9)

さて、“歌怪獣あやや”=島津亜矢さんのアルバム『SINGER6』の「B面」も、「蕾(つぼみ)」「リンダリンダ」「つばさ」ときて、続いてはオリジナル・ラブの「接吻 Kiss」へと移ります。

なんともセクシーというか、センシュアルな歌詞をもつこの楽曲、“あやや”はこれまた余裕で歌いこなしています。

ここで特筆しておきたいのは、このシリーズにおけるバックの演奏陣の、この上ない安定感が、“あやや”の歌声にさらなる魅力を付け加えている、ということでしょう。

次は、マイケル・ジャクソン少年時代の全米No.1ヒット「Ben(ベンのテーマ)」。

ネズミの大群が人々を襲うという恐怖映画『ウィラード』の続編で、少年と1匹のネズミの友情を描いた映画『ベン』の主題歌となった、感動的なバラードでした。

例によって「英語のまま」のカバーで、発音はちょっと難しいところもありますが、《うた》としてはバッチリ、だと思います。

そしてまた、ここでなんと!

尾崎豊さんの「I LOVE YOU」……ではなく、“盗んだバイクで走り出す”「15の夜」の登場です。

個人的に、いろいろ思い入れもないではないこの楽曲を、“あやや”は完全な男歌ではなく、どこかナイーブな部分を秘めた少年のように、しかし熱を込めて歌いあげています。

例えるなら、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジくんのような感じ。

聴きどころは、サビ直前の「15の夜~♪」の部分のロングトーン、ということになるでしょうか。

さぁ、『SINGER6』もいよいよ大詰め。

続いては朝ドラ『ゲゲゲの女房』の主題歌としても知られる、いきものがかりの「ありがとう」です。

なんというかこれは、ジグソーパズルの最後のピースがピタッとハマったような、さわやかで感動的な名唱です。

そしてラストは、中島みゆきさんを一躍有名にした「時代」。

“あやや”は紅白でも披露していました。

引くところでは引き、押すところではグッと強く押す、実にコントロールの利いた、プロフェッショナルを感じさせる、“あやや”の「時代」です。

さて、“あやや”こと島津亜矢さんのカバーアルバム『SINGER』シリーズのご紹介も、遂に7作めに突入しようとしております。

この第7作、なかなかの“問題作”でして、「これ以上行くと、引き返せない」という領域にまで踏み込んだ内容になっています。

果たして、そんな『SINGER7』を、いったいどのように紹介しようかというのは、ちょっとした悩みどころであり、同時に楽しみでもあります。

ひとつそのあたり、みなさんも楽しみにお待ちいただきたいと思っております。(つづく)

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しんのすけ1965

昭和歌謡などの音楽以外にも、さまざまに興味を持っています。そういったあたりも、どしどし出していけたらいいなぁ………なんて、思っております。

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