昭和歌謡に魅せられて・“あやや”=島津亜矢さんの『SINGER』シリーズを徹底紹介!(その10)

島津亜矢さんの歌手活動の中でも大きな位置を占める、カバーアルバム『SINGER』シリーズのご紹介も、いよいよ7作め『SINGER7』までやって来ました。

2021年リリースの『SINGER7』は、そのリリース前後の相次ぐテレビ出演がSNSで大きな反響を呼び、アルバム自体もオリコンチャートの週間ランキングで(シングル・アルバム通して)自己ベストの第7位を記録するなど、さまざまな意味でエポック・メイキングな作品となりました。

内容的にも、これまでの6作品とは一線を画すものとなり、なんというか「ハッキリと、なつかしい」楽曲をほぼ排したラインナップになっています。

それではさっそく、収録順にみて/聴いて行きましょう。

1曲めはミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』で歌われ、たいへん人気のあるナンバー「This Is Me」でスタート。

もちろん英語のままなのですが、おや、これまでとは何かがちょっと違うようです。

英語の発音とか、かなりがんばったのではないでしょうか?
何気にスゴい、“あやや”です。

続いては、Official髭男dismの「Pretender」。

サビ直前のファルセットになる部分であったり、「グッバイ」の語尾のキュートさであったり、すべて歌い終えたあとの吐息であったり、そういった細かいパーツにたまらない魅力を感じてしまう、フェチなわたくしなのでした。

そして、安室奈美恵さんの「Hero」へ。

序盤のスローからアップテンポ、そして歌い上げるサビへの歌い分けが見事です。

余談になりますが、この『SINGER』シリーズ、ブックレットにそれぞれのオリジナル・アーティスト名が、特定が難しいスタンダード・ナンバーなどを除いて、記載されているのですが、この「Hero」のみ、「もう引退しているから…」ということからでしょうか、安室さんのお名前は記されていません(この後、安室さんの楽曲がサブスクから姿を消したことも含め、これらの動きはある意味、アーティストとしての安室さんの“終活”のようなものだったのかもしれませんね…)。

その次は、アリシア・キーズの「NO ONE」。英語のままのカバーです。

そして、これがまたスゴい。

ちょっとだけヒップホップ調の、全体的にはゆったりとしたナンバーを、ほぼ完全に自分のものにしています。

特に、もともと“あやや”が持っている「こぶし」と、R&Bナンバーならではの「こぶし」の《融合》は、聴きどころのひとつといえるでしょう。

続いては、3DCGアニメーション映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌として大ヒットした、秦基博さんの「ひまわりの約束」。

オリジナルからすると、やや抑えた感じで“あやや”は歌い始めますが、それがサビの部分ではスッ、と解放するような感じに変わってゆく、そのあたりが聴きものです。

その次は、既に日本のスタンダード・ナンバーであり、近年では英語バージョンが、3DCGアニメーション映画『ベイマックス』の日本語吹き替え版のエンディング・テーマとして使用された、AIさんの「Story」。

これ、かなり歌い込んでいる感じがするんですよねー。

素晴らしい。

続いては、スキマスイッチの「全力少年」。

一気に歌いきる感じで、非常に爽快感のある仕上がりになっています。

さて、いわゆる「A面」のラストは、ドラマ『恋人よ』の主題歌として大ヒットし、ヴァイオリンで共演した葉加瀬太郎さんにとっても重要な1曲となった、セリーヌ・ディオンの「To Love You More」。

これがまた、英語の発音をはじめ、何から何まで素晴らしい。

まさに「A面」ラストを飾るにふさわしい、名唱です。

なんとなく、語れば語るほど、ボキャブラリーの貧しさを痛感してしまうわけですが、このあと「B面」も残っております。

何とぞ、よろしくお付き合いのほどを。(つづく)

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しんのすけ1965

昭和歌謡などの音楽以外にも、さまざまに興味を持っています。そういったあたりも、どしどし出していけたらいいなぁ………なんて、思っております。

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