昭和歌謡に魅せられて~中島みゆき・24年目の「新・地上の星」

中島みゆきさん。

私が子どもの頃からだから、もうかれこれ50年間アーティスト活動を続けている、スゴい人だ。

数々のヒット曲、アルバムセールスといった物事を挙げるまでもなく、そのとてつもなさについては皆さんよくご存知のことと思う。

個人的にあえて付け加えるとするなら、もうかなり前のお話にはなるけれど、ある年のツアーのアンコールで、突如エレクトリック・ギターを抱えて現れたみゆきさんが、その頃柏原芳恵さんに楽曲提供した「カム・フラージュ」(「男の恋人がいるくせに、世間体を気にして、私をカノジョという体で連れまわさないで」といった、強烈な歌詞を持つ歌)を歌ったことがあって、メチャクチャカッコよかった。

さらに同じ時、確かダブルアンコールで、ドラマ『3年B組金八先生』第2シリーズのクライマックスに流れたことですっかり有名曲になった「世情」を、地元のグリークラブの男子学生たちを従えて歌ったことも、強烈に覚えている。

それらももう、40数年前のことなのだから、驚いてしまう。

そして、2024年。

みゆきさんに「地上の星」という大ヒット曲をもたらした、NHK総合の『プロジェクトX』が、『新 プロジェクトX』としてよみがえることになり(番組そのものは、前途多難なスタートを切ったが…)、ここでまた、みゆきさんは我々を驚かせることとなった。

2000年発売の「地上の星」を24年ぶりにセルフリメイクするにあたって、なんとオリジナルよりもキーを下げるのではなく上に設定し、自らさらに高い音域のハーモニーまでつけて「新・地上の星」(未発売。現時点では『新 プロジェクトX』のオープニングのみで聴くことができる)として発表したのだ。

この、中島みゆきという歌い手の、ノドのタフさ、というか強靭さ。

長年歌い続けていてさえヒトのノドは衰えることがあるというのに、常に進化しながら変わらずにいるという、矛盾しているかのような歩みをみせている、その奥深い世界は、人々を魅了してやまないのだ。

その、これまでの歩みの一端は「シングルとして発表された曲をすべて配信」という形ではあるが、サブスクなどでもたどることができるので、ぜひ触れてみていただきたいと思う。(了)

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しんのすけ1965

昭和歌謡などの音楽以外にも、さまざまに興味を持っています。そういったあたりも、どしどし出していけたらいいなぁ………なんて、思っております。

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